ニワトリを育てて卵を自給したいと飼育を始めましたが、想像以上にかわいくて半家畜・半ペット化しています。
「ニワトリの飼育って大変なの?」と聞かれることも多いのでニワトリ飼育のリアルをまとめてみました。
- 家の庭でニワトリを育ててみたい
- ニワトリ飼育にあたって何が必要か知りたい
- 卵の自給に興味がある
現在は名古屋コーチン7羽、ホシノブラック2羽の計9羽を飼育し、庭で放し飼いで飼育しています。
名古屋コーチンは有精卵から孵化させ、ホシノブラックは孵化後2週間程度のヒヨコを知人から分けていただきました。
- 早朝〜夕方までは庭に放し飼い(在宅時のみ)、夕方〜早朝までは鳥小屋に収納
- 餌は朝夕2食、養鶏飼料を中心に残り物の野菜も食べさせる、庭の雑草や虫も勝手に食べる
- ニワトリは群れで行動し、人懐っこく臆病なので庭から出ることはほとんどない
村の知人が家庭養鶏を始めたことをきっかけに「俺もニワトリを育てたい!」と見切り発車でニワトリを飼育し始めました。
飼育前(特に有精卵の孵化前)は不安もたくさんありましたが、育て始めてみるとそんなに手間も掛からず、想像以上にかわいくてニワトリに癒やされる毎日です。
肉も卵も美味しい名古屋コーチンとホシノブラック
2020年8月の現在は名古屋コーチンとホシノブラックという品種を飼育しています。
「なぜその品種を選んだの?」と聞かれることも多いので飼育している品種について簡単にまとめました。
- 名古屋コーチン 7羽 孵化後1ヶ月 有精卵から孵化
- ホシノブラック 2羽 孵化後2ヶ月 孵化後2週間のヒヨコを分けてもらう
愛知県出身なので名古屋コーチン
ニワトリは、ホワイトレグホン、ロードアイランドレッド、プリマスロック、シャモ、烏骨鶏、アローカナ…たくさんの品種があります。
比内鶏、薩摩地鶏と並んで三大地鶏の1つと言われている名古屋コーチンを選びました。
理由はハダが愛知県出身だからです(笑)
名古屋コーチンは明治30年頃に作り出された採卵・食肉兼用の品種で、卵・肉ともにコクのある味わいで人気の高い品種です。
有精卵の孵化に初めて挑戦した際は、孵化器の温度設定が甘く全滅、1個も生まれませんでした(泣)
2度目の挑戦で孵化器の差し替えと温度管理を徹底したところ、有精卵10個中7個が孵化しました。
有精卵を孵化させて名古屋コーチンを育ててみた ニワトリ家庭養鶏の準備と手順のまとめ有精卵の孵化についてはこちらの記事をお読みください。
有精卵の孵化に必要な道具や手順についてまとめました。
黒い見た目がかわいいホシノブラック
知り合いの方が家庭養鶏を始め、運が良いことに孵化後2週間のホシノブラックを2羽分けていただくことができました。<とりっこ倶楽部ホシノ ホシノブラック>
ホシノブラックは横斑プリマスロックとロードアイランドレッドの交配品種ですが、同じように黒いニワトリでは愛知県岡崎市の地鶏・岡崎おうはんもあります。
ホシノブラックは採卵・食肉兼用で黒(メラミン色素)が強く、人の浸透圧に近い卵や肉だそうで、卵や肉の持つ生命力やうまみ成分を体に取り入れやすいそうです。
ニワトリには珍しい黒い見た目がとても可愛いので、品種の選定で非常に気になっていたホシノブラックですが、購入最小ロットが卵で40個、ヒナで50羽以上のため購入に至りませんでした。
有り難いことにヒヨコを分けていただくことができ飼育がスタートしました。
孵化後2週間は小さなカラスみたいでかわいい見た目だったのですが、孵化後2ヶ月経ってすっかり大人になりました。
2羽ともメスのヒヨコを分けていただいたので孵化後5ヶ月程度で卵を生み始める予定です。
有精卵の孵化は何羽生まれるか分からないしオスメス判別もできない
現在はお妻さまと夫婦2人暮らしで1週間に1度は10個入りの卵パックを購入しています。
1日に2〜3個の卵を生んでくれればいいなと考えていたので、メス4羽+オス1羽程度の飼育を理想としていました。
しかし、有精卵から孵化させようとした場合、有精卵は卵パックと同じく10個入りでの販売が基本です。
1度失敗していることもあり孵化率が読めませんでしたが、結果的に7匹の名古屋コーチンが生まれてくれたおかげで名古屋コーチン7羽+ホシノブラック2羽の計9羽の大所帯となりました(笑)
飼育するニワトリの数で鳥小屋の大きさもある程度決まるので、孵化後1ヶ月の屋内飼育期間に鳥小屋を製作するのがおすすめです。
【ニワトリ用 鳥小屋の作り方】木材で飼育小屋を簡単DIYし獣対策の電気柵設置屋内飼育時の飼育箱と屋外飼育時の鳥小屋のDIY方法についてまとめました。
鳥小屋は購入すると高いのでホームセンターにある木材・金網・丁番などでDIYするとコストダウンできます。
ニワトリ養鶏の1日の流れ
我が家の家庭養鶏の1日の流れは以下です。
- 朝6時頃 鳥小屋からニワトリを出し庭に放す
- 朝7時頃 朝食を与え、飲み水を入れ替える
- (この間、在宅時は庭に放し飼い、不在時は鳥小屋に入れる)
夕方18時頃 夕食を与え、飲み水を入れ替える - 夕方19時頃 鳥小屋に入れる
(たまに鳥小屋内の糞の掃除をする)
夜〜朝にかけては鳥小屋に入れますが、基本的には家の庭に放し飼いにしています。
我が家はお妻さまが在宅でデザイン業をしており日中でも家に居るのでその間ニワトリは庭で遊んでいます。
雑草や虫をつついて食べたり、砂浴び(人間で言うお風呂)をしています。
基本的には、寝る・食べる・つつくをしているだけでかわいいですよ。
ニワトリはコミュニティを形成し群れで行動する習性があるので基本的にホシノブラック2匹のペア、名古屋コーチン7匹の軍団で群れて行動を共にしています。
ニワトリ=庭鳥と書いて字のごとく、庭から出ることはなく狭い生活圏で生きています。
ニワトリ1羽1羽にも個性があり、群れからはぐれると不安になってピヨピヨと鳴き続ける個体や人懐っこく人間に近寄ってくる個体などさまざまです。
ホシノブラックと名古屋コーチンは異なる品種、異なる年齢ですが、ケンカすることもなく仲良く過ごしています。
ニワトリを育て始めて知った10の生態
卵と鶏肉目当てで育て始めたニワトリですが、実際に育ててみるとさまざまなニワトリの生態を知ることができました。
1.オスかメスか分からない
ホシノブラックはメスのヒヨコを分けていただいたのですが、有精卵から孵化した名古屋コーチン7羽のオスメスの比率は未だに分かりません。
孵化後2ヶ月程度立てばオスのトサカが大きくなったり体格がデカくなったりと判別できるはずですが、現状は「この子はトサカも大きくなってきたしオスっぽいかな」程度しか分かりません。
メスが何羽いるのか=卵をどれくらい生むのかを早く知りたいところですがお楽しみはまだ先です。
特にヒヨコの性差は非常に少なく雌雄の区別は困難であるため、いくつかの鑑別方法が存在します。
- 羽毛鑑別(羽性鑑別) 羽の伸び方の違いにより鑑別する
- 羽色鑑別 羽色の違いにより鑑別する
- 肛門鑑別 生殖器官の雌雄の違いにより鑑別する
孵化場で雌雄を判別するためにひよこ鑑定士(正確には初生ひな鑑別師)という国家資格がありますが、一般的なひよこの鑑別なら、1時間に1000羽以上、3.5秒に1羽以上のペースで鑑別しているそうです。すごっ!
ひよこ鑑定士の詳細はオモコロのこちらの記事が面白いですよ。<「ひよこ鑑定士が儲かる」というのは嘘!? ベテラン鑑定士に真実を聞いた>
2.刷り込みに成功したかは謎
鳥と言えば、生まれたばかりの個体が近くで動く物体を母親だと思う刷り込み(インプリンティング)が有名ですね。
ニワトリのヒヨコの刷り込みは孵化後5時間で決まるそうです。短いですね。
名古屋コーチンは有精卵から孵化させたのでヒヨコたちが最初に動く物体として確認したのはハダかお妻さまですが、刷り込みができているかは謎です。
ただ「母親とは思っていないけど、餌をくれる奴ら」程度の認識はしているので、お腹が減っている時は後を追ってきますし、家の中に居ても「餌くれよぅ…」とウッドデッキに上がって窓から我々を見ることもあります。
ただ、ニワトリは羽が乱れるので体を触られることが嫌いなようで鳥小屋に入れる時は毎回苦労します。
夕方になれば勝手に鳥小屋に入ってくれるなら楽なのですが、草や地面をつつくのに忙しいようで、餌で釣ったり、夫婦で挟み込んで捕まえたり大変です(泣)。
3.寿命は10年程度だが卵を生むのは1年半程度
品種によって異なりますが、一般的にニワトリの寿命は10年程度と言われています。
3〜4年くらいかな?と思い込んでいましたが意外に長生きするんですね。
ニワトリのメスは孵化後120日(=4ヶ月)程度になると卵を生み始めます。
産卵を開始してから200日前後で産卵のピークに達しますが、その後も休産期を経ながら1年半程度の期間、卵を産み続けます。
1年半の産卵期間に300〜400個の卵を生み続けるようです。
仮に我が家が毎週1パック10個の卵を購入すると仮定すると、1年で520個程度の卵を消費していることになります。
少なくともメス2匹が年齢を経ても入れ替えながら飼育することができれば夫婦2人の卵は十分に補うことができそうです。
定期的に有精卵を採取・孵化させて産卵期のメスが常にいるような状態を維持したいものです。
4.トウモロコシや果物が大好き 辛味は感じない
美味しい卵や鶏肉を食べたいのでニワトリの餌は試行錯誤しています。
人間と同じく食べたモノからしか体はつくられないので餌は重要ですね。
我が家では養鶏飼料を中心にえごま油のしぼりカスや古米、米ぬか等を混ぜて食べさせています。
しかし、混ぜる比率を多くし過ぎたり、餌を多くあげすぎると残してしまいます。
養鶏飼料の中に入ったトウモロコシが好きなようでトウモロコシを選んでつついているような印象を受けます。
また、畑で育て自分が食べ終わったトウモロコシの芯を与えるといつまでもつついています(笑)
以前捕獲したイノシシの後脚をニワトリに食べさせる。シカ肉と同じように食い付きは抜群。特にメスが大興奮している。毎日栄養たっぷりの卵を産んでくれるのでタンパク質は安定摂取できるようにしてあげたい。ジビエを食べた後に産んだ卵は味が濃い気がするけど気のせいかな?#ハダん家のニワトリ pic.twitter.com/jhYWTKsGSP
— ハダ|西粟倉・森の学校 (@hada_tomohiro) April 29, 2021
これは我が家だけなのかもしれませんが、キウイやリンゴ、ブドウの皮を刻んだものも喜んで食べます。
ちなみにニワトリはカプサイシンの受容体が存在しないらしく辛味を感じないそうです。
試しに畑で育てたトウガラシを与えてみましたが喜んで食べていました(笑)
5.消化のために砂や小石を食べる(砂肝の役割)
歯が無いニワトリは口で食べものをすり潰すことができません。
極端に大きい虫などはついばんで切ってから飲み込みますが、小さな虫なら丸飲みしてしまいます。
ニワトリには砂のう(焼き鳥で有名な砂肝)という器官があり、あらかじめ砂や小石を飲み込んで、砂のう内で小石や砂と食べものを擦り合わせて砕いて消化します。
ニワトリを観察していると地面をつついて小石や砂をついばんでは吐き出し、お気に入りのサイズの小石や砂を探しているように見えます。
6.おしっこはせず、糞は2種類
ニワトリは哺乳類のように水状のおしっこはしません。
腎臓では固形状の尿酸として老廃物をまとめて糞として排泄します。
哺乳類のような尿道はないので、糞も尿も同じ穴=総排泄腔から排泄することになります。
糞には2種類あり、正常便と盲腸便があります。
正常便は棒状で白い固形物でほとんど匂いがありません。
盲腸便は褐色の液体状で臭いです。その見た目の通り、チョコ糞とも言われます。
1日に数回チョコ糞をしますが、この匂いが強烈で床にチョコ糞を落とされると匂いが取れにくく困ります。
7.ニワトリはほぼ無臭 臭うのは盲腸便と養鶏飼料
「ニワトリを飼育し始めたら庭が臭くならないかな?」と気にしていたんですが、ニワトリってほとんど匂いがしないんですよ。
砂浴びをして砂まみれになるし、たまに排泄するチョコ糞は臭いのですが、ニワトリを抱き上げて鼻を近づけてもほぼ匂いはしません。不思議です。
大人のニワトリの体温は41度程度あるので抱っこすると温かくほっこりします。
むしろ匂いが強いのは養鶏飼料です。
養鶏飼料にはトウモコロシや大豆のしぼりカス、魚粉、動物性油脂などが入っているのでコッテリしたクセのある匂いがします。
養鶏飼料はホームセンターで20kg程度まとめて購入することができますが、屋外に養鶏飼料を入れるコンテナボックス等を用意するのがおすすめです。
8.まばたきは人間とは逆で「下から上」
人間は上から下にまぶたが下りますが、ニワトリは逆で下から上にまぶたが上がります。
砂浴び(人間で言うお風呂)で、地面に座り込んでガサガサと羽や足を動かしている時はまぶたを閉じてうっとりした顔をしているのでとてもかわいいです。
さらに鳥類や爬虫類に上下まぶたの内側に瞬膜という眼球を保護するための半透明の膜もあります。
まぶたは上下に移動しますが、瞬膜は水平方向に動きます。
気になる人は「鳥 瞬膜」とググってみれば画像がたくさん出てくるので調べてみてください。
瞬膜の存在を知ってニワトリの目を覗いてみるもののいまだに瞬膜を目視できていません…
9.空は飛べないけど遠くに飛べるし足が速い
「ニワトリって飛べないんでしょ?」と思っていましたが、空を飛ぶことはできませんが、高さ2m近い場所から羽ばたいて飛び降りることもできますし、1mくらいの高さならジャンプ+羽ばたきで到達することができます。
一日中歩き回っているので足は非常に筋肉質というかゴツゴツしていてまるで恐竜の足のようです。
カラスやハトと比べても足が大きく太いですね。
そして、なにより走るスピードが非常に速くて驚きます。
えっ、ニワトリってこんなに速く動けるの?と驚きました。
10.ニワトリは厳しい縦社会
ニワトリは厳しい縦社会を生きており、餌を食べる順番も朝コケコッコーと鳴く順番すら決まっているそうです。え、なにそれ?
ニワトリには順位制があり、はっきりした序列が決まっています。つつきの順位とも呼ばれるそう。
つまり我が家のニワトリ9匹も明確な順位が決まっているということなんですね。
「コイツはいつも餌にがっついてくるな」「この子はどんくさくていつも餌を食べるのが最後だな」と思っていましたが、性格の問題ではなく順位付けがされていたのでした。
集団の中でいったん順位が定まると、強い雄が優先的に餌を食べ、雄のホルモンが強く出て鳴く回数も増える。交尾の回数も増し遺伝子を残す確率が高まる。優秀な遺伝子が残れば、種全体の繁栄にもつながる――というのが、生物学的な理論付けだ。
たまにニワトリ同士が胸をぶつけ合ったりつつき合ったりとケンカをしている様子を確認していましたが、集団内で優劣を明確にしているんですね。
まとめ
ニワトリの生態についてよく分からないまま家庭養鶏をスタートしましたが、少しずつ勉強しながらニワトリの成長を眺めています。餌が欲しければ近寄ってくるし、抱っこしてあげたらリラックスして眠ることもあるので家畜以上にペットのような気持ちで飼育しています。
都市部でニワトリを飼育するのは難しいかもしれませんが、庭があるような家なら鳥小屋と少しの庭さえあればニワトリの飼育が可能です。卵と鶏肉の自給を目指しつつ、9匹のニワトリとの生活を楽しんでいます。