某ブロガーのごとく、煽るようなタイトルで記事を書き始めてみましたが、消耗してるのは何を隠そう俺自身なのでございます。木材業界も建築業界も、FAXとメール使い過ぎぃっ!
今日も「2週間前にFAX送ったんですけど届いてますか?」とお客さんから電話があり(届いてません!)、急な納品にバタバタと対応したのでした。嗚呼。こんなんじゃだめだ。
FAX送信したので確認してください、という電話の二度手間
「FAX送ったので至急内容確認してください」とお客さんからの電話。
「スイマセン…いま出張中なんで戻り次第確認します」と応える俺。とは言うものの内容が気になる俺。
「スンマセン、俺宛にFAX来てると思うんでPDFで送ってください」と社内に電話。印刷の不鮮明なFAXをスキャン→PDF化してメールで送ってくれるスタッフ(ここで文字が読めなかったりや図面が見えない場合が多々ある)
「内容確認しました。見積書を作成したのでメールで送ります」とお客さんに連絡する俺。
「いや、メールじゃなくてFAXで送ってください、大至急」とお客さん。
「スンマセン…今からメールで見積書送るんで◯◯社さんまでFAX送ってください。電話番号は机の上の名刺入れに入ってるんで」また社内に電話をかける俺。
そして、ようやく木材一種類(少量)の見積もりが終わったのでした。かかったコミュニケーションコストがハンパねぇ。
こんなやり取りが絶滅しないのが木材業界・建築業界。この間スムーズに流れても電話4回、メール2回。事務所にいるスタッフも巻き込みます。電話はすぐにはつながるものでもないし、メールもパっと返信はできません。
なぜここまでしてFAXを送りたがるのか。PCを持って仕事し、当たり前にスマホを使い、LINEで連絡を取り合っているはずなのに、FAXはなぜか退化しない。現在2017年、FAXの発明なんて150年前!生きた化石か!
「お世話になります」←これ何度も打つ間に他の仕事できるよ
次はメール。当たり前のようにメールの枕詞に「お世話になっております」と打つわけだけれど、この文面に関して今でもよく覚えていることがあります。大学を卒業し、新卒で入社した木材商社での入社二ヶ月目の俺、上司とのこんなやり取り。
社外のやり取りでは基本的に「お世話に〜」を毎回つけろと上司
長々と書くより早く簡潔に伝える方が良いと「お世話に〜」をつけない俺
「君は新卒なんだからちゃんとやれ」と何度も叱られたのだけれど「ちゃんと」の意味が分からなくて悶々としたことがありました。だらだらとメールが長いのが特徴的な上司だった。
果たして「お世話に〜」と誰彼かまわずとりあえず付けておくことが「ちゃんとしている」ことになるのでしょうか。本当に敬意を払うならば他にもやり方があるじゃないの。
もちろんガッチガチのビジネスメールで「お世話に〜」が必要な時もあるけれど、一日何十通と送信するメール全部に「お世話に〜」や「どうぞよろしくお願いいたします」と打つ労力を他の仕事に費やすことだってできるだろうに、と思ってしまいます。見積もりもできるしアポも取れるもの。
ChatWorkやダンドリワーク、FacebookやLINEでもいいじゃん
ウチの会社では「メールとかFAXとか、もう無くそうぜ!」という社内ムーブメントが加速しています。
チャットツール「ChatWork」でプロジェクトごとに進捗管理したり、お客さんとの情報共有には建築業界向けツール「ダンドリワーク」を使ったり。Excelでの案件管理はやめてサイボウズ「Kintone」にしたり。社内スタッフとのやり取りはFacebookメッセンジャーやLINE、ChatWorkが早くて◎。「ちゃんと確認したよ」の返事が親指突き立てたスタンプだって分かればそれでいい。
写真の簡単な共有だってスマホで撮ってピッと送る、以上。わざわざストレージに上げなくてもいいし、メールの容量を越えてハジかれる心配もありません。資料送付する度に別メールでパスワードだけ送られてくることがあるけれど、毎回コピペするのめんどくさいでしょう。
これくらい他の業界じゃ当たり前なのかもしれないけれど、木材業界や建築業界は本当に疎い印象を受けます。木という自然素材でアナログなモノを作り売る木材業界、情報共有はとことんデジタルにいきたいです。じゃなきゃ業界が潰れちゃう。机の上に広がり続けるFAX、鳴り止まない電話、見つからない図面、ここから脱却せねば。
工務店や設計事務所に営業に行った時に「ウチはChatWork使ってるよ」「ダンドリワークで共有するよ」と話を伺ったときには、それだけで不思議と前提条件の摺り合わせができてしまうもので「じゃ、一緒にいい仕事できそうですね」「あとでFacebook申請しときますね、プロジェクトのスレッドつくりましょう」とトントン拍子で話が進むこともあるんだから情報共有の仕方って本当に馬鹿にできません。こういう会社は打合せだってSkypeでできちゃう。
「悪い」忙しさと「良い」忙しさの違いはどこにある?
「うっわ、今日は本当にバタバタして終わっちゃったな…」と振り返ってみた時、一体何にバタバタしていたかと言うと、そのほとんどが調整作業であることが多い。在庫確認、納期調整、運送確保のいつもの3パターンです。
でも、これって仕組みでうまく変えられるはず。あの人じゃないとできない仕事なんて実はそんなにないはずで、誰もが簡単にできる仕組みをつくれたとしたら、もっと個々人は注力すべき仕事に集中できるはず。
自分にしかできない仕事を探すということは、自分じゃなくてもできる仕事を認める、ってことなのかもしれないと思ったのでした。
そんなことを考えていながらも東京出張中のキャリーケースには図面やら見積書やらがこれでもかと入っていて辟易とします。いざ出張から帰ったらFAX用紙で机の上が真っ白だなんてもう嫌だ。あ、折り返しの電話もしなきゃ。って今、変わらねば。