ウルトラマラソン&トレイルランナーのハダです。
ハダが生活する岡山・西粟倉村を舞台にあわくらトレイルと題してトレイルランニングコースを設定し走ってきました。
総距離55km&獲得標高2,200mのミドルトレイルで岡山県最高峰・後山(うしろやま)の絶景縦走が魅力です。
コース設計はもちろん、FKT(Fastest Known Time)的に設計コースのベストタイム更新を楽しみたいなと思っています。
今回は以下のポイントを意識してコース設計をしました。
- 自宅スタート&ゴールで西粟倉村をぐるりと回る
- コース途中に水飲み場、トイレ、食料補給できる場所を入れる
- 岡山県最高峰・後山の絶景縦走と若杉原生林のふかふかトレイルを入れる
過去に走ったあわくらトレイル・ショートコースは36km
[前編]岡山県最高峰・後山を縦走する36km!西粟倉村で「あわくらトレイル」を開催してみた [後編]岡山県最高峰・後山を縦走する36km!西粟倉村で「あわくらトレイル」を開催してみた以前からあわくらトレイルの開拓に取り組んでいたのですが、過去に記事にしたのはこちらです。
村内中心地の駐車場確保ができる施設をスタート&ゴールに設定した総距離36km&獲得標高1038mのショートコースです。
まだトレイルランニングを始めたばかりでしたが、いつか西粟倉村でトレイルランニングレースを開催してみたいなと走ってみたコースでした。
数年経ち、村内周辺のコース開拓を進めるなかで距離を伸ばして55kmに引っ張ったのが今回のコースです。
あわくらトレイルVer.2、もしくは、あわくらトレイル(ミドルコース)といった感じでしょうか。
岡山県最高峰・後山の絶景縦走を楽しむ55km
あわくらトレイルの概要は以下です。
西粟倉村南部に位置する自宅を出発し、反時計回りに西粟倉村をぐるりと一周するコースです。
- 総距離55km&獲得標高2,200m
- ロード:トレイル比率=7:3
- 岡山県最高峰の後山の絶景縦走と若杉原生林のふかふかトレイルが魅力
- 水飲み場、トイレ、食料補給場(道の駅など)を設置
実際に走ってみた反省点は以下です。
- ロード比率が高過ぎる → 林道や登山道を生かしてトレイル比率5割まで上げたい
- 距離に対する獲得標高が少ない → 距離50km&獲得標高3,500mくらいの設定にしたい
- 山をつなげて距離を伸ばせる設定にしたい → 距離70〜80kmまで伸ばしたい
自分が知っている道で繋げたので林道や登山道が少なくロード区間が多い&獲得標高が少ない若干物足りないコース設定になってしまいました。
距離50km&獲得標高3,500mくらいあると早朝〜昼過ぎくらいまでで楽しめる近場トレイルコースにできそうなので引き続き開拓の必要があります。
ただ、自宅から岡山県最高峰・後山(1,344m)にアクセスして絶景縦走や若杉原生林のふかふかトレイルを楽しめるのはあわくらトレイルの良い点ですね。
また水飲み場やトイレなどを要所に配置して水分切れやトイレ休憩ができるようにしたのもポイントです。
では、コースの様子をご紹介します。
あわくらトレイルを走ってみた
早朝4時の真っ暗闇の中、ヘッドライトを付けて自宅を出発。
西粟倉村を南下してお隣、美作市の大原町を経由し、東粟倉地区に進みます。
ゆるゆる下って、ゆるゆる上がるロードの20km弱でウォームアップ。
もうすぐ5月だと言うのに氷点下を下回っていました。さすが中山間地。
全国各地に種々様々な飛び出しボーイが存在しますが、西粟倉村やお隣の美作・東粟倉の飛び出しボーイはターバンを巻いた?カレーぼうや風です。
東粟倉で見かけた飛び出しボーイはなぜかハンマーを持っています。西粟倉のあわくら温泉元湯ではウルトラマンの人形を持っている飛び出しボーイだったりと作り手のユーモアがあってお気に入り。
大原〜東粟倉のロードはひたすら上り。
18km近くロードを走ると、東粟倉名物の愛の水があります。
ネーミングのクセがすごいですが、毎週関西から水汲みに足を運ぶ人も多い県北を代表する名水。
コーヒーや焼酎に使うと味がまろやかで美味しいとか、水を飲み続けるとアトピーが治るとか良いお話をたくさん聞きます。
この地域で美人が多いのは水がええからじゃと近所の美人のおばちゃんが言うてました。
愛の水で美味しい水分補給が可能です。
愛の水から上りが急なロードになり、しばらくすると後山キャンプ場に到着。
トイレも水場もあるので小休憩に良いです。
ここから登山道に入ってしばらくトレイルを楽しむことができます。
船木山に向かう登山道(遊歩道)は広葉樹林のふかふか落ち葉とゴツゴツした岩が多め。
走れる傾斜ではないのでガシガシ歩いて登っていきます。
道の広いトレイルなので気持ちよく走ることもできます。
まだ季節が早いですが、夏は青々とした自然を楽しめますよ。
そして、遊歩道を登り切ると船木山に到着。
船木山から後山に向かって縦走します。
細いトレイルをスピードを出して走れるので疾走感があって気持ちいいお気に入りポイントです。
今回のコースの最高標高、岡山県最高峰・後山に到着。
標高は1,344m。
岡山県美作市と兵庫県宍粟市にまたがる後山は、氷ノ山・後山・那岐山国定公園指定エリアの一部です。
昨晩握ったおにぎりを食べて小休止。
ノンオイルツナに松田のマヨネーズを和えたお気に入りのツナマヨ味。
トレイルランニングレースだとエナジージェルやエイド食に頼ってしまいますが、半分ハイキングのような自主企画ではザックの中身が増えてもおにぎりやお菓子を持っていきたくなりますね。
後山山頂からは東粟倉の町並みがよく見えます。
あの小さな町から登ってきたんだなと嬉しくなりますね。
ここからは船木山に戻りながら駒の尾山を目指して縦走します。これが楽しい。
縦走ですが山が連なっているので標高差は小さく、道の細いトレイルを気持ちよく走ることができます。
後山からの縦走を終えて、駒の尾山に到着。標高1,281m。
駒の尾山頂は見晴らしの良さがポイント。夏秋はハイカーも多いです。
今回のコースには入っていませんが駒の尾山登山口からの上りも楽しいコースです。
駒の尾山からダルガ峰を経由し、若杉原生林までトレイル続きで走ることもできるのですが、一旦小休止&獲得標高を稼ぐためにちぐさ高原スキー場を降ります。
トレイルランニングレースでもスキーコースを走ることは多いので下りの練習にもなります。
斜面も急なので勢いよく降りると足が疲れますね。
スキー場を駆け抜けるシカの群れに遭遇しました。
ちぐさ高原はスキー場なのでトイレや自販機が充実しているので小休止に最適。
ラドンの泉という給水所もあるので美味しいお水も飲むことができますよ。
100円で20L、そんなに飲めねえ…
しばらくロードが続きましたが、三国平登山口に入り、再度トレイルに突入。
ここからはふかふかトレイルを楽しむことができます。
ブナが立ち並ぶトレイルを気持ちよく走り抜けることができます。
道が広いので時々迷いそうになるのでご注意ください。
分かりにくい場所もありますが、ちゃんと道はつながっています。
ひん曲がったド根性杉が待ち構えています。
傾斜がゆるく道が細いトレイルを縫うように駆けることができます。
このお地蔵さんまで来ると若杉原生林のトレイルもあとわずか。
峠のお地蔵さんは1754年建立。峠越えの無事安全を祈っています。
ここからはハイキングコースとなり、ハイキングやバードウォッチングを楽しむ人も増えます。
若杉原生林は中国地方有数の天然樹林。若杉天然林とも呼ばれます。
ブナ、カエデ、ミズナラ、トチノキなど199種類の樹木が立ち並んでいます。
若杉原生林は村の東北端にあり、北は鳥取県智頭町及び若桜町、東は兵庫県千種町に接しています。
標高は950m~1180m程度。
苔むした岩場も多いので滑らないように注意が必要ですが、鳥のさえずりや川のせせらぎを聞きながらトレイルを楽しむことができます。
岡山県下3大河川のひとつ吉井川の支流である吉野川の源流は若杉原生林にあります。
透明度が高く冷たいのが最高。
ドボンするほど水量はありませんが、天然水エイドとして飲んだり、汗を流すことも可能です。
若杉原生林から大茅地区まで下る途中には百年生の人工林が植えられているエリアがあり、西粟倉村を象徴する美しい杉林を眺めることができます。
4月初旬までなら和紙の原料になるミツマタが黄色い花を付けて林床を明るく彩ってくれるのですが、4月末ではすこし時期が遅いですね。
若杉原生林からしばらくロードの下りが続き、村最北部の集落・大茅地区へ。
4月末、大茅地区では芝桜が見頃です。
芝桜を眺められるカフェスペースで知人に遭遇しコーヒーを飲ませていただきました。
山では水ばかり飲んでいたので温かい飲み物が染みます。
大茅地区からさらに下り、影石地区へ。
旧影石小学校には飲食店が入っており、トイレや水飲み場もあります。
一旦、村の中心地まで下りて、道の駅&トイレへ。
こちらは村の木を活用したCLTトイレです。
隣に道の駅やランチバイキングもあるのでエネルギー補給も可能。
しばらく塩谷地区の上り調子のロードが続き、最後に林道が待っています。
走れる程度の上りなので練習にぴったり。
最後は自宅につながる道路を駆け下りて終了。
広葉樹が多く緑が多くて好きな道です。
終始ゆったりペース&途中何度か休憩しましたが、走行時間は7時間7分。
早朝4時に出発したものの、自宅に到着した頃にはお昼を回っていました。
疲れもそこまでなくいい感じです。
あわくらトレイルまとめ
ガーミンのGPSウォッチ、ForeAthlete945で計測したログをGPXデータに出力してGoogle Mapに落とし込んでみました。
コースの全体像がこうしてGoogle Mapで見直すことができると面白いですね。
この山と繋げられそうだな!この辺に林道ないかな?とアイデアが湧いてきます。
ターゲットレースを設定して練習を追い込むのも良いですが、たまにはこうして自分が生活する地域の山を開拓してコース設計し、自己ベストタイム更新を目指すのも楽しいですね。
それがFKTらしい楽しみ方なのかもしれません。