無印良品「くらしの良品研究所」から学んだ重さをデザインするということ

 

無印良品のくらしの良品研究所にとてもおもしろい記事がありました。ほどよい重さをデザインすることについて述べられています。

ふだんの暮らしのなかで使っているさまざまなモノ。実はその重さって相当の工夫が施されているのですね。驚いた。<重さのデザイン|無印良品 くらしの良品研究所
記事内容をいくつか抜き出してみました。

汁椀は100グラムで、りんごの三分の一の目方。

大中小4つが”いれこ”になった昔の”四つ椀”は全部で270グラム。禅僧が使う”応量器(おうりょうき)”は6個組の漆器だが、これも270グラム。

どちらも大ぶりのガラスコップ1個と同じ目方(暮しのためのデザイン|秋岡芳夫)

 

「使いやすい」としてよく売れている包丁の重さを秋岡さんが計ってみたら、土佐の鍛治(かじ)が作っている包丁も、刃物産地・関で作っている包丁も、ほぼ同じ120グラムだったとか。

「これは軽すぎて売れないんです」という包丁の目方は100グラムを少し割っていたといいます。

ただし、本格的に鍛造した菜切り包丁や三徳包丁は120グラムではおさまらず150グラムぐらいになるといいますから、プロの料理人と家庭での普段使いでは、使いやすい重さがまた違うのかもしれません。

 

塗箸(ぬりばし)の重さは、地域によって好みの違いがあるようです。

東北の人たちは重い箸を好むので、津軽塗の職人は重い「鉄木」などを箸の芯にして漆を塗り重ね、水に沈む箸を作るのだとか。

その重さは、男もので25グラム、女ものは20グラム。逆に関西人は軽い箸を好むため、輪島では、京都好みに仕上げた10グラム程度の箸を作るといいます。

そして、日本の箸の80%を生産している若狭では、東北好みと関西好みの間をとって、男ものを20グラム、女ものを15グラムに作るとか。

 

自分自身の生活に当てはめてみて非常に納得しました。

ごはん茶碗が重かったら食事中に腕が疲れてしまいますし、外食チェーン店で使うようなプラスチック箸は重さに違和感があります。

ゴツくて重い腕時計よりも、軽い腕時計の方が好みだけど、靴は少し重いくらいが心地よかったり。重さの好みはひとそれぞれですね。

 

プロサッカー選手の中には1グラム単位でシューズの重さを調整するプレイヤーもいるという話を聞いたことがあります。

ヤンキースのイチローにいたっては、その日の湿度やバットの水分量を判断してバットを使い分けるそうです。なんでも水分量を多く含むバットでは「ボールがバットを離れていく感触が違う」のだとか。

世界の第一線で闘うプレイヤーは道具の数グラムの重さの違いまでもがプレーに大きく影響するのですね。すごい境地です…

 

無印良品の暮らしの良品研究所のコラムはいつも楽しく読ませてもらっています。

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