【狩猟】鹿&猪くくり罠の捕獲場所をマッピング(15ヶ月、33頭、半径2km)

くくり罠の猟師のハダです。

田舎で材木屋勤務の傍ら、スキマ時間に狩猟に取り組んでいます。

今回はくくり罠での狩猟において最重要とも言える罠を設置する場所の選定について考えてみました。

思うように獣が獲れない中で自分自身の整理も含めて記事を書いています。

ハダ

スキマ時間の狩猟では見回り時間を減らしながら効率的に獣を獲りたい!

猟期を中心に15ヶ月で33頭の鹿&猪を捕獲

まずはハダ自身の猟果について振り返ってみました。

本格的に狩猟に踏み込んだ昨年度の猟期2018年11月15日から今日現在2020年2月末のおよそ15ヶ月間鹿&猪33頭捕獲しています。

狩猟は5年目なのでそれ以前にも捕獲していますが、今回は捕獲場所を記録し始めた期間で集計しています。

ハダの15ヶ月間の猟果まとめ
  • 期間 2018年11月15日〜2020年2月26日(およそ15ヶ月間
  • 結果 鹿&猪を計33頭捕獲(タヌキ、キツネ、アナグマ等は除く)
  • 内訳 鹿31頭猪2頭(西粟倉村は鹿の捕獲割合が圧倒的に多い)
  • 方法 くくり罠のみ(常時罠場3〜4箇所に1〜3本ずつ設置、鉄砲や箱罠は不使用)

この期間のみの平均を割り出すと、およそ1ヶ月に2.2頭の鹿&猪を捕獲していることになります。

ただ、実際は猟期(ハダの住む西粟倉村の場合、11月15日〜3月15日までの4ヶ月間)以外の有害鳥獣捕獲期(猟期以外)はほとんど罠を掛けていないため、捕獲数は猟期4ヶ月に集中しています。

現在は常時6〜10本ほどのくくり罠を3〜4箇所の罠場に掛けています。

ふだんはサラリーマンとして勤務しているため、狩猟に割ける時間は平日朝土日のみです。

土日に罠を入れ替えて、平日は見回りや微調整といったリズムで動いています。

猟期は、平日朝に30〜60分程度、土日のいずれかにまとまった時間を取って1週間8時間は狩猟に時間を費やせるようにしています。

獣の解体をする場合は1頭で3〜4時間は掛かるので自分で解体する場合はより時間を費やしています。

森林率95%の西粟倉村

ハダが生活する岡山・西粟倉村は、岡山県の最北東端に位置し、兵庫県・鳥取県と県境を接しています。

森林率は95%、うち85%が人工林で林業が主な産業です。

面積は58km2程度。

人口はわずか1,470人程度。

ちなみに比較対象として分かりやすいのが世田谷区です。

世田谷区は西粟倉村と同面積ですが、94万人もの人が住んでいます。

宮城・仙台市786km2の土地に108万人住んでいるので、いかに世田谷区が人口過密なのかがよく分かります。

西粟倉村にはコンビニがありませんし、信号は2つしかありません。

Google Mapを見るといかに山に囲まれた村なのかがよく分かります。というか山しかありません。

捕獲場所をマッピングしてみた

15ヶ月間で捕獲した鹿&猪はGoogle Mapにマッピングするようにしています。

「どこで、いつ、何が獲れたか」をピンを刺して簡易的に記録しています。

ハダは西粟倉村南部の集落に住んでいます。

基本的には自宅〜会社の間に罠場を設定するようにしています。

なぜならスキマ時間での見回りが楽だから。

朝に会社に向かう前、仕事が終わって自宅に戻る時、ちょっとした移動時間で罠を確認できるようにしています。

なにより、自分の集落で獣を捕獲すると近所のおっちゃんおばちゃんらが喜んでくれるのも大きなモチベーションです。

およそ半径2km圏内に収まる範囲で捕獲していました。狭ッ!

自宅や会社から車で5分以内でアクセスできる近海漁業スタイル

ちなみに昨年春に引っ越しをした(と言っても村の南部で1.5km程度移動しただけ、以前は円の右下あたり)のですが、家の付近でよく捕獲していることが分かります。

鹿の群れ1つを全て捕獲したかのように、短期間に1つの罠場で5頭を捕獲することもありました。

基本的には人里との境界民家の裏山に掛けることがほとんど。

山深い場所や山の上に罠を掛けると捕獲率は高くなるかもしれませんが、罠の見回りに時間が掛かってしまうのでほとんど攻めていません。

ハダ自身の傾向をまとめてみると以下です。

ハダの狩猟傾向
  • 猟期中は1週間8時間は狩猟に時間を費やす(平日朝、土日)
  • 自宅〜会社の間の半径2km圏内で集中的にくくり罠を設置(車で5分圏内
  • 常時罠場を3〜4箇所設定し、1〜3本のくくり罠を設置
  • 山深い場所に掛けることは少なく、人里との境界に設置

今期の猟期は残り2週間で鹿7頭

今年度の猟期(11月15日〜3月15日、4ヶ月)での猟果は以下です。

  • 2019年11月22日 … オス鹿
  • 2020年1月4日 … メス鹿
  • 2020年1月5日 … オス鹿
  • 2020年2月13日 … オス鹿
  • 2020年2月18日 … メス鹿
  • 2020年2月22日 … メス鹿
  • 2020年2月23日 … オス鹿

今年は暖冬のせいか「見回りしても山に獣が居らんのじゃ!」「罠を掛けたくなる場所が全然あらへん!」と村の猟友会長も不発とのこと。

11月・12月・1月は出張が多かったこともあり、2週間以上も罠を設置しない期間が数回ありました。結果は当然のようにボロボロ。

なんとかラストスパートを掛けようと2月に入ってから徐々にリズムが掴めてきました。

1週間に1頭は当たり前に捕獲できる技術を身に着けたいところです。

ちなみに昨年度の猟期では、4ヶ月16頭1週間に1頭のペースで捕獲できていました。

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捕獲数 = 罠設置数 ✕ 獣通過率 ✕ 罠作動率 ✕ 早期発見度

獣の捕獲数は以下の式に当てはめられると考えています。

捕獲数 = 罠設置数 ✕ 獣通過率 ✕ 罠作動率 ✕ 早期発見度

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以下に捕獲効率を上げるかを考えた時に課題として感じているのは獣通過率罠作動率です。

せっかく丁寧に罠を設置しても獣が通らない獣道であれば意味がありません。

この獣道で獲れるかなぁ怪しいなぁと思っている獣道ではやっぱり獲れません。

また、獣道の選定が良くても獣の足の置き場が悪ければ罠を踏まなかったり空弾きをしてしまいます。

今期からは罠の作動重量を重く設定しているため、タヌキやキツネが1頭も掛かっていないのは良い傾向です。

一方で、罠を踏んでも足が掛からない空弾きが増えています

獣通過率の高い獣道を選定するための目と、空弾きせずに罠を踏ませる罠設置をできるようにするのが捕獲効率を高めるための課題だと感じています。

濃い獣道に罠を掛けるための目利き

自身の結果を振り返りながら改善点は以下だと考えています。

今後の改善点
  • ナイトパトロール
    道路などに夜間出現するエリアを見つける
  • 新しい罠場の開拓
    翌日の見回りが楽しみになるような新規開拓を欠かさない
  • 罠場周辺の行動把握
    罠場周辺の獣道の状況を把握し、獣の行動を把握する

ここに獣が居ると分かっている場所に罠を掛けるのが最も効果的な方法なので、新しい罠場や獣道を開拓する必要があると感じました。

「この辺りには獣が居るけど、この道かどうか分からない」といったシーンを減らすことができればより自信を持って明日を迎えられるのではないかと思ったのでした。