「木は何に使われているのか?」という問いに対する答えはひとそれぞれかもしれません。
それでもやはり住宅市場、つまり家に使われていることが多いと答えるひとは少なくないはずです。
では、実際に住宅に使用されている木はどの程度あるのだろうと円グラフを作成しました。
少しデータが古いですが、林野庁の試算(H19)と森林・林業白書(H24版)をもとに作成。
まず、日本国内の木材需要量のおよそ38%を製材用途が占めています。
そして、その製材用途のなかでも建築材の割合が約8割。
さらに、建築材用途のなかでは木造軸組工法(在来工法)に使用されている割合が約7割です。
しかし、木造軸組工法に使用されて木材の国産材の割合はおよそ3割程度。
つまり、木造軸組工法に使用される木材の約7割は外材ということになります。
これは一体なぜなのでしょうか。
住宅に使用される構造材はさまざまな種類のものがあります。
柱類/横架材(梁・桁)/土台/羽柄材/内装材……などなど。
その構造材の国産材/外材の比率を調べると面白い結果が出てきました。
柱類は集成材のシェアが5割を占め、その8割はホワイトウッド等の外材となっています。
注目したいのは横架材(梁・桁)。
梁・桁については9割がベイマツ等の外材が占めているのです。
さらに、この分野における木材使用量は木造軸組工法全体の約3割を占めています。
また、土台についても防腐処理したベイツガを主体に、外材が全体の7割を占めています。
想像以上に構造材における国産材の比率が小さいことが分かりました。
昨今の乾燥技術の発達や国産材集成材等の普及は住宅市場の国産材比率にどのような影響を与えるでしょうか。
消費税増税後の住宅着工数の下落のなかで、住宅市場における国産材利用の可能性について引き続き、調べてみたいと思います。