前回の記事に続いて、いざレーススタート!もちろん、ハダ一人です!笑
実際にコースを走ってみた
トレイルの大会だと言っておきながら、お一人様だなんてことは気にせずにガンガン走っていきますよ。
まずはスタート/ゴール地点であるコンベンションホール。
駐車場も大きいし、最寄り駅から徒歩2分の場所にあります。普段は村のジェントル&マダムの皆さまがゲートボールをしたり、消防訓練の練習場所として使われたりしています。
駅とコンベンションホールの間には、新築のお家が立ち並んでおり、好立地と景観の良さから「あわくらヒルズ」と呼ばれているとかいないとか。
最寄り駅のあわくら温泉駅。
西粟倉ではちょくちょくタヌキのキャラクターを目にするけれど、ぼくは西粟倉でホンモノのタヌキを一度も見たことがありません。
まずはひたすらに村を北上し、村北部の大茅地区を目指します。
スタート地点のコンベンションホールは標高360m。ガンガン登っていきますよ。
ちなみに西粟倉村には日本第一回のマラソン大会優勝者の金子さんの生家があります。西粟倉はマラソンに所縁のある地域なんですね。近所のおっちゃんは「西粟倉は雪が多いし、土地も急なモンじゃで、みんな足腰が強かったんじゃ」と言うてました。
日本ではじめてのマラソン大会は42.195kmではなく、20マイル(=32km)と少し短め。
民家の多い大茅地区を通過すると、杉と桧の美しい人工林の間を走ります。
村内最北部は、唯一のスキー場「大茅スキー場」があるくらい雪の多い地域。冬は除雪車も入らないため、通行することもできなくなります。
ぼくはこの冬、ここでクマの足跡を発見しました。クマ出没注意!
西粟倉村が掲げる森づくりビジョン「百年の森林構想」。この周辺には、百年の森林構想のお手本のような百年生の人工林があります。
間伐された木々の間から日が差し込み、地表には下草がこんもりと生え、天に向ってまっすぐに木が伸びています。本当に美しい。ちょっと山に足を踏み込んでぜひ見て欲しいポイントです。
県下三大河川の一つ、吉井川の支流・吉野川に沿って道を登っていきます。
この先には、199種類の樹木が立ち並ぶ中国地方有数の天然樹林「若杉原生林」があります。夏や秋にはハイキング客で山が賑やか。
すでに標高は700mを越えています。少しずつ上がってきましたね。正直、この辺りでもう足はパンパン。
70年もの歳月を経て完成した、1,000m近い高地を走る12kmの「林道ダルガ峰線」へ。
展望抜群、ドライブコースとしても多くの人が訪れています。6月にはロードバイクで坂を登るヒルクライム大会も開催されます。
この日は、運良く(?)シカの親子とすれ違うことができました。
いよいよダルガ峰に近づいてきました。
西粟倉にはこんなちょっとオカルトっぽい場所もあります。謎の石柱群まであと何メートルなのかも謎。ぜひ実際に確かめてみてください。
いよいよ舗装路を終え、トレイルコースにきました。
ダルガ峰の標高1,100m地点には、約40ヘクタールの平坦地があります。ぐるっと周りをススキで囲まれた高原。達磨大師が座している姿に似ていることから達磨が峰(=ダルガ峰)と呼ばれるようになったとか。
ススキの高原を抜け、ついに一つ目の山の山頂・ダルガ峰に到着しました。標高1,163m地点。コンベンションホールが360mだったことを考えると、だいぶ上がってきましたね。
ここからダルガ峰〜駒の尾山〜鍋ヶ谷山〜船木山〜後山と五つの山を縦走します。
まさにトレイルって感じのコースになってきました。気持ちいい!
そうそう!これです、コレコレ!
あ、でもちょっと怖いかも…
急な階段も。オエッ
息を切らしながら、二つ目の山頂へ。駒の尾山に到着しました。標高1,281m!
山頂付近は見晴らしがとても良く、360度のパノラマは圧巻です!
奥に見えるのが後山。稜線の笹林を走りながら、後山を目指します。
見晴らし抜群!
三つ目の鍋ヶ谷山を通過。
笹林のおかげで縦走中も風が少なく、非常に走りやすいです。その代わりに、夏は非常に暑くなるかも。
とんでもなく大きなサルノコシカケがありました。本当にサルが腰を掛けられそうな大きさ。
四山目、船木山まで来ました。1,334m!残るは後山のみ!
見えてきました、後山!
そして、ついに後山!山頂、1,344m!
なんといっても岡山県最高峰の1,344m。町がとても小さく見えます。空が曇ってきたのがとても残念。
ここまで走っていても、誰一人とすれ違うことはなかったのですが、ようやく登山客に出会いました。姫路や岡山からいらっしゃったおかあちゃん&おじさまでした。ようこそ!
ここから後山〜船木山〜鍋ヶ谷山〜駒の尾山と来た道を戻ります。二つ目の駒の尾山・登山口を目指して駒の尾山を駆け下りますよ。
手摺りもあって下りやすいかなと思うのですが、
この長い長い下り階段が溜まった疲れをさらに刺激します。足パンパン。
途中には展望台や
さらに休憩小屋もあります。
全力疾走するアナグマに遭遇しました。
ようやく登山口まで到着。このデッキ、雨の日はマジで転びます。
登山口でトレイルは終了。あとは舗装路を下っていきます。
コースの全体感が分かるようで分からない図。下りに下って、いよいよ引谷地区へ。
4月初旬のこの時期、山にはミツマタがたくさん咲いています。満開!
ぼくは西粟倉の春が好きなのですが、それはミツマタがあるから。きれいに手入れされた人工林の間に生える黄金が地表を明るく照らします。
ちなみに、ミツマタは一万円札の原料にもなるのだとか。かつてはすべて中国・四国地方の日本産だったそうですが、最近ではネパールなどから輸入しているようです。コウゾ・ミツマタ・ガンピ、和紙の三大原料ですね。
山の奥の奥までミツマタだらけ。引谷地区の上はミツマタスポット!
引谷地区を過ぎ、ようやく智頭街道まできました。オラが村のメインストリート。
あとはコンベンションホールを目指して智頭街道を登るだけ。ラストワンマイル!
「あんた、何処のモンじゃ!」
ラストスパート中、見知らぬおばちゃんに声をかけられました。小休憩がてら話し込んでいたらリポビタンDをもらいました。おばちゃんの愛で最後のエネルギーチャージをしてダッシュ。おばちゃんありがとう。
ようやくコンベンションホールにたどり着いたのでした…
総距離36km、最大標高差1,038mのミドルコースのトレイルレースでした。本当に楽しかった(し、シンドかった)!今回は一人だったけれど、次回はこの楽しさを誰かと共有してみたい。一緒に西粟倉を走りませんか?
西粟倉でトレイルレースを開催して、「西粟倉っていいね」「すばらしい山だね」と感じてくれるひとが一人でも増えたら嬉しいなと、パンパンになった足をさすりながら妄想したのでした。
\ 村長、どうですか!? /