【フェアリートレイル高島朽木トレイルランレース2019】完走条件フルマラソン・サブ3.5の難レース

ウルトラマラソン&トレイルランナーのハダです。

2019年6月30日(日)に滋賀県高島市で開催されたFAIRYTRAIL高島朽木トレイルランレースに出場し、完走しました。今回はそのレースレビューです。

60kmのミドルトレイルレースながら獲得標高4,000mと難易度の高いレース。

あいにくの雨模様でしたが、妖精に出会えるような幻想的な森を味わえる素晴らしいレースでした。

FAIRYTRAIL高島朽木トレイルランレースとは?

FAIRYTRAIL高島朽木トレイルランレースは滋賀県高島市で開催されるレースです。今年で6回目の開催。

プロトレイルランナー&本大会プロデューサーの鏑木毅氏が「妖精に出会えそうな幻想的な雰囲気」と感じたことからFAIRYTRAILという名付けられたとか。

さすがNEVER師匠、ロマンチックですね。

  • 日にち 2019年6月30日(日)
  • 場 所 滋賀県高島市朽木
  • コース スーパーロング(60k)、ロング(40k)、ショート(20k)の3種類あり

特徴としては3種類のコース設定があることです。

2019年大会から60kのスーパーロングコースが新設されました。

  • スーパーロング 総距離60k累積標高4,000m、制限時間12時間30分、定員400名
  • ロング 総距離40k、累積標高2,500m、制限時間9時間30分、定員400名
  • ショート 総距離20k、累積標高1,200m、制限時間8時間30分、定員200名

ハダはスーパーロングコースにエントリーしました。

総距離60kmに対し累積標高4,000m越えと高低差の激しいミドルトレイルランニングレースです。

そして、お妻さまは20kmのショートコースにエントリー。

夫婦でトレランレース初参加です。

注意

スーパーロングコースの参加資格は「50キロ以上のトレイルランレース完走経験のある方、もしくは、フルマラソン4時間以内での完走経験のある方」と明記されています。
さらに「ただし完走を目指すには、フルマラソン3時間30分以内の走力が必要です」と書かれています。

これ、けっこうハードル高くないですか!?

必要装備は以下。

注意事項としては、ライト&雨具の所持確認があることですね。

必要装備
  • ランニングもしくはトレイルランニングに適した動きやすい服装
  • シューズ(トレイルランに適したもの)
  • 必携品:雨具とライトは受付時に所持確認あり
  • ライト:アウトドアに適したライトで明るく点灯するもの。携帯電話でのライト利用は不可。
  • 雨具:雨天に備えてフードつきレインジャケット。〈ゴアテックス〉あるいはそれと同等の防水、透湿機能を持ち、縫い目をシームテープで防水加工してあるもの。
  • クマ鈴(レース時のみ装着)
  • 必要に応じ1リットル以上の水分、携行食
  • 携帯電話
  • ポールの使用は不可

WEBページ

スーパーロング60kは厳しい関門設定と上り下りの連続に注意

フルマラソン・サブ3.5以上の走力が必要とあるスーパーロングコースだけあり、関門が多い&厳しいことが特徴です。

序盤はゆっくり調子が上がるのを待って〜なんて余裕を持って走っていたらあっという間に関門アウトになってしまいそう。

下記をご覧いただければ分かるのですが、細かく関門が設定されています。

コース各エイドと関門設定
  • スタート 6:30
  • 第1エイド 大彦谷林道山頂 12km 関門なし(簡易エイド)
  • 第2エイド 桑原橋(山菜じゅうべえ) 22km 関門10:30
  • 第3エイド 小川集会所 32km 関門12:30
  • 第4エイド 栃生 42km 関門14:30
  • 第5エイド 地蔵峠 47km 関門なし(簡易エイド)
  • 第6エイド 朽木スキー場 54km 関門18:30(簡易エイド)

特に厳しいのは、第2〜第3エイド間、第3〜第4エイド間でしょうか。

  • 第2エイド〜第3エイド 区間10km・制限時間2時間
    →500m上り、500m下る
  • 第3エイド〜第4エイド 区間10km・制限時間2時間
    →600m上り、800m下る
  • 第4エイド〜第5エイド 区間5km・関門なし
    →後半の難所、700mの激上り

関門設定の厳しい第2エイド〜第3エイド〜第4エイドを超えて安心かと思いきや、後半の難所である第4エイド〜第5エイドの700mの激上りにも要注意。

この激しい上り下りの連続にペースは狂い身体にはダメージが蓄積されそうです。楽できるパートがほとんどない厳しいコース設定ですね。

FAIRYTRAIL高島朽木トレイルランレースの装備

総距離60km&制限時間12時間30分のミドルトレイルランニングレースなので、軽量化を意識した装備&補給食を選びました。

ウェア&ギア
  • キャップ:patagonia ダックビル・キャップ
  • ジャケット:patagonia クラウド・リッジ・ジャケット
  • シャツ:patagonia スリーブレス・キャプリーン・クール・デイリー・シャツ
  • ショートパンツ:patagonia ストライダー・プロ・ショーツ 5インチ
  • アンダーウェア:ミレー ドライナミックメッシュ・ノースリーブ・クルー
  • アンダーパンツ:ミレー ドライナミックメッシュ・ボクサー
  • ソックス:itoix ランニングソックス・5本指・ショート
  • シューズ:アルトラ ティンプトレイルM
  • 腕時計:SUUNTO AMBIT3 PEAK
  • ヘッドライト:Ledlenser NEO10R
  • バックパック:THE NORTH FACE マンタレイベスト

6月末開催で気温が高いため、汗抜け抜群のミレーのアンダーウェア上下を履いています。

当日は大雨の予報だったため、patagoniaのレインジャケットも装備。

トレイルランナーのアンダーウェア(下着)問題を解決!Millet(ミレー)のドライナミックメッシュボクサーが見た目も性能もヤバイ件
補給食
  • 水分:ソフトフラスク500ml✕2本
  • エナジージェル:WASP 低GIアップルハニー(300kcal)1本
  • MCTオイル(中鎖脂肪酸油):勝山ネクステージ社 50ml程度(100均の蓋付プラ製ボトル2本で携行)
  • BCAA:オレは摂取す、メダリストアミノダイレクト5500
  • リカバリー:MAGMA アスリートバーリィ
  • 攣り防止:芍薬甘草湯(攣り防止)
  • その他:ロキソニン(鎮痛剤)、太田胃散(胃薬)*緊急時用
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いつもレース後半は身体がエナジージェルを受け付けられなくて吐いてしまうことも多いので、勇気を出してとことん補給食を削りました。

特に糖質系エナジージェルはアップルハニー1本のみ。低GIで1本300kcalと優秀なジェル。

また、最近愛用しているアミノ酸8,350mg超の「オレは摂取す」も準備。

その分、各エイドではバナナやオレンジ、おにぎりなどリアルフードを口に入れることを徹底する予定です。

MCTオイルによる脂質代謝がうまく働けば、後半は脂肪を燃焼しながら走り切れるはず。

前夜祭に参加してみた

過去に参加した前日受付が必要なレースは、いつもささっと受付を済ませて、ホテルで休んだり、街で飲み歩いたりしていました。

今回はお妻さまもショートの部20kmに参加するということもあり、はじめて前夜祭に参加してみました。

前夜祭の内容
  • 食事
    鯖寿司、とんちゃん焼き、ビーフカレー、へしこ、なれずし、天ぷら、焼き鯖素麺、日本酒など滋賀地域のグルメが盛りだくさん。大会前夜にカーボローディングできましたw
  • 鏑木毅氏によるコースブリーフィング
    コースの見どころや注意点など攻略のポイントなどプロデューサーである鏑木毅氏から説明
  • じゃんけんプレゼント大会
    協賛企業のRaidlightティーシャツや、補給食セット、鏑木毅DVDなど

地域の食を楽しめるのはもちろん、ランナーやスタッフとお話できるのは楽しいですね。

ミーハーなのでカブちゃんと記念写真を撮ることにも成功しました。優しかった〜!

実際にFAIRYTRAIL高島朽木トレイルランレースを走ってみた

スタート〜第1エイド

心配していた雨がまだ振り始めない中、6時30分にレースがスタート。

しばらくはロードの時間が続きます。

しかし、走り始めてすぐ身体の違和感に気づきます。

頭がボーっとするし、足が重い。重すぎる。

レース前は練習量も減らしていたし、コンディションは悪くなかったのですが、とにかく身体が重い。

今回のレースでは補給食を減らしていたこともあり、朝食をバカ食いして1,000kcal以上は摂取していたのが原因か。いや、それとも長期出張による体重2kg増が原因か。

今さら考えてもしょうがないことをあーだーこーだ考えながら集中し切れない時間が続きます。

大した上りじゃないのに心拍数がガンガン上がるし、足取りが重くて木の根にぶつかっては転けそうになる。今回のレースは本当に完走できるのかな?と不安がよぎります。

第1エイド〜第2エイド

今回のレースは厳しい関門設定が特徴。

前半ゆっくりしている余裕はないので、エイドも必要最低限の水分補給とリアルフードの摂取だけで足早に離れます。

雨は時折降ってくるので服や靴はベチャベチャ。これが辛い。ただでさえ重い足が更に重くなってしまいます。

第1〜第2エイド区間はひたすらロードや林道の下りが続くこともあり、ペースアップを狙えるはずなのに、身体が思うように動きません。うーん、やばい。

第2エイド〜第3エイド

なかなか調子の上がらないまま、第2エイドへ。

ここから激しい上りが始まります。

思うようにペースが上がりませんが、それは他ランナーも一緒。

ゆっくりでもいいので休まず上がり続けることを考えて、一歩一歩踏み出していきます。

そして気持ちの良い下りのトレイルを走れる時間が少しずつ出てくるようになりました。

よっしゃ!これを待っていたー!

霧がかった幻想的で美しい森を走れるのが楽しい。山では風も吹いていて涼しい。ふかふかのトレイルを気持ちよく踏みしめながら進みます。

バカ食い朝食も消化され、少しずつ調子が出てきました。

第3エイド〜第4エイド

第3エイドを過ぎてからの激上り。

前を走っていた滋賀のランニングチーム・シガウマラの内糸さんとお話しながら楽しく登ることができました。

次に出るレースの話や普段の練習など、レース中に知り合ったランナーとお話できるのがトレランの良いところ。時間に余裕のないマラソンではありえない魅力ですね。

そして、辛い上りが終われば、内糸さんがものすごい勢いで下っていきます。

置いていかれないように必死に追いかける時間が続きましたが、おかげで下りを躊躇するランナーを30人以上抜くことができました。

上りでサボらず、下りで攻めるかがタイムを左右することをを実感しました。

第4エイド〜第5エイド

第4エイドでは必携品であるライトのチェックがあります。装備していなかったランナーは先に進むことがない徹底ぶり。素晴らしいですね。

そして、第4エイドを越えてすぐに待ち構えていたのはなんと川!

川の中を100m以上進む珍しいコース。しかし、泥だらけの靴を洗えたり、火照った身体をアイシングできたりと気持ちのよい時間を楽しむことができました。つかの間のプールタイム(笑)

滋賀のランニングチーム・シガウマラの内糸さんと滋賀一周ラウンドトレイルを運営する近藤さんと川遊びしながら記念撮影。

気分転換したら、最後の大上り700m。さあ、いくぞ。

すでにロングコースやショートコースのランナーが走った後なので、上りも下りもスリッピーな場所が多くあります。

上りを攻める余裕はないので、途中休憩を挟みながら、じわじわと上ります。

そして、下りは攻める!コケてもいいので攻めまくる!

ロングコースのランナーが下りに躊躇している脇を転びそうになりながらどんどん抜いていきます。

第5エイド〜第6エイド

最後の上り300mが待っているものの、今回のレースの難所は越えました。

なだらかな下りを気持ちよくを走る時間が続きます。

気持ちよくトレイルを走らせてくれる区間が極端に少ないレースだったので嬉しい…!

補給食を極端に減らして挑んだレースだったので、胃が空っぽなのが気になるところですが、最後のMCTオイルを摂取してラスト10kmに挑みます。

第6エイド〜ゴール

ようやく最後のエイド、第6エイドに到着。

我らがカブちゃんが待っていてくれました。相変わらず笑顔が素敵過ぎる。

しかし、エイド休憩の1分が惜しいので水分も食事も取らずにスルー!あと6kmだ!

途中、最後の上がり50mがあるのですが、それを乗り越えれば、ひたすら下るだけ。

ロードと林業作業道を重力に任せてガシガシ下っていきます。

あと2kmくらいかなと思っていたらスタッフさんに「あと500mです!頑張って!」と声を掛けられテンションアップ。

最後のラストスパート(あれ、60kmよりも短い?)でゴールまで全力ダッシュ。

タイミング悪く再び降ってきた雨の中、ゴールをくぐりました!!

振り返り

レース結果
  • コース : スーパーロングコース 総距離60km&獲得標高4,000m
  • タイム : 10時間38分37秒
  • 順 位 : 58位/154人中

不満足なコンディションとレース展開でしたが、想像よりも順位はマシだったかなという印象。80位くらいだと思ってた…!

総距離60km以上に獲得標高差4,000mとにジワジワと苦しめられるレースでした。よくこんなコース繋げたなぁ。

そして、雨が辛かった〜。足指が見事にフヤけてます。靴もぶっ壊れてた…!

なんとか怪我もせず完走することができて一安心。

FAIRYTRAIL高島朽木トレイルランレースの評価
コース景観
(2.0)
コース難易度
(5.0)
エイド充実度
(2.0)
観光
(3.0)
アクセス
(4.0)
総合評価
(3.0)
フェアリートレイルのまとめ
  • 20、40、60kmと複数コースで楽しめるので皆で参加しやすい
    雨の影響もあり、下りのトレイルは荒れまくってかなりスリッピー な状態
  • 幻想的な森を楽しめる厳しいコース設定
    気持ちよく走れるというよりも激しく消耗する難易度の高いコース設定
  • エイドの充実度は低め
    全体的に量と種類が少なめでコーラなどは早々に品切れていました

お妻さまもショートコース20kmをなんとか完走。

二人で交代交代に運転をしながらなんとか岡山まで帰ってきました。

前夜祭で大きな発表があったのですが、来年7回目の開催はスーパーロングコース60kmを70kmに拡大し、コースも大幅に変更するとのこと。関西では70km級のレースは少ないので非常に楽しみです。