2019年3月30日(土)、面白法人カヤック主催のブレストワークショップ&ワークショップ講師育成講座に参加してきました。
講座は大阪・肥後橋のコワーキングカフェで開催され、参加人数は40人程度。講師はカヤックCEOの柳澤さんと超豪華…!2時間と短い講座でしたが、たいへん密度の濃い時間でした。
「やったことはあるけどよく分かっていない」
「あれでしょ、ポストイット使うやつでしょ?」
知っているようでよく知らないブレーンストーミング(=ブレスト)ですが、講座に参加してみてボンヤリとした輪郭が非常にはっきりしました。
ブレストって会議手法の一つとしてしか捉えていなかったのですが、ブレスト脳を鍛え、ブレスト体質になることで得られる効果が素晴らしいと思ったのでこうしてキーボードを叩いています。
面白法人カヤックのサービスはブレストから生まれる
2019年1月、西粟倉村にて面白法人カヤック・代表取締役CEOの柳澤大輔さんの講演がありました。その際に「カヤックのサービスのほとんどがブレストから生まれている」という話を聞き、ブレストに興味を持ちました。
カヤックがいかにブレストを重要視しているかはこちらのページ(はじまりも終わりもブレスト)に詳しく書かれています。上場企業の会社のWEBにブレストについて書いてあるなんてすごいですね…!
横浜駅直通の複合型体験エンターテインメントビル・アソビルで現在開催されているうんこミュージアムYOKOHAMAも数々のブレストから捻り出されたと思うとクソ行ってみたくなります。
ブレストで大切なのは二つ。
①他人のアイデアに乗っかる
②とにかくたくさんの数を出すブレストはあくまでアイデアの発散の場なので質より量。収束に移る解決案や実行はブレストの場では求めない。
1つの実現可能性の高いアイデアよりも無意味なものも含めた100つのアイデアを出すことに注力する pic.twitter.com/dNfa9xMiSm
— 羽田 知弘|西粟倉・森の学校 (@hada_tomohiro) 2019年3月30日
ブレストで最優先すべきは「アイデアの数をたくさん出す」
カヤックがブレストで大切にしていることは2つ。
- 他人のアイデアに乗っかる
- とにかくアイデアの数をたくさん出すことが最優先
ブレストと言えば、最も重要なのは他人のアイデアを否定しないことだと思いこんでいたのですが、カヤックは他人のアイデアを否定しないことはそれほど重要ではないとしています。
ブレストの最大の目的はアイデアをたくさん出すこと。アイデアの良し悪しは問いません。アイデアをたくさん出すことが目的ですからアイデアのほとんどが意味の無いものや実現不可能のものでもかまいません。
アイデアがたくさん出ればブレストは成功。逆に、アイデアがたくさん出なければブレストは失敗です。完全に質より量が求められる手法です。
否定しないことは上の2つに比べるとそこまで重要ではありませんが、否定をするとアイデアが出にくくなるので、ブレスト最大の目的であるとにかくアイデアの数をたくさん出すことを妨げてしまうことになります。
どんな方法でもいいので出たアイデアをとにかく褒め合うことが重要です。講座でワークショップをやった際は誰かが発表する度にぱちぱちぱちっと拍手をしていました。これはリズムができるので良いですね。
ブレストは脳トレ。センスは要らず、練習次第で誰でもアイデアマンになれる。
アイデアマンになれれば、
①選択肢が多いので悩みが深刻化しない
②人や環境のせいにせず物事をジブンゴト化できるブレストを会議手法の一つとしか考えていなかったけれど、ブレスト脳を鍛えることで生き方にも繋がるな pic.twitter.com/pNczhTtLHc
— 羽田 知弘|西粟倉・森の学校 (@hada_tomohiro) 2019年3月30日
大阪で面白法人カヤック(@kayac_inc )主催のブレストワークショップ講師育成講座に参加。講師は面白法人カヤックCEOの柳澤さん(@yanasawa )。
ブレストでポジティブ思考&ジブンゴト化を癖づける脳トレをすれば、幸福度も高くなりやすいという話が印象的でした pic.twitter.com/u2jNeOHtfA— 羽田 知弘|西粟倉・森の学校 (@hada_tomohiro) 2019年3月30日
ブレスト体質になれば悩み深刻化しないし幸せになれる
柳澤さんの説明で最も印象に残ったのは、ブレスト脳を鍛えることで得られる2つの効果でした。それは、
- 悩みが深刻化しない:アイデアの数=選択肢が多いと深刻にならない
- 主体性が生まれる:人や環境のせいにせず物事をジブンゴト化できる
ブレストにセンスは要りません。あくまで脳トレなので鍛えれば上達し、誰でもアイデアマンになることができます。
そして、アイデアマン(=アイデアをたくさん出せるブレスト体質)になれれば、あらゆる物事でアイデアの選択肢が増えるので悩みも深刻化しないし、物事をジブンゴト化しやすいとのことでした。
確かに自分自身も悩んでいる時って打ち手の数(選択肢)が少なくて困っている時が多いように感じます。悩んでしまう時は打ち手がない状態なんだと認識できるだけでも気持ちがかなり楽になりますね。
そして、幸福学を研究する前野教授が提唱する「人が幸福になるための4つの因子」のうち3つの因子はブレスト体質で身につけることができるという話が非常に興味深かったです。
- やってみよう因子(自己実現と成長)
- なんとかなる因子(前向きと楽観)
- あなたらしく因子(独立とマイペース)
この3因子はすべてブレスト体質になれば身につけることができるとのこと。ブレスト体質を身に着けてアイデアマンになれば、悩みが深刻化するどころか幸福にも近づけるなんてブレストの全能感がすごい…!
辛い時こそ仲間とブレストすると気持ちが楽になるという話が印象的だった。
ブレストを通して仲間が悩みをジブンゴト化し、アイデアが生まれることで選択肢が増える。
自分の悩みを他人に話すだけでも気持ちは楽になるけど、辛い時こそ仲間とブレストするのは素晴らしいライフハック— 羽田 知弘|西粟倉・森の学校 (@hada_tomohiro) 2019年3月30日
悩んでいる時こそ仲間と一緒にブレストしよう
柳澤さんは自分が悩んでいる時こそ、自分の悩みをお題に仲間とブレストに取り組むことをおすすめしていました。
人に悩みを相談することで気持ちも楽になるし、仲間も自分の悩みをジブンゴト化しながら一緒に考えてくれます。そして、ブレストを通して悩みに対するアイデアが増えることで悩みが深刻化しなくなるとのこと。これは素晴らしいライフハック…!
どうしても自分の問題は自分で解決しなければと思いこんでしまいがちです。ですが、自分の悩みだからこそ、他人のアイデアに乗っかりながらたくさんのアイデアを出すことで解消に繋がっていくのかもしれません。
スタッフ総出の月イチ作戦会議
西粟倉・森の学校では月に1度、スタッフ総出で3時間のミーティングをしています。
モノを作ってナンボの木材加工メーカーですから3時間工場を止めるともちろん生産量も減ります。ただ、それ以上に各個人や各チームがいかに業務を効率化し生産性を上げられるかが重要だと考えています。毎日毎月の努力や工夫の積み重ねが生産性を高め、利益を生み出すはずです。
しかし、いざ「今の業務をより効率化するためのアイデアを出しましょう」とポストイットとペンを持って考えてもアイデアはなかなか生まれません。沈黙が長々と続き、ペンは走らない。張り出されるポストイットの数も多くありません。
これは完全に運営側の問題。どういうワークショップをしたらアイデアが生まれやすくなるんだろう?と疑問を持ったことが今回の講座に参加した理由でした。
講座に参加してみて分かったのが、ぼくらがやっていたのはブレストではなかったということ。自分のアイデアを書き出してもらっていただけでした。
ブレストでは「他人のアイデアに乗っかる」「とにかくアイデアの数をたくさん出すことが最優先」の2つが大切なのに、参加者がそれらを意識するためのファシリテーションが出来ていませんでした。
カヤックではブレスト時にポストイットを使うことはしないようです。それは、自分のアイデアや考えをたくさん書くことに集中し過ぎてしまい、他人のアイデアに乗っかりにくくなってしまうことが理由でした。
ポストイットでたくさんのアイデアを出すことばかり伝えてしまっていた自分が居たので大反省…。次の会議ではうまくファシリテーションできるように練習せねば。
講座に参加してみて、たくさんのアイデアを出すことや否定しないこと以上に最も難しいと感じたのは他人のアイデアに乗っかりながらアイデア深め広めていく場の作り方でした。
良い解には必ず良い問いがあると思うので、ブレストがぐっと深掘りできるような問いを投げかけられるようになるともっとブレストが面白くなりそうです。