「この人は本当に仕事が早いなぁ」と思える人はとにかくレスポンスが早いものです。メールの返事も、クレーム処理も、重要な意思決定も、全てが早い。
サッカーで例えるなら、足離れがすごく良い。ダイレクトもしくはワンタッチでパスを出す。自分でボールを持つ時間が極端に短いんですよね。
つまり、自分にボールが来る前に周りの状況がよく見えているということ。だから足離れ良くプレーすることができるんですね。
サッカー・90年代後半で例えるなら、コロンビア代表の黄金時代を支えたカルロス・バルデラマ(例えが古いか)。ミスター・インサイドパス。
ボールは疲れないからボールを動かせ
サッカーをやっていた人なら一度は耳にしたことがある言葉「ボールは疲れない」。
この考え方は仕事にも通じています。自分でボール(=仕事)を抱えて、ドリブルしてゴールに近づけるのは時間がかかるし、相当に疲れます。
もちろん、ここ一番のタイミングでのドリブルで相手を抜き去ってシュートする力強さも必要だとは思うけど、事実として、人が全力で走るよりも、ボールのスピードの方が圧倒的に速いんですね。
周りが見えていなかったり状況判断ができていないと、まずはボール(=仕事)を足元に抱えて、それから周りを見渡してしまいます。
でも、その時にはすでに敵(=例えば納期)が迫っていて、プレッシャーも強い。そんな中、しどろもどろに出したパスは精度に欠けてしまいます。
90分の試合でボールを保持している時間はたった1分
自分が成果(=ゴール)を出さなくちゃ!と強く思い込んでしまうと、どうしてもボールを抱えてしまいがち。けれど、試合で選手がボールを保持する時間ってほんの一瞬です。
サッカーの90分の試合のうち、各選手がボールを保持している時間はおよそ1分と言われているそう。そう、たった1分です。
それはつまり、ボールに触らずに過ごす89分間にどんな動きをするかが大事ということに尽きるんだと思います。
自分以外の選手がボール(=仕事)を抱えている時に、自分はどこへ動くのか、相手がボールを持っている時にどう対応するのか。
仕事をたくさん抱えているように感じてしまいがちだけど、本当に自分がやらなければいけない作業って実は少ないのかもしれません。
パスを回せばボール(=仕事)は自分の足(=実力)より速くゴールに近づいていくわけですから、足離れ良くチームでパスを回しながら仕事していきたいものです。
スピードがなによりのサービス
世界のHONDA、本田技研工業の創業者・本田宗一郎氏の数ある名言の中でとても好きな言葉があります。
スピードがなによりのサービス
さらに本田宗一郎はその言葉をさらに噛み砕いて説明しています。
スピードの前には、どんなサービスも問題にならない。つまり、スピードそのものがなによりのサービスである。大げさにいえばスピードは人間尊重であるということだ。
特に、スピード=人間尊重だ、と言っている点がお気に入り。
顧客を尊重する = 相手を待たせない = スピード感を持って仕事を早く進める = パスを回してチームでゴールに近づける = チームを尊重して戦う
それはつまり、お客さんを尊重するためにはチームを尊重する。チームを尊重するためにはお客さんを尊重する。ということかもしれないと思ったのでした。
まずは溜まった見積もりを「週明けには必ず提出します」とメールを送ることから始めてみよう。まずはメールを返して自分で期日を設定すればきっと後回しにしたりしないはず。