林業ニュースをチェックするのが平日の朝のルーティンです。今日はこんな素晴らしいニュースがありました。
津市美杉町八知の美杉木材市場で26日に開かれた競り市に、樹齢250年の巨大なヒノキの丸太が出品された。同市場の開設以来最大の目玉商品は競りの参加者を活気づかせた。
丸太は長さ8メートル、直径74センチで、今月5日に同町丹生俣(にゅうのまた)の山で伐採されたヒノキから切り出された。
午前9時20分ごろ始まった競りには、約30人の仲買人らが参加。威勢良く競り値が飛び交い、奈良県桜井市の材木店が462万円で落札した。神社や寺院の建て替え、補修に使われる。
ヒノキの丸太が一本462万円っ!!
長さ8m&直径74cmの丸太とあるので、末口二乗法でざっくりと材積計算してみると、およそ4.381立米(長さ6m越えの超大径木なので、さすがに末口二乗法で計算するとズレが大き過ぎますね)。そして、250年モノって1760年代にまで遡るのか…!
そして、立米単価を計算してみると、なんと立米単価105万円っ!!
上の表は平成28年度の森林・林業白書の抜粋。スギやヒノキの長さ4mの中丸太(直径14〜28cm)の立米単価の推移です。
2016年のヒノキ中丸太の立米単価は17,600円。今回の超巨大ヒノキがいかに高いかがよく分かりますね。なんと60倍の単価。すげえ。
林業は儲からないと言われ続けて耳タコのご時世に、侠気のある売り手と買い手のやり取りにシビれますね。その場で実物を見てみたかったな。
「材木を扱うモンは、絶対に木に惚れ込んだらあかん」
売りモノに惚れ込んで売り惜しみをしてはいけないし、時流に合った適正な木の価値を常に冷静に判断しなればいけない。だから、材木屋は決して木に惚れてはいけない。数年前にお会いした、とある材木問屋の社長の言葉が今も記憶に残っています。
「惚れてもいいのはええ女だけですわ、ガハハハハ」
と社長は笑い飛ばしたけれど、こんな丸太がモテまくる林業界であって欲しいなと思ったのでした。極上の丸太だから、伐採も製材も販売も、すべての工程で緊張感とワクワク感があるんでしょうね。