「西粟倉にはオオサンショウウオがよぉけおるんで」
西粟倉村に流れる吉野川にはオオサンショウウオが生息しているという話はかねがね聞いていて、一度は目にしてみたいと思っていました。
源流の村、西粟倉村には特別天然記念物のオオサンショウウオが生息
ランニングがてら村内を走っては川を覗き込んでいたのだけれど、なかなか発見することはできず。「お、アレかも!」と目を凝らしてみるとただの岩だったなんてことを何度も何度も繰り返している。
「あっこの橋の下にようけおる」「探すなら朝早うがええで」
と、村のオッチャン&オバチャンの目撃情報を頼りに、村南部の知社地区を狙っては早朝ランニング(という名のオオサンショウウオ探索)を続けた甲斐があり、ついに発見。
す、すっごいおっきくてヌルヌルしてる…
近づいてみても逃げ出すことはなくて、非常におとなしい。
たまに、モソ…モソ…とすこしだけ動いてかわいい。
「全然動かんじゃろ?人間もサンショウウオくらい辛抱できたらええんじゃけどな」
と、散歩中のオバチャン。オバチャンも散歩がてらオオサンショウウオを探すことが日課らしい。
多い時は一箇所に五匹くらい固まっておるんで、と嬉しそうに教えてくれた。
オオサンショウウオが棲めるってことはそれだけ水がきれいってことじゃで、と付け加えて。
井伏鱒二の「山椒魚」
オオサンショウウオというと、真っ先に井伏鱒二の「山椒魚」が頭に浮かぶ。
岩のすき間に頭を隠すオオサンショウウオを見ていたら不思議ともう一度読み返したくなるもんで。
いよいよ出られないというならば、俺にも相当な考えがあるんだ。