ランニング用ショートパンツの下に着用するインナーパンツ(アンダーウェア)のレビューです。
- インナーパンツはどんなものを選べばいいのか分からない
- ランニング中の蒸れやランニング後の汗冷えが気になる
- 股擦れに困っている
蒸れ、汗冷え、股擦れ…たかがパンツとはいえ、インナーパンツ周りのトラブルが精神状態に与える影響は大きいですよね。
何十時間も走り続ける100km越えのウルトラトレイルやウルトラマラソンにおいては、いかにトラブルを起こさないかが完走に重要な要素です。
実際に自分が履いたことのある商品をレビューしました。
インナーパンツに求められる性能
長時間・長距離走り続けるトレイルランニングやマラソンで着用するインナーパンツに求められる性能は以下の5つです。
- 吸湿速乾性 蒸れを防ぐ
- 汗冷え防止 汗冷えが原因でお腹が痛くなる
- 防臭性 臭い状態で走り続けるのはテンションが下がる
- 股擦れ防止 股が擦れて痛くならない
- デザイン性 裾からパンツが見えても恥ずかしくない
「インナーパンツなんてなんでも良いわ」と気にしないランナーも少なくないですが、ハダはレース中の汗冷えや蒸れがストレスになることが多く、レース中に精神力を削がれないためにもインナーパンツを着用しています。
フルマラソンならまだしも何十時間と走り続けるウルトラレースになると小さなトラブルの積み重ねがストレスになり辛い思いをすることもあります。
インナーパンツ1枚で「レース中のトラブルを軽減し完走に繋がるのならちゃんとしたものを履こう」と様々な商品を試してきました。
以下、おすすめの商品をレビューしました。
ファイントラック ドライレイヤーベーシックボクサー
トレイルランニングを始めて初購入したインナーパンツがファイントラックのドライレイヤーベーシックボクサーです。
元々はスキンメッシュシリーズという名前でしたが、2020年春にドライレイヤーベーシックシリーズに名称変更されました。
大阪・交野市のトレイルランニング専門店ソトアソで購入しました。
ファイントラックと言えば元モンベルの金山洋太郎さんが創業した神戸発の国産アウトドアブランドです。
レイヤリングに注力した商品展開をしており、ベースレイヤーのラインナップが非常に豊富ですね。
- 価格 3,850円(税込)
- 重さ 34g
- メリット シンプルなボクサー型でザラザラ感のあるドライな履き心地
- デメリット 伸縮性高くゆったりした履き心地だがフィット感△
- こんな人におすすめ ベーシックなランニング用インナーパンツを探しているランナー
耐久撥水性、抗菌防臭、肌に優しい縫製、汗抜けのいいメッシュゴム、肌触りの良い吸汗の裏あて付きと基本性能を抑えています。
適度な保温力と汗抜けスピードのバランスに優れ、季節を選ばない汎用性の高さが特長的な商品です。
ザラザラっとした素材感で適度な厚みがあります。
フィット感は強過ぎず、ゆったりした履き心地なのでムスコが窮屈な思いをしません。
若干の透け感はありますが、見た目がふつうのボクサーパンツと大差ないのも見逃せないポイントです。
ファイントラックには、盛夏シーズンに最適の適度なクーリング効果を備えたドライレイヤークールシリーズもあります。
4,840円と価格は上がり、透け感は増しますが、ドライレイヤーベーシックシリーズよりも2倍涼しい極薄素材のインナーパンツです。
ミレー ドライナミックメッシュボクサー
フランス発のアウトドアブランド・ミレーはトレイルランニングカテゴリーは弱めですが、トレイルランナーがこぞって愛用するインナーウェア、ドライナミックメッシュシリーズがあります。
見た目の網々感&Tバッグ風スタイルが強烈なのでラン後の温泉で恥ずかしい思いをしますが、機能は申し分なし。
トレイルランニングやハイカーに加え、狩猟者にも愛用者が多いミレーのヒット商品です。
阿蘇ラウンドトレイル2019(120k)や上州武尊山スカイビュートレイル2019(143k)等、20時間越えのウルトラトレイルレースでも網々セットアップで乗り切ることができました。
- 価格 3,850円(税込)
- 重さ 70g
- メリット 網々セットアップでドライな肌が保たれ汗冷えしにくい
- デメリット 網々デザイン&Tバッグなので見えると恥ずかしい、70gと重く厚みがある
- こんな人におすすめ 山頂やレース後半で汗冷えしやすいランナー
生地が厚いので暑そうに見えますが、肌とシャツの間にメッシュ素材が入ることで空気層ができ、肌をドライに保ち、汗冷えしにくいインナーパンツです。
かさ高メッシュ素材が肌面の汗を素早く吸収し、上に着たベースレイヤーに拡散し、汗を吸ったベースレイヤーはメッシュの厚みによって肌から遠ざけられ、肌面の冷えを防ぎドライ感を保ちます。
ドライナミックメッシュの効果をより発揮するために、シャツやパンツは吸湿発散性の高い素材のものがおすすめです。
懸念点としては見た目の網々&Tバッグ風な見た目はもちろんですが、生地がぶ厚い分、かさばり感を感じます。
トレイルランナーのアンダーウェア(下着)問題を解決!Millet(ミレー)のドライナミックメッシュボクサーが見た目も性能もヤバイ件トレイルランナーのアンダーウェア(下着)問題を解決!Millet(ミレー)のドライナミックメッシュボクサーが見た目も性能もヤバイ件
ミレーのドライナミックメッシュボクサーについては詳しいレビューを書きましたのでこちらをご覧ください。
ハダはドライナミックメッシュNSクルーも購入し網々セットアップで愛用しています。
シャツ下のアンダーウェアを着ないランナーも多いですが、ザックを背負って長時間走ると背中や脇下にムレやベタつきを感じることが多いので、ハダはセットアップで着用するのがお気に入りです。
T8 コマンド・アンダーウェア
次は、香港発のトレイルランニングブランド・T8(ティーエイト)のコマンド・アンダーウェアです。
欧米のような気温や湿度の低い環境下での着用を目的とされた欧米アウトドアブランドのウェアの場合、アジアで着用するには吸湿速乾性が足りないことも少なくありません。
T8は香港をはじめ、アジアの高温多湿なトレイルでも快適に走り続けるためのウェアを開発するために生まれました。
- 価格 3,300円(税込)
- 重さ 40g
- メリット わずか40gと軽量で3Dストレッチ&シームレス設計で股擦れ対策◎
- デメリット 股下が長いため3〜5インチのショーツでは裾からはみ出る
- こんな人におすすめ 太ももが丸見えになるのに抵抗があるランナー
まず持ってみて驚くのがその軽さ40g。
生地はストッキングのように非常に薄くさらりとした仕上がりです。
ウエスト部分のゴムは細めの設定でフィット感は高いのですが、緩過ぎずキツ過ぎずムスコが揺れない3Dストレッチになっており、肌側がシームレスなので股擦れトラブルも起きにくくなっています。
個人的に嬉しいのはアンダーウェアの割に裾丈が長い点です。
裾丈が短くフィット感が強いインナーパンツは走っているうちに上にずり上がってきてしまい、ブリーフのような見た目になったり、お尻に食い込んでしまい苦手です。
しかし、コマンド・アンダーウェアは裾丈が長く生地がさらりとしているのでずり上がることはほとんどありません。
裾丈が長いので座った時に太ももが丸見えになりにくいのも良いですね。
【T8 コマンド・アンダーウェア+シェルパ・ショーツ】高温多湿なアジアトレイル向け香港発トレランブランド【T8 コマンド・アンダーウェア+シェルパ・ショーツ】高温多湿なアジアトレイル向け香港発トレランブランド
T8のコマンド・アンダーウェアは収納力抜群のシェルパ・ショーツと組み合わせるのがおすすめです。500mlソフトフラスクが収納できるのでウエストバッグ要らずですよ。
ユニクロ エアリズムシリーズ
次は大穴、みんな大好きユニクロのエアリズムシリーズです。
「え、ユニクロのエアリズムってランニングにも履けるの?!?」
と非常に驚きましたが、Twitter村のガチガチのトレイルランナーの皆さんからおすすめしていただきました。
ハダの普段使い用下着はほぼ全てエアリズムですが、ランニングに着用したことはありませんでした。
普段の生活では毎日のようにユニクロのエアリズムシリーズにお世話になっておりますが、ランニングでも着用できる性能があるとは知りませんでした。
さすがユニクロです。
- 価格 1,089円(税込)
- 重さ 70g
- メリット ユニクロらしくサイズやデザインが豊富で安い
- デメリット 山頂やレース後半での汗冷え、ムスコや玉裏の蒸れ感
- こんな人におすすめ インナーパンツにお金を掛けたくないランナー
なんといってもエアリズムシリーズの特徴はテロっとさらっとしたすべりのある履き心地。
ランニングで着用して汗をかいてもベタつかないのが良いですね。
生地は薄く、フィット感はあるものの、締めつけは強くないので窮屈さはありません。
「ユニクロのエアリズムはロングボクサーブリーフのような裾丈が長いインナーパンツで股擦れしないのが良い」という意見も聞きました。
吸湿速乾性が非常に高いわけではないので山頂やレース後半での汗冷えが気になりますが、普段の10〜20kmのランニングでは全く支障がありません。
ランニング用に開発された商品ではありませんので前開き部分が重なっています。
いちばん涼しげで居て欲しいムスコや玉裏が蒸れやすい印象を受けます。
ユニクロらしく、1枚1,089円(セールではより安く!)でデザインやカラー、サイズが豊富な点は見逃せません。
パンツは消耗品ですからゴムが伸びてヘタったら捨てると割り切ってエアリズムを使うのはアリですね。
ランニングを始めたばかりの人に「インナーパンツってどのブランドがおすすめなの?」と聞かれたら「ユニクロのエアリズムで十分だしコスパ抜群だよ」と伝えるようにしています。
ライナー(インナー)付ショーツ+ノーパン
次はライナー(インナー)付ショーツ+ノーパンスタイルです。
インナーパンツのおすすめ記事なのにインナーパンツを履かないスタイルの提案です(笑)
ランニング用のショーツはパタゴニアのストライダー・プロ・ショーツ 5インチを長年愛用しているのですが、こちらの商品はライナー付なのでパンツなしで履くことができます。
元々はストライダー・プロ・ショーツにファイントラックやミレーのインナーパンツを合わせて履いていたのですが「外は暑いし洗濯モノが増えるし今日はノーパンでいいや」とノーパンスタイルを試してみたら全く問題のないことが分かりました。
- 価格 0円
- 重さ 0g
- メリット 股間のかさばり感が少ない、余計な洗濯モノが増えない
- デメリット 雨や荷物で重くなると股擦れが起きる場合あり
- こんな人におすすめ 余計なものは身につけたくないミニマリスト
ライナー付ショーツ+インナーパンツの場合、実質3枚履いていることになってしまうので蒸れやすさの原因になってしまいますが、ライナー付ショーツ+ノーパンでは2枚の着用で済みますね。
ただショーツの腰回り5ポケットに荷物を詰め込むと、ランニング中にインナー+ショーツが揺れやすくなるため股擦れの原因になる場合があります。
特にポケットに荷物を詰め込んだ雨の日はショーツがいっそう重くなるため股擦れリスクが高くなります。
100kmを越えるようなウルトラレースになると汗冷えや股擦れのリスクが高くなることが多いのでノーパンスタイルで走ることはありませんが、毎日の10〜30km程度のランニングなら支障ありません。
【パタゴニア ストライダー・プロ・ショーツ 5インチ】収納力抜群5ポケットが特徴のランニング用ショートパンツ【パタゴニア ストライダー・プロ・ショーツ 5インチ】収納力抜群5ポケットが特徴のランニング用ショートパンツ
おすすめのショーツを聞かれたら真っ先に「パタゴニアのストライダー・プロ・ショーツ!」と答えるくらいのお気に入りショーツです。
吸湿発散性の高い素材、収納力抜群の腰回り5ポケット、インナーショーツ付と欠点の無いショーツです。
他インナーパンツのおすすめ
Twitterで「このインナーパンツもおすすめ!」と教えてもらったのが以下の商品です。
ボディワイルド AIRZシリーズ
ボディワイルドのAIRZ(エアーズ)シリーズというウエストゴム無し&シームレスデザインのインナーパンツです。
接着による縫い目のない滑らかな肌当たりと特殊設計による低圧力のフィット感が特徴です。
下着のパンツラインが移りにくいということで薄手タイトパンツを履くような街履きシーンでも活用できそうです。
ウエストゴムが無いことでショーツゴム部分との干渉も少なそうで良いですね。
お値段はAmazonで1,980円(税込)ですが、1,200円台のものもあります。
アシックス トレーニングショートタイツ
ストレッチ性が高くフィット感に優れたアシックスのトレーニングショートタイツです。
吸湿速乾性やストレッチ性などの基本性能を抑えながら、光を反射する再帰反射性や紫外線を防ぐUVケア性能も併せ持っています。
機能面から考えるとこちら1枚で着用して走ることも想定されているようですが、Amazonレビューには透ける薄さのため危険かもしれません(笑)
Amazonで1,800円程度で販売されています。
まとめ
何十時間も走り続ける100km越えのウルトラトレイルやウルトラマラソンにおいては、いかにトラブルを起こさないかが完走に重要な要素です。
体力以上に精神的な強さが求められるレースだからこそ「股擦れが気になる」「汗冷えして寒い」「体がベタベタして気持ち悪い」といったネガティブな要素を取り除きたいものです。
たかがインナーパンツ、されどインナーパンツですね。
ユニクロのエアリズムはお気に入りの下着で毎日のように着用していましたが、トレイルランニングでも着用するランナーが多く非常に驚きました。しかも、ガチガチのエリートランナーの皆さんが愛用しているのでエアリズムの見方が変わりました(笑)ユニクロはすごいですね。