パタゴニアの850ダウン・スリーピング・バッグ 30F/-1C(レギュラー)のレビューです。
- テント泊に不慣れなのでまずはオーソドックスなものを購入したい
- 国内の山で3シーズン対応する保温性のものを探している
- 寝袋はしっとりふわふわ素材で快適に眠りたい
パタゴニアが2017年に満を持して発売した一般的な登山やキャンプに向けたシュラフシリーズで、3シーズン対応の寝袋です。
- ダブルジッパー使用なのでシュラフに入った状態でスマホや本を見ることができる
- 足元は足の形状に合わせたゆとりある立体設計で快適
- ザック収納用の小型スタッフサックと自宅保管用の大型の麻/コットン混合バッグの2種類が付属
ダブルジッパー使用でシュラフに頭まで入れた状態でスマートフォンや本を見ることができるのがポイント。テントの中で眠るだけのシュラフではなく、眠るまでの時間を楽しく過ごすことができるシュラフです。ベンチレーションの役割も果たしてくれるので暑過ぎる際の温度調整も可能です。
ハダ
シュラフはブランドもスペックも種々様々で何を買ったら良いか分からない!と散々悩みましたが、いつもウェアやギアを愛用しているパタゴニアのオーソドックスなシュラフを購入しました
バックパッカーに最適なミニマリストのデザインと機能の寝袋
パタゴニア 850ダウン・スリーピング・バッグ 30F/-1Cの概要は以下です。
- 価格 55,000円(税込)
- 対応 レギュラーサイズは身長183cmまで対応
- 重さ 734g
- カラー ブルー、オレンジ 計2色
- 生地 表地:パーテックス・クアンタム製シェルY字型フィラメント・テクノロジーを採用した、非常に軽量なパーテックス・クアンタム・リップストップ・ナイロン素材、裏地:速乾性を備えソフトで快適な肌触りの、羽のように軽いフーディニ素材(リップストップ・ナイロン100%)
- 付属 パタゴニアのフーディニ素材(1.2オンス・リップストップ・ナイロン100%)を使用した旅用の超軽量なスタッフサックとドローコードで閉じる保管用の大型バッグ(ヘンプ55%/オーガニックコットン45%)付き
機能性を備えながらもデザインが良いのはパタゴニア製品の魅力ですね。公式オンラインストアの商品ページには「必需品だけを要するクライマー、カヤッカー、バックパッカーに最適なミニマリストのデザインと機能の寝袋」と説明があります。
パタゴニア 850ダウン・スリーピング・バッグ 30F/-1Cには身長183cmまで対応するレギュラーサイズと身長168cmまで対応するショートサイズの2種類があります。
パタゴニアのスリーピング・バッグ4種類の比較
今回はパタゴニア 850ダウン・スリーピング・バッグ 30F/-1Cを購入しました。
パタゴニアにシュラフのイメージを持つ人は少ないと思いますが、パタゴニアのスリーピングバッグは2021年8月現在、4種類が存在します。それぞれを簡単に比較しました。
- 850ダウン・スリーピング・バッグ 19 F/-7 C
定価68,750円、重さ913g、レギュラー/ショート
マイナス7度まで対応するパタゴニアの中で最も温かいシュラフ - 850ダウン・スリーピング・バッグ 30 F/-1 C
定価55,000円、重さ734g、レギュラー/ショート
マイナス1度まで対応するオーソドックスなシュラフ - ハイブリッド・スリーピング・バッグ
定価41,250円、重さ490g、レギュラーのみ
下半身のみ850フィルのハイブリッド型。インサレーション入りジャケットと組み合わせる - ライトウェイト・スリーピング・バッグ
定価26,950円、重さ335g、M/L ※レギュラー/ショートと同義
金具不使用10デニール薄型軽量シュラフ。寒さが厳しい時のインナーシュラフとしても使用可
180cmまで対応するレギュラーサイズだが171cmのハダにはだいぶ余裕がある
ハダは春夏秋の3シーズンを想定しつつ、OMM JAPANやOMM LITEの出場も考慮し軽量なシュラフを探していました。
テント泊や寝袋の経験が少なく苦手意識があったので、シュラフ購入をきっかけにテント泊+寝袋での睡眠をいっそう楽しみたい。だからこそ、安かろう悪かろうで購入するのではなく、汎用性が高く長く愛用できるオーソドックスなものを選びました。
ヘリテイジ・クロスオーバードーム+エバニュー・FPmat+NEMO・スイッチバッグ
テントも合わせた現状のスリーピングシステムは以下です。
OMM JAPANやOMM LITEの出場も見据えて軽量なギアが中心です。
- テント ヘリテイジ・クロスオーバードーム2G(2人用)
- シュラフ パタゴニア 850ダウン・スリーピング・バッグ 30F/-1C(レギュラー)
- マット② NEMO・スイッチバッグ(ショート) ※快適に寝たい時に追加
- マット① エバニュー・FPmat125
- グラウンドシート デュポン・タイベック・Rシルバー(1m*2mサイズ)
テントはヘリテイジ・クロスオーバードーム2Gを使っています。設営が簡単な自立式のシングルウォールで超軽量ドーム型シェルターですね。
スリーピングマットはエア式やインフレータブル式ではなく、クローズドセル式を使っています。マット①のエバニュー・FPmat125は折りたたんでザック背面パッドとして使えるのがお気に入りのポイントです。
とは言え、近場・低山のテント泊では寝心地が今ひとつなので、マット②としてNEMO・スイッチバック(ショート)を重ねて寝ています。NEMO・スイッチバッグは厚み2.3cmとそれなりに嵩張りますがしっとりふかふかの寝心地を提供してくれます。
グラウンドシートはテントに合わせた既製品が売っていることも多いですが、値段が高いのでタイベックで代用しています。1m*2mにカットされたものがAmazonで1,000円ちょっとで手に入ります。
ダブルジッパーでシュラフの中でもスマホや本を見ることができる
ダブルジッパー仕様で腰あたりまで開き温度調整しやすい
パタゴニア 850ダウン・スリーピング・バッグ 30F/-1Cの特徴は以下です。
- ダブルジッパー使用なのでシュラフに入った状態でスマホや本を見ることができる
- 足元は足の形状に合わせたゆとりある立体設計で快適
- ザック収納用の小型スタッフサックと自宅保管用の大型の麻/コットン混合バッグの2種類が付属
マミー型で腰回りが広く快適
パタゴニア 850ダウン・スリーピング・バッグ 30F/-1Cはしっとりふわふわの触り心地に驚きます。俺が今まで使っていた数千円の夏用化繊シュラフは何だったんだ…と感動しました。
裏地の素材がリップストップナイロン100%でフーディニ・ジャケットと同じ素材を採用しています。そのため、ソフトな肌触りなのに速乾性の高さを実現しています。
ダブルジッパー使用でシュラフに入った状態で胸元のジッパーを上げ下げすることができます。
頭までシュラフを被り、手を入れた状態でもジッパーを開けてスマホを触ったり本を読むことができます。これがかなり便利。シュラフが暑過ぎる場合はジッパーを開けることで温度調整も可能です。
カリカリに削ったUL的シュラフは軽量性を追求してジッパーすら無いものや、背面にはダウンが入っていないキルト型もありますが、テント泊ビギナーにはこれぐらいの機能性が楽しく嬉しいものです。
また、足元は足の形状に合わせてゆとりある立体形状になっています。このゆとりに温かい空気が溜まって保温性を高めつつ快適に寝ることができます。足先が冷えやすい体質なので嬉しいポイントの1つです。
ザック収納用の小型スタッフサックと自宅保管用の大型の麻/コットン混合バッグの2種類が付属する点は見逃せない嬉しいポイント。
ザックに収納する時はできる限りコンパクトに収納する必要がありますが、自宅で保管する際はロフトを潰さないように空気を含んだ状態でゆったりとおいておく必要があります。ロフトが潰れてしまうと保温性が下がってしまうためです。
特に大型バッグは麻55%&オーガニックコットン45%の柔らかな素材で調湿効果も期待できそうです。容量が大きいので保管場所に困りますが致し方なし。
小型スタッフサックに収納してもそれなりの大きさ・重さはある
小型スタッフサックはフーディニ・ジャケットと同素材
パタゴニア 850ダウン・スリーピング・バッグ 30F/-1Cの気になる点は以下です。
- 海外ブランドらしくレギュラーサイズでも大きめなので身長170cm程度ならショートサイズで十分
- 小型スタッフサックに収納してもそれなりに大きくザック容量を圧迫する
- 環境によって重さは変化するため掲載重量があまり参考にならない
顎にジッパーが当たらないようにダウンでカバーしてある
ハダは身長171cmなので身長183cmまで対応するレギュラーサイズを購入しました。レギュラーサイズであれば大柄な日本人でも収まるはずです。むしろ身長170cm前後であれば、保温性や重量を意識してショートサイズでも十分です。
本当は168cmの身長まで対応するショートサイズが欲しかったのですが、残念ながら公式オンラインストアでは売り切れでした。171cmでもショートサイズに収まりますし、価格は55,000円→52,800円、値段も734g→692gとコストと重さを下げられるのが良いですね。
リップストップナイロン100%のフーディニ・ジャケットと同素材の小型スタッフサックが付属するのは嬉しい点ですが、小型スタッフサックに収納してもそれなりの大きさはあります。
ハダはOMM・クラシック25(25L)やトレイルバム・バマー(30L)を1泊2日テン泊ハイキング用に使っていますが、ザックの容量をそれなりに圧迫します。シュラフやテントはザックのベースウェイトの大きな比率を占めるのでカリカリに削るUL的な山行であればもう少し小さく軽いものを選んでも良いかもしれません。
また小型スタッフサックは防水性ではないので、ザックが雨に打たれてしまうとシュラフ自体も濡れてしまう可能性があります。ハダはSEA TO SUMMIT・ウルトラシル コンプレッション ドライサックのMサイズを愛用しています。定価4,070円とドライサックにしては高めですが、4.5〜14Lと幅広い容量に対応し、耐水圧2,000mm、コンプレッションすることでシュラフやダウンジャケットを小さくまとめることができます。
小型スタッフサックに入れてもそれなりに大きい
また、UL(ウルトラライト)でお馴染みのザック内部に大型ポリ袋を入れ、シュラフをポリ袋ごとザック底面に敷き詰める方法でも良いかもしれません。ザックの形状に合わせてシュラフを収めることができればデッドスペースも減りますし、他の荷物も安定しやすいですね。
最後に、全てのシュラフに言えることですが、商品ページの掲載重量は参考にしかならないという点です。シュラフは環境条件によって空気中の水分を吸収・排出して重さが変化するためです。
小型スタッフサックと合わせて自宅保管用の大型バッグも付属するのが嬉しい
パタゴニア 850ダウン・スリーピング・バッグ 30F/-1C(レギュラー)の掲載重量は734gですが、実際に計測してみると多少の上下があります。屋外で1晩過ごしたシュラフは空気中の水分や汗を吸ってしっとり重さを感じますし、日陰で干した後は軽くなります。
ベースウェイトを削り(安全性を確保しつつも)ファストパッキングな山行を目指すとギアの重量が気になってしまうもの。UL的な思考が行き過ぎると「金で軽さを買う」ような感覚に陥ってしまいます。カリカリに削ったギア選びも楽しさの一つですが、ベースウェイトを500g削ってぬか喜びする前に自分の腹に乗った脂肪を削れよと自分に言い聞かせねばなりません(泣)
背伸びして高級シュラフを購入したらテント泊が楽しみになった
大型バッグはヘンプ/コットン混でふっくらした状態で保管できる
出張先のビジネスホテルのベッドでは睡眠が浅くなってしまうし、昔からテント泊や寝袋に苦手意識がありました。しかし、意を決して高級シュラフを購入したことでテント泊が楽しみになりました。
今までは大型スポーツ量販店で購入した数千円の夏用化繊シュラフでしか寝たことのない自分にとっては感動的な寝心地です。おすすめですよ。