ヘリテイジのクロスオーバードーム2Gのレビューです。
- OMM JAPANに出場するため2人用の軽量テントを探している
- シェルターやタープは苦手なので自立式ドーム型が好み
- ザック収納量を圧迫しないコンパクトなものが欲しい
OMM JAPANの出場を視野に入れ、2人用の軽量テントを購入しました。
超軽量ドーム型ツェルトとお馴染みのヘリテイジ・クロスオーバードーム2Gはわずか630gの軽さが魅力です。
自立式なので設営環境を選ばず組み立てやすいのも嬉しいですね。5分で設営可能です。
- わずか630g、超軽量ドーム型ツェルト
- 自立式なので設営環境を選ばずに組み立てしやすい、5分で設営可能
- シングルウォールだがパネル性能が高く結露しにくい
ミニマムな仕様ゆえ欠点もありますが、ウルトラライトを追求した軽さと設営のしやすさが最大の強みです。
ヘリテイジ・クロスオーバードームは2015年に発売された超軽量ドーム型ツェルトですが、2020年にバージョンアップして第2世代(2G)が発売中です。
定価38,500円→48,400円と1万円近く値上がりしましたが、10デニールの高強度極薄・日本製素材のパネルを新採用したことで性能が上がっています。
しかも重量も70gダウンと10%の軽量化に成功している点はさすが!
わずか630gの2人用の超軽量ドーム型ツェルト
ヘリテイジ・クロスオーバードーム2Gの概要です。
2021年7月のOMM LITE/BIKE参戦をきっかけに今度はOMM JAPANに興味津々です。元々テント泊に憧れがあったものの1つもテントを持っていなかったので購入を検討し始めました。
出場を検討しているOMM JAPANでは2人1組で出場するレースですが、テントはチームで1つのみしか携行できません。つまりおじさん2人で1つのテント(やシェルター)で寝る必要があります。
NEMO・ホーネットストーム2Pやビッグアグネス・フライクリーク等とずいぶんと悩みましたが、OMM出場者から「OMM JAPAN用のテントならクロスオーバードーム」とおすすめいただいたこともあり購入しました。
ちなみに「軽さと快適さはトレードオフだよ」と何度も念押しされています(笑)
- 価格 48,400円(税込)
- 重さ 630g(公表値)
- 人数 2人用
- カラー クレセントゴールド 1色
- サイズ 底部100cm*210cm
- 素材 10dnナイロン高強度ミニリップストップ・透湿防水PUコーティング(日本製)
- 製造 日本
- 備考 ペグは付属しない、別売でフロントフライあり
ヘリテイジ・クロスオーバードーム2Gはフライシートを除いたシングルウォール型です。そのため、余計なパーツが付属しておらず、テントとポールの2つの構成です。それぞれ専用サックに収納されています。
テント+専用サックの重さは339g。
専用サックのサイズはΦ9cm*高さ20cmほどでコンパクトさが際立ちます。
ポール2本+専用サックの重さは299g。
長さ38cmと短いのでザックのサイドポケットだけではなくメインコンパートメント内に入れることが可能です。
テント+ポール(+専用サック2枚)=638g
掲載値は630gなのでほぼ同重量。8gの差はポールをばらつかないようにするため輪ゴム2本が原因でしょう。かなり正確な値です。
ヘリテイジ・クロスオーバードーム2Gは3種類のサイズ展開です。少し名前がややこしいですね。
- クロスオーバードームf 1人用 横75cm*縦200cm
- クロスオーバードーム 2人用 横100cm*縦210cm
- クロスオーバードーム2 3人用 横130cm*縦210cm
ハダが購入したのは2人用の横100cm*縦210cmのもの。中に入ってみるとおじさん2人が並んで寝るには狭いように感じます。
とはいえ、重量630gと軽い上、ザック内にもコンパクトに収納可能な大きさなので、1人用(OMM JAPANでは2人用)テントとしてテント泊縦走で使用する予定です。
2020年にリニューアル 10デニールの日本製パネルを採用し性能がアップ
ヘリテイジ・クロスオーバードーム2Gの2Gは2nd Generationという意味。2020年にリニューアルされた第2世代ですね。
2015年に登場し超軽量ドーム型ツェルトとしてお馴染みのクロスオーバードームですが、バージョンアップしていっそう機能性が高まりました。
第1世代→第2世代の変更点は以下です。
- 10デニール高強度極薄・日本製素材をパネル&スリーブに新採用、耐水圧1.5倍、透湿性1.9倍にアップ
- パネル自体に通気性能を持たせることでより結露を軽減、空気が抜けやすく専用サックへの収納がスピーディに
- 後面ベンチレーターの位置と仕様を見直し換気性能が向上
- シームテープを20mm→15mm幅に変更、ミリ単位で軽量感の底上げ、700g→630gと70g軽量化
2015年に発売された第1世代は15デニールのパネルでしたが、2020年のバージョンアップ以降の第2世代は10デニールとさらに薄くなっています。
いっそう薄くなることで強度が心配ですが、高強度極薄・日本製素材を採用しています。特殊な織糸を使用することで引き裂き強度を上げつつ軽量化に成功しています。手が透けるほど薄いのに生地は頑丈です。
一般的なテントの場合、地面に触れる底部は上部よりも厚く強度が高い素材が使われていることがほとんどです。しかし、ヘリテイジ・クロスオーバードーム2Gは本体すべてが同一素材となっています。
フライシートを除いたシングルウォールゆえ結露が気になるところですが、パネル自体の通気性能が向上したことで第1世代より結露しにくく改善されています。
第1世代ははベンチレーションが二ヶ所ともテント上部にありました。第2世代は片側を下部に変更しています。室内の湿気を逃しやすくなり、さらにメッシュ付なので虫の侵入も防ぎやすくなっています。
ヘリテイジ・クロスオーバードーム2Gの設営方法
ヘリテイジ・クロスオーバードーム2Gの設営方法は以下です。
- 石や枝を避け、設置場所にグランドシートを敷く
- グランドシート上にテントを広げる
- 折り畳まれたポール2本を伸ばす
- テント上部スリーブにポールを通し、端ポケットに差し込む
- スリーブ端バックルを調整してテントにテンションを掛ける
- 地面にペグを打ち込む(必要であれば張り網も付ける)
実際に自宅庭で設営してみました。
1.石や枝を避け、設置場所にグランドシートを敷く
設営場所を決め、石や枝を避けてグランドシートを設置します。
グランドシートはタイベックです。遮熱性能を高めるアルミ蒸着が施されたシルバーを使っています。
ヘリテイジ・クロスオーバードーム2Gの底部サイズは100cm*210cmなのでグランドシートはほぼ同サイズの100cm*200cmを購入しました。
テント底部面積よりもグランドシートの方が大きい場合、雨などがテント底面とグランドシートの間に入り込んでテント底部が濡れてしまうため、テント底部面積よりも一回り小さいグランドシートを使用するのが良いです。
2.グランドシート上にテントを広げる
専用サックからテントを取り出しグランドシート状に敷きます。
グランドシート以外の場所でテントを広げると地面に隠れた石や枝に引っ掛ける可能性もあるのでご注意ください。
3.折り畳まれたポール2本を伸ばす
ポール2本を組み立てます。
ポール内の伸縮性コードが収縮することによって半自動的にカチカチカチっとポールが1本に繋がります。
ポールは中空アルミ製、先端部分だけが樹脂製です。ポール+専用サックのみで300g弱なので総重量の半分近い重量を占めています。
4.テント上部スリーブにポールを通し、端ポケットに差し込む
テント上部スリーブにポール2本を差し込みます。
2本のポールがしなって躯体となるため、ポール2本をスリーブに差し込んでからでないとテントを張り上げることができないので注意してください。
ポール2本をスリーブ奥にまで差し込んだ後、スリーブ端にあるポケットにポール先端を入れます。
テント中央部でポールがX字に交差していますが、上側にあるポールを先にスリーブ端ポケットに入れた方がが組み立てやすいです。
2本のポールをスリーブ端ポケットに入れてしまえば、一旦は自立したテントとして完成します。
5.スリーブ端バックルを調整してテントにテンションを掛ける
グランドシートとテントの位置関係を調整した後、スリーブ端にある2個のバックルを引き込むことでテントにテンションを掛けます。
6.地面にペグを打ち込む(必要であれば張り網も付ける)
最後にペグを4本差し込んでテントを地面に固定します。
ハダはMSRの大定番アルミ製ペグであるグランドホグステイクを使用しています。
ヘリテイジ・クロスオーバードーム2Gは軽量性を追求しており構造が華奢なので張り網で固定するといっそう安心です。
これで完成です。
最初は設営や収納に戸惑いましたが、慣れれば5分と掛からず設営することができます。
シェルターやタープと違って自立式なので、地面にペグが刺せないような環境でも設営できるのが良いですね。
収納時はパネル自体の空気が抜けやすいので専用サックに楽々と入ります。
L字型の入り口パネルを巻き上げることができない
ヘリテイジ・クロスオーバードーム2Gの気になる点は以下です。
- L字型入り口パネルを引っ掛ける場所が無い
- ベンチレーターからの虫の出入りが気になる
- シングルウォールゆえ雨音が大きく聞こえる
L字型の入り口パネルを引っ掛ける仕様が無いのが懸念点。
入り口を開けっ放しにしておくと頻繁に出入りする際に便利ですが、入り口のパネルを止めておく仕様がありません。ようはパネルを巻き上げることができないんですね。
L字型ジッパー入り口のパネルはポールスリーブ状にあるガイライン用の赤いテープを捻って引っ掛けるようにしています(上写真参考)。
テントを片付ける際に内部のゴミ(虫や葉)を出し切ってから専用サックに収納しないと、ゴミでパネルが傷ついてしまう可能性があります。そのため、収納時にはパネルを開けてテントをひっくり返し、中の掃除する必要があるんですね。
テントにはベンチレーターが2ヶ所あります。テントパネルの上部と下部に1ヶ所ずつあります。
写真の下部ベンチレーター側に頭を向けて寝ると、ベンチレーターから涼しい風が吹き込んで気持ちが良いです。
しかし、室内の湿気を逃がす換気のため、適度にベンチレーターを開けておく必要がありますが、虫の出入りが気になります。
寝る前には虫なんていなかったのに、夜中に目を覚ましてみると虫が羽音が気になってしまうことがしばしば。
別売でベンチレーター用モスキートネット(715円)も販売されていますが、わざわざ買う気にはなりません。
ヘリテイジ・クロスオーバードームはフライシートのないシングルウォールゆえ、雨天は雨音が大きく聞こえます。
まだ春夏のスキー場や針葉樹林での野営でしか使っておらず、結露や浸水は経験していませんが、厳しい環境化でどうなるのかも追って追記したいと思います。
ヘリテイジはテント修理に対応しているので長く愛用することが可能
テントを片付ける際は組み立てた状態で入り口を開き、内部のゴミ(虫や葉)を出し切る
ヘリテイジ・クロスオーバードーム2Gは公式オンラインストアやアウトドア専門店、Amazonや楽天で購入することができます。
定価48,400円と決して安くはない価格ですが、630gと超軽量な2人用テントです。この軽さこそ最大の魅力です。
ヘリテイジでは、ユーザーが末永くギアを使用できるようにするために、生産工場とは別にリペアルームを設け、社内の専任スタッフが修理を行っています。破れたり壊れたりしても修理しながら愛用できるのが嬉しいですね。
まだ春夏のスキー場や針葉樹林での野営しか試せていませんが、OMM JAPANでの使用やテント泊縦走が楽しみになるギアです。