フルマラソン完走者がウルトラマラソン100kmに挑戦する際に頭に入れておきたい「食べながら走る」補給食論

フルマラソン・サブ3.5(3時間30分切り)の中堅ランナーのハダです。つい先日、初めてウルトラマラソン100kmに挑戦し完走しました。

参加したのはえびす・だいこく100kmマラソン(島根)。レース結果は、

タイム:11時間24分39秒 順位:58位/完走321名(669名中)

境港→出雲大社の島根横断ワンウェイ式ウルトラマラソン「えびす・だいこく100kmマラソン2018」を完走しました

まずは完走できたことにホッとしているのですが、課題は山積み。ペース配分が甘くて、前半に飛ばし過ぎ、後半にバテ過ぎ。テンションが上がって実力値もわきまえずになんだかヤレル気になってしまいました。

特に課題が残ったのがレース中の補給食でした。今回は消費カロリーの高いウルトラマラソンにおいて「食べながら走る」ことについて考えてみました。

ウルトラマラソンの消費カロリーは7,000kcal越え!

消費カロリーについては、定番のMETs(メッツ)法でざっくりと計算してみましょう。

概算が簡単に早く分かる!マラソンやトレイルランニングの消費カロリーをMETs(メッツ)法で計算してみた

METs法による消費カロリーの計算方法は下記。

METs法

消費カロリー(kcal) = 時間(h) × 体重(kg) × 運動強度 × 1.05

運動強度に関しては、ランニング全般の運動強度である8.0METsを当てはめてもよいのですが、今回のペースタイムだと9.0METsくらいが妥当です。

ちなみに、フルマラソン(5分20秒/km、4時間切りペース)では11.0METsなど運動強度によって値が大きく変わるので注意してください。

 

消費カロリー = 11.5(h)× 68(kg)× 9.0 × 1.05 = 約7,390(kcal)

成人男性・運動強度高めのハダの一日の消費カロリーは2,500kcal程度。つまり、ウルトラマラソン100kmを1発でおよそ3日分の消費カロリーがあります!それだけ走りながらカロリーを消費するんだから、走りながら補給しないとガス欠になってしまいますね。

レース前&レース中に何を食べたか?

以前参加した30kmのトレイルランニングレースでは、補給食を取らなかったせいで終盤でハンガーノック(エネルギー切れのガス欠状態)になってしまい、ぶっ倒れたことがありました。30kmなら補給なしで大丈夫かなと思った自分が甘かった…!

 

初めてのウルトラマラソンでは、以下の点を意識していました。

  • 1週間前から運動を減らし、レース3日前から高炭水化物な食事切替
  • レース当日の朝食は1,000kcalを目安にしっかり食べる
  • レース中はジェル、おにぎりなどで2,000kcalは摂取する

 

浅はかな知識とわずかな経験の蓄積でしかないのですが「無理しない程度にこれくらいは意識してやっておきたいな」という設定です。

 

具体的には、以下の食事を取りました。

  • レース前の朝食 … バナナ2本、パン1個、塩大福1個、味噌汁、スニッカーズ1本、クルミ少々(食べ過ぎて辛かった…!)
  • レース中の補給 … おにぎり3個、エナジージェル4本、スポーツようかん3本、バナナ6-7本分程度、コーラ、その他オレンジや梅干しなどのエイド補給(もうしばらくバナナは食べたくないw)

 

レース中の補給に関してはとにかく「食欲がなくてもこまめに何でも食っておこう!」という気持ちで、走りながらジェルやようかんを食べたり、エイドステーションでおにぎりやフルーツを食べていました。

さいわい5km毎・計20箇所近くのエイドステーションがある大会だったので、補給のペース配分しやすく非常に助かりました。どのエイドにもコーラがあるのが最高にありがてぇ!コーラはいつ飲んでも美味ぇ!

 

食べることが大好き。胃は弱くない。ということもあり、とにかくこまめにカロリーを取ることを念頭において補給ができました。

ウルトラマラソンは5kmおきにエイドが設置されていることが多いので、多すぎる荷物で体重を増やす必要はありません。こういった折りたたみ式コップを持っていると、エイドでゴミが出ませんし、ポケットに入るので便利です。

最近は環境負荷削減のため紙コップを使用しないレースも増えたため、一つ持っておくと便利だと思います。

ペース配分と同じくらい補給配分がキモ

実際にウルトラマラソンを走ってみて感じたのは、純粋な走力以上にマネジメントの仕方がレース結果に大きく影響を与えるんだなということ。

 

今回のレースでは、前述したように前半50kmを5分30秒/km(フルマラソン・サブ4ペース)で快調に飛ばし過ぎてしまいました。

到底ペースを維持できるはずもなく、60km地点を越えてから徐々にペースダウン。最後には6分50秒/kmまで落ち込んで、しどろもどろになりながらゴール。

しっかり前半を我慢し切ってペースを抑え、後半からじわじわとペースアップしていくようなレース運びができればよかったなと後悔しています。フルマラソンでもいつも前半を飛ばしすぎてラスト10kmでペースが落ちてしまいます。同じ過ちを繰り返してる…。

 

補給配分も同じです。「カロリーが足りなくて欠乏するくらいなら苦しくても食っておこう」と貧乏根性丸出し。走りながらジェルをすすって、エイドステーションではバナナのバカ食い。

「この補給量で良いのかな??」と不安になりながらとにかく食べ続ける。その不安のおかげでちゃんとカロリーは摂取できたのだけど、吐きそうになるくらいにはシンドいものでした。正解だったのかどうかは今でもよく分かりません。ただ、完走することはできました。

 

自分に合った補給配分や量がしっかりと分かっていればもう少し精神的に余裕を持ってレースを楽しむことができたのではないかなと思います。

特に糖質ばかりのカロリー摂取に気を取られず、BCAAもこまめに摂るようにしましょう。アミノダイレクトはBCAA5500mgと成分が抜群に良いのでここぞのタイミングで補給しています。

レース中の補給配分は、何を、いつ、どれくらい?

今回のレースでは、約11時間30分走り続けて7,390kcalの消費カロリー。

人が体内に蓄えている糖質のエネルギー量は1,500〜2,000kcal程度と言われれています。朝食には1,000kcalを取りました。ということは、7,390 – 1,500 – 1,000= 4,890kcalをレース中に補給する必要があるということ。

 

11時間30分のレースの中で4,890kcalを補給する必要があるので、1時間あたりの必要消費カロリーは425kcal。つまり、15分あたり100kcal程度のカロリー補給(=エナジージェル1本分程度)が必要な計算ですね。

 

とは言うものの、この雑な計算には脂質のエネルギー利用が入っていません。脂質も糖質もエネルギー利用されますが、脂質は糖質よりもはるかに多いエネルギー量を蓄えています。脂質=脂肪1gあたり9kcalあるので、レース中に脂肪が1kg燃えたとしたら9,000kcalのエネルギーになります。脂肪を燃やして走りたい…!

 

ランナーにしては68kgと体重が重過ぎるので、ウルトラマラソンで結果を出せるファットバーンな体質改善が最近のテーマです。レース終わりに体重が1kg落ちていたのは水分だけではなく、脂肪が燃えてエネルギーになったのだと信じたいものですが、どうなんでしょう。

脂質系の補給食ならトレイルバターがカロリーたっぷりでコスパも良いのでおすすめです。デザインも可愛いので持っているだけでテンションが上がります。

えびす・だいこく100kmマラソンのコース動画

ちなみに、えびす・だいこく100kmマラソンのコース動画は以下です。

島根半島東端のえびす様(美保神社)から西のだいこく様(出雲大社)までの100kmを駆け抜ける景観と起伏に富んだ大会です。島根半島から見える日本海と浦々の景色が最高ですよ。リベンジしたいっ!

Relive ‘えびす・だいこく100kmマラソン’