60kg大型雄シカを捕獲。獣道特定しにくい平地では米ぬか+石ぐるり+くくり罠の小林式捕獲法が有効

くくり罠の猟師のハダです。

ふだんは岡山・西粟倉村の材木屋「西粟倉・森の学校」に勤務しながらスキマ時間で狩猟に取り組んでいます。

2ヶ月もの間、狙い続けていた大物の雄シカを捕獲することができたのでキーボードを叩いています。

60kg3歳程度の雄シカでした。

狙っていた獲物を捕まえられて嬉しい!

夜な夜な道路に出没する大型の雄シカと雌シカのペア

雄シカと行動を共にしていた30kg2歳の雌シカ

今回捕獲した個体は自宅への帰り道でよく遭遇していた雄シカでした。

スッと伸びた角ずんぐりと太った体が特徴の雄シカ。

角の枝分かれの数から推測すると4歳くらいでしょうか。

いつも雄シカ&雌シカの2匹ペアで遭遇するので夫婦なのかもしれません。

2019年の年末あたりに発見し、この雄シカを獲りたい!とくくり罠を掛け始めました。

近所の山主さんにも罠設置の許可をいただき、快く了承をいただきました。

トレイルカメラを購入し設置してみたところ、きれいに雄シカの映像に残すことができました。

餌を食べながら罠に近づいたものの、罠の怪しさに気づいたのか一目散に逃げ出す瞬間を映像に捉えました。

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年末からくくり罠を掛けては外し…と繰り返していたのですが、まず最初に雄雌ペアの雌シカが罠に掛かりました。

くくり罠+石ぐるり+撒き餌の小林式捕獲法で雌シカを捕獲、解体・精肉して食べてみた

撒き餌+石ぐるり+くくり罠小林式捕獲法で捕獲。

30kg2歳程度の雌シカでした。

さあ、次は雄シカだぞ!と鼻息を荒くするもののなかなか罠には掛かりません。

撒き餌+石ぐるり+くくり罠の小林式捕獲法を試すも他動物に食われる

撒き餌(米ぬか)+石ぐるり+くくり罠の小林式捕獲法の様子

民家の裏山でお墓も隣接する罠場に足跡や糞が残っているのですが、獣道の特定が難しく、撒き餌を使いながら雄シカを捕獲しようとしていました。

撒き餌(米ぬか)+石ぐるり+くくり罠小林式捕獲法で米ぬかを夢中で食べるシカの前脚をくくり罠に踏ませる作戦です。

前脚がくくり罠に掛かると、肉量の多い後脚が傷みにくいのも解体時に嬉しいポイントです。

小林式捕獲法の特徴
  • 撒き餌(+周囲に石ぐるり+くくり罠餌への反応が良い個体に有効
  • 獣道を特定しにくい平地で有効
  • 前脚が罠に掛かるため、肉量の多い後脚が傷みにくい

米ぬかだけきれいに食べ尽くされた後

何日か小林式捕獲法で罠を掛けていると、撒き餌(米ぬか)への反応はかなり良い印象。

しかし、周囲を見渡してみると、イノシシやタヌキの足跡も多く、狙っている雄シカが食べているかどうかも分かりません。

イノシシの場合、罠の怪しさに気づいて周囲の石を掘り起こすことが多いですし、タヌキなど小動物の場合は軽いため罠を踏んでも反応しないことが多いです。

米ぬかを撒いては餌だけ食べられ、また米ぬかを撒いては餌だけ食べられる、という状態が何日か続きました。

大雨の翌日に雄シカを捕獲

夜に大雨が降った翌日。仕事前の朝の見回りです。

せっかく米ぬかを撒き直したばかりなのに雨で濡れちゃったなぁ…と思いながら見回りへ。

2月に入ってから日が長くなったので朝の見回りに時間を割けるようになりました。

現在は5ヶ所の罠場に計10本のくくり罠を設置しています。

1つ目、2つ目、3つ目…と罠を確認してもヒットはなし。

獣が通った形跡もありません。

今日もヒット無しかな…と肩を落としながら最後の罠場に近づいてみると…何か動いているものが見えます…

斜面で横たわってしまい起き上がれない雄シカ

おおお!獲れてるッ!

しかも狙っていた雄シカだ!

待望の1ヶ月ぶりのヒットです。嬉しい…!

しかも2ヶ月に渡って狙い続けていた個体をようやく捕まえることができました。

しかし、近づいても一向に立ち上がる気配がありません。

あれ、もしかして死んでる?弱ってる?と近づいてみると、ワイヤーが前足に括られた状態で斜面で横たわってしまったため起き上がれなくなっていたのでした。

スラッと伸びた角とずんぐりと太った大きな体をもつ雄シカ

雄シカは殴打で気絶→止め刺しで血抜きをする際に角で攻撃しようとしてくるのでいつも怖い思いをします。

今回の雄シカは立ち上がれない様子なので好都合。

この大きな個体が攻撃してきたらと考えると怖くなります。

殴打で気絶→止め刺しで血抜きをスムーズに行うことができました。

個体が大きい分、首から流れ出る血の量も多く感じます。

山から降ろし、軽トラックに積み込み。大雨の翌日なので泥だらけになりました。

大きな前脚

平日の朝で解体する時間が無いため、西粟倉村内の獣肉解体施設に納品しました。

同世代の村の仲間が運営しています。

重さは60kg

山から降ろしたり、軽トラックの積み込みではたいへん苦労しましたが、その重さは60kg。そりゃあ重たいわけだ。

大きな睾丸

ここで解体された西粟倉村の獣は東京をはじめ全国の飲食店に届けられます。

顔の見える関係性でこだわりを持った飲食店に使っていただけるのは本当に嬉しいですね。

スラッと伸びた角は枝が2本

角はのこぎりでカットして持ち帰ってきました。

スラッと伸びた角がきれいです。

角の数から3歳ですね。

左右非対称の角を持つ奇形?60kg大型の雄シカをくくり罠で捕獲

前回捕獲した左右非対称の角を持つ雄シカの頭蓋骨はトロフィーにしようと地面に埋めていたのですが、ノノモン(野の者)に掘り起こされて紛失してしまいました。

地面に埋設するトロフィーづくりは冬の場合、時間が掛かってしまうため、今回は角のみ拝借しました。

4ヶ月間の猟期終了まで残り1ヶ月

雄シカは角で攻撃してくるので止め刺しが怖い

11月15日〜3月15日までの4ヶ月間猟期も残り1ヶ月となりました。

猟期4ヶ月でシカ&イノシシ16頭!サラリーマンのスキマ時間くくり罠狩猟

昨年度の猟期では4ヶ月間16匹のシカ&イノシシを捕獲できましたが、今期は狩猟に割く時間がかなり少なく、なかなかペースが伸びません。

狩猟に時間が割けない → 山に入って集中して罠を掛けられない → 猟果が出ない → 狩猟モチベーションが下がる → 狩猟に時間が割けない…と悪循環にハマっているのでリズムを取り戻したいものです。

  • 2019年11月22日 … 雄シカ
  • 2020年1月4日 … 雌シカ
  • 2020年1月5日 … 雄シカ
  • 2020年2月13日 … 雄シカ(NEW!)

11月15日から始まった4ヶ月の猟期で捕獲数は4匹

ここからリズムを取り戻してペースを上げていきたいものです。

小林式捕獲法で使用するくくり罠は押しバネ式+踏み板タイプを愛用しています👆