住まい方や働き方を強く意識した空間づくりが当たり前になれば無垢が選ばれるようになるよ

久しぶりの東京出張。北上して向かったのは茨城県。

パン製造会社さんの新工場でユカハリ・タイルをたーっぷりと使っていただきました。

パン製造会社の新工場に400平米、1,600枚のユカハリ

去年の秋に納品させていただいて以来、ようやく現場を見に来ることができました。

西粟倉村から電車で7時間・700km先には圧巻の光景がありました。

400平米、計1,600枚ものユカハリ・タイルが敷き詰められています。

廊下から休憩室まで延々と続くように廊下に貼られたユカハリタイルを見ていたら涙がこぼれてしまいました。

生まれてきて27年間、悔しくて泣いたことは散々あったけれど、嬉しくて涙が出るなんてはじめての経験です。

プロのカメラマンが撮影してくださった写真も見せてもらい、陽の光を浴びてやさしく光るユカハリタイルを見たらもう一度涙がでた。

苦笑いする社長。遠目から訝しそうにのぞくスタッフさん。動揺する俺。いやはやスイマセン。

高校サッカー最後の大会前に腰を疲労骨折して試合に出られず引退することが決まった時、高校現役・浪人時代と二回受けた名古屋大学に受からなかった時、ぺーぺーの自分を信じて上司がリスクを背負って任せてくれた仕事を成功させられなかった時。

今まで悔しくて泣いた思い出はたくさんあるけれど、嬉しくて泣いた記憶はありません。

「あ、俺って嬉しくても泣けるんだ」と自分自身が一番驚いたのでした。

土足でもスリッパでもなく、無垢の上を靴下で過ごす工場

何が嬉しかったかって、お客さんが強い意思を持って無垢を、ユカハリタイルを選んでくださったことです。

「無垢の良さを実感して欲しいから」と土足でもスリッパでもなく、靴下のまま過ごしてくれています。

「汚れても入れ替えればいいし、それをスタッフに持って帰らせて家で使ってもらったらいいんだよ」と未来のイメージまで持ってくれています。

そして、スタッフの皆さんがDIYで仕上げの塗装をしてくださいました。

これだけの広さを塗るのはずいぶんと大変だったろうけど、ただお金を払って空間をつくってもらうのではなく、自分たちで手を動かし汗をかいて自身の職場空間を完成させてくれました

最後のワンピースはお客さん自身がはめてくれたのでした。

自分たちで完成させたという実感は確かな愛着につながるはずです。

  • 「ここ一番のお客さんがいたらウチの工場に連れてきてくれよ。全力で案内するよ」
  • 「無垢にどれくらい変化があるかテストに使ってもらってもいいよ」

とまで言ってくださったのでした。本当にありがたい。

ずらりと並んだユカハリタイルを見てみると同じ木目や色のものなんてひとつもありません。

赤いのもあれば白いのもある。

節一つないきれいなものもあれば、「あ、この節はスタッフが埋めるのに苦労しただろうな」なんてことも見えてきます。

ユカハリタイルを一枚一枚、節の一つ一つを丁寧に仕上げ作ってくれているスタッフみんなで必ず見に来たいなと思ったのでした。

みんな感動するだろうな!

無垢の不安は「事例の蓄積」と「先輩の住まい方」が解決する

多くのひとは「自然っていいね」「木ってあたたかいね」と感じています。

27年間生きてきて「木なんか嫌いだわ」というひとには出会ったことがありません。

性善説的にみんな自然が好き木が好き。

けれど、「木っていいよね」という感覚を生活の一部に持ち込もうとすると途端に精神的なハードルが上がってしまいます。

「木って傷つくんですよね」「メンテナンスが大変なんですよね」と不安ばかりが押し寄せてくる。

でも、そういった不安の多くは実例が解決してくれます。

住宅に、賃貸に、オフィスに「こんなふうに無垢を導入しましたよ」「あんなふうにメンテナンスしてますよ」という事例が溜まれば溜まるほど、無垢生活の先輩が増えれば増えるほど、不安を解消する実例が生まれます。

今回の工場の事例もまた、新たな空間で大きな可能性を感じるきっかけとなったのでした。

やっぱり無垢はあたたかいし快適だ!

「住まい方」「働き方」を強く意識した空間づくりが主流

東京出張中、ハウスメーカー開発部の方やオフィス設計施工会社の方と会って話すなかで強く感じることがありました。

かつてはかっこいい家をつくる、お洒落な空間をつくる、といった部分に焦点が当てられて空間づくりが数多くされてきましたが、現在は「住まい方」「働き方」を強く意識した空間づくりをしようとする動きが急速に高まっています。

お洒落だけど床が冷たくてスリッパを履かないと生活できないような家に我慢しながら住むのは正直辛い。

足元にはブランケット、口にはマスク、加湿器が常に欠かせないようなオフィスで働くのはやっぱりしんどい。

家でもオフィスでも、あくまで主役はそこで過ごすひとたち。

空間が主役ではありません。

住まい手にとっての快適な家づくり、働くひとにとっての快適なオフィスづくりを考えた時に無垢を使いたいという需要が生まれるのは当然の流れなのかも。

みんな自然が好き、木が好き。

「あたたかいね」「香りがいいね」「ジメジメしないね」と木がもたらす効果が快適な空間づくりの一助になることは分かってる。

そして、無垢にかかわる不安は事例と先輩が解決してくれる。

となれば、木を使わない理由なんてないじゃない。さあ!