ウルトラマラソン&トレイルランナーのハダです。
Garmin(ガーミン)のランニングダイナミクスポッドのレビューです。
- 最近よく聞くFTPって何なの?
- 自分のランニングパワー・FTPを計測したい
- ランニングフォームを分析してクセが知りたい
長年スントのGPSウォッチを愛用していましたが、ガーミンのForeAthlete945に買い替えました。
ガーミンは専用アプリ・Garmin Connectの機能性が高くて最高っ!
GPSウォッチに備わる多様な機能を楽しむべく、合わせて購入したのがランニングダイナミクスポッドです。
最近よく聞くランニングパワーやFTPの計測をはじめ、ランニングフォームの分析などができる計測ツールですよ。
- パンツのウエストバンドに取り付けるだけのツール
- 専用アプリでランニングパワーやFTPを計測可能
- ピッチ、ストライド幅、上下動などのランニングフォームを分析
自分1人で走っていては気づけない傾向や数字がデータ化されるので、まるでパーソナルトレーナーに付いてもらっているようです。
毎日ガーミン先生が教えてくれる数値を見るのが楽しみで走る量がずいぶんと増えました。
ランニングダイナミクスポッドは定価9,240円(税込)ですが、Amazonでは15%OFFの7864円で購入することができました👆
ガーミン・ランニングダイナミクスポッドとは?
ランニングダイナミクスポッドはウエストバンドに取り付けることができるランニングデータ計測ツールです。ランニングパワーメーターとしても機能します。
ショートパンツのゴム紐部分(背面腰部)にクリップで挟み込んで固定します。
イヤホン並に小さいので、ランニング中に落としたり、ランニング終わりにそのまま洗濯機に突っ込まないか心配しながら使っています(笑)
- fēnixシリーズ(5、6)
- ForeAthleteシリーズ(245、645、735、935、945)など
ランニングダイナミクスポッドにはボタンがありません。
GPSウォッチでランニングを計測しようとすると、自動的に電源がONになり、しばらく放置すると自動的にOFFになります。自動で反応いしない場合は縦方向に振ると電源がONになります。
バッテリー寿命は最大約1年間持続(毎日1時間の使用時)とのこと。
ランニングダイナミクスポッドの特徴は以下です。
- パンツのウエストバンドに取り付けるだけのツール
- 専用アプリでランニングパワーやFTPを計測可能
- ピッチ、ストライド幅、上下動などのランニングフォームを分析
ハダ
ショートパンツの腰部背面に取り付けるので、Naked Running BandのようなウエストバッグやT8・シェルパショーツのように腰回りに柔らかい収納ポケットのあるショートパンツを着用する場合には取り付けにくいのが難点。落として無くしそう…
GPSウォッチだけでは計測することのできないランニングパワーやランニングフォーム分析ができるようになるのがランニングダイナミクスポッドの特徴です。
ランニングダイナミクスポッドには加速度計が内蔵されており、胴体の動きを測定して6つのトレーニングデータを計算します。
- ピッチ … 1分あたりの歩数。合計ステップを表示
- 地面接地時間 … トレーニング中に地面に接している各ステップの時間
- 地面接地時間バランス … 地面接地時間の左右のバランスをパーセンテージで
- ストライド幅 … 1歩から次のストライドまでのストライドの長さ
- 上下動 … 走っている間の胴体の垂直振動の振れ幅を計測
- 上下動比 … 垂直振動とストライド幅の比で、パーセンテージで表示。数値が低いほどトレーニングフォームが良好
ランニングピッチの目標は1分あたり180ステップと言われることが多く、高いピッチは上下動の低さや接地時間の短さとも関係しています。
一流ランナーの地面接地時間は非常に短く200ms未満と言われ、経験豊富なランナーでもほぼ300ms以下になるそう。
上下動が少ないと浪費されるエネルギーが減るため効率が良く、また上下動比が低いと少ないコストで大きなメリットが得られやすいと言われています。
ハダ
今までほとんど意識してこなかったピッチや地面接地時間、上下動をデータで把握しランニングフォームの改善に繋げることができればいいなと考えています
さらにこの6つに加え、専用アプリを用いることでランニングパワーを計測することができます。
実はランニングダイナミクスポッドを購入した1番の理由はランニングパワーの計測のためです。
ランニングパワーとFTP
FTPは1時間の全力走の平均パワー(W)
FTPはFunctional Threshold Powerの略で機能的作業閾値パワーと訳されます。単位はW(ワット)。
自転車のパワートレーニングにもFTPは出てくるため、ランニングパワーはrFTPwと表記されることもあります。
簡単に言えばFTPは1時間維持できる最大出力、1時間の全力走の平均パワーです。
ランニングにおいてパワーと言うと聞き慣れませんが、ランニングパワーは以下の数式で示すことができます。
ランニングパワー(W) = 体重 × 加速度 × 速度
つまり、体重が重ければ重いほど、スピードが速ければ速いほどパワーは高くなります。
量より質。走行距離ではなくランニング強度を管理する
ランナーの日々のトレーニング指標として、月間(週間)走行距離(km)が引き合いに出されることが多くあります。
サブ3(フルマラソン3時間切り)を目指すなら少なくとも月間走行距離は300kmを越えなきゃ、といったように。トレイルランナーならば獲得標高も指標にすることが多いですね。
しかし、月間走行距離や獲得標高はあくまでトレーニングの「量」を把握するための指標であって、トレーニングの「質や強度」を示す指標ではありません。
例えば10kmのランニングをするにしても、ペースや獲得標高、気温差、風などの要因でトレーニングの質や強度は大きく変化します。
ランニングパワー(W)に基づいてトレーニングの質や強度を把握しようという動きが近年大きくなっています。
特に心拍数とランニングパワーを合わせて分析することでトレーニング効果をいっそう高められると言われています。
3分-9分走法でランニングパワーを計測し、ランニングFTPを算出する
ランニングFTPの計測は3分-9分走法が手軽
愛知のトレイルランナー・メチロンさん @methylone のブログを参考に、3分-9分走法でランニングFTPを計測してみました。
3分-9分走法は、Jim Vance氏がTraningPeaksのブログ<Running With Power: How to Find Your Run FTP>で推奨している方法で、計測するFTP誤差は±3%以内と計測精度の高さが特徴です。
3分-9分走法は手軽な割に精度が高く強度の低い計測方法ですが、他にも1時間全力で走る方法や20分全力走の95%換算など、さまざまな方法があります。
1度計測して終わりではなく1ヶ月に1回や3ヶ月に1回など定期的に計測し、その数字の変化を追うものなので、強度が低く手軽にできるものが良いですね。
ハダ
1人で1時間どころか20分も全力疾走をし続けるなんて絶対にムリ…!
3分-9分走法の手順
3分-9分走法の手順は以下の5ステップです。
- 15分のウォームアップ
Warm up for 15 minutes, preparing for hard effort at the end of it - 全力走3分
Conduct a 3 minute interval at maximal effort - 徒歩5分→ジョグ10分→徒歩5分→ジョグ5分→徒歩5分(リカバリー期間)
Recover with 5 minute walk, 10 minute easy jog, 5 minute walk, and 5 minute easy jog, and 5 minute walk again, (30 minutes total) - 全力走9分
Conduct a 9 minute interval at maximal effort - クールダウン10〜15分
Cool down 10 to 15 minutes easy
手順は5ステップありますが、3分の全力走+9分の全力走と合計12分で計測することができます。
ランニングFTPは各全力走の平均ランニングパワーから算出
3分-9分走法で計測したランニングパワー(W)を元にランニングFTPを算出します。
ランニングFTP=( 全力走3分の平均パワー + 全力走9分の平均パワー )÷ 2 × 0.9
3分の全力走と9分の全力走の各平均ランニングパワー(W)を合計し、2で割って(÷2)平均を出した数字に90%(×0.9)を掛けることでランニングFTPを計測できます。
実際に3分-9分走法でランニングFTPを算出してみた
実際に3分-9分走法でランニングFTPを計測してみました。
たった12分の全力走がすごく辛い
早くランニングFTPを計測したかったので雨が降っていましたがレインジャケットを着て自宅前の道路で強行開催。
実際に走ってみて感じたのは…
- ウォームアップやリカバリー期間は音楽を聴きながらゆったり過ごせて気が楽
- 3分の全力走はなんとか我慢できるレベルだけど、9分の全力走は気が遠くなるほど辛い
- 全力疾走しようとするものの、息はあがり、足は重くなり、次第にスピードが落ちてしまう
- 特にあごが上がったり腰が落ちたり腕が触れなくなったりとフォームが崩れる
ハダ
(ゼエゼエ)いま何分?(チラッ)え、まだ3分?!あと6分も走るの??……(ゼエゼエ)(チラッ)あれ、まだ1分しか経ってない……あと5分!?!長え、もう無理…!(ゼエゼエ)
9分なんて普段のランニングではあっという間なのに、全力疾走の9分は気が遠くなるほど長くて辛い。もうやりたくないレベルで苦しいです…。
2日の完全休息をとった上で挑みましたが12分でもかなりの疲労感があります。
ハダの場合、ウォームアップやリカバリーの徒歩&ジョグ、クールダウンを合計すると1時間12分の活動で11kmほど移動していました。
ちなみに全力疾走していてもランニングダイナミクスポッドはピタッと固定できて軽いのでまったく気になりませんでした。
尻ポケットに入れたスマホが揺れて邪魔だったのでスマホは持たないほうが良いかもしれません。
Garmin Connectによるランニングパワーのグラフ
計測データをGarmin Connectで確認してみると上のグラフになりました(スマホアプリ版よりPCブラウザ版の方が見やすいです)。
ちなみに今回のアクティビティ全体の平均ランニングパワーは235Wでした。
ラップ平均ペースと重ねてみると上のグラフです。
1本目の全力走3分は2分47秒/kmで走れているものの、2本目の全力走9分は3分30秒/kmと随分とペースダウン。
全力走9分のラスト3分はフォームが滅茶苦茶で足も回っていなかったのでラップ平均ペースも落ち込んでいますね。
ハダのランニングFTPは351W
Garmin Connectでは、全力走2本の平均ランニングパワーは算出できないので、上のグラフのギザギザを元におおよその平均ランニングパワーを計算します。
ハダの場合、ざっくりした平均ランニングパワーは、
- 全力走3分:400W
- 全力走9分:380W
この数字からランニングFTPを算出します。
ランニングFTP(W)
=( 全力走3分の平均パワー + 全力走9分の平均パワー )÷ 2 × 0.9
=( 400W + 380W )÷ 2 × 0.9 = 351W
ハダのランニングFTPは351Wとなりました。
さらにハダの体重67kgで割ると5.24W/kgが体重1kgあたりのランニングFTPです。
体重が重いせいか想像よりも高い値が出た印象です(デブ)。
ただ、1度測って終わるものではなく、1ヶ月に1度や3ヶ月に1度など、定期的にFTPを計測しては修正しながらトレーニングに反映させるものなので、まずは数値を把握できたので良しとします。
ランニングFTPに基づいたパワーゾーン練習
心拍数で運動強度を評価する場合、心拍ゾーンという考え方が使われますが、パワーにもパワーゾーンが存在します。
Jim Vance氏が定義しているパワーゾーンはゾーン1〜7まで組まれています。
そのパワーゾーンにハダのrFTPw=351を当てはめて各ゾーンのパワー値を計算してみたのが上の図です。
心拍ゾーンによる運動強度では、心拍数が上昇するまでにどうしてもタイムラグが発生してしまうので、心拍ゾーンと合わせてパワーゾーンを考慮しながら鍛えたいゾーンをトレーニングしてみたいと思います。
上下動や接地時間バランスなどフォームも分析可能
ランニングダイナミクスポッドでは、上下動や接地時間バランス、接地時間などをデータ分析してくれます。
ハダは全力走3分+9分の間は接地時間のバランスが悪く、右足に体重が乗っていることが分かりました。うーん、今まで全く気づかなかったので今後意識してみようと思います。
また、全力走3分+9分の間は上下動が少ないのは良い点のように思えます。むしろジョギング時にピョンピョンと跳ね過ぎているのかもしれません。
ガーミン・ランニングダイナミクスポッドの購入方法
ランニングパワーメーターには今回ご紹介したランニングダイナミクスポッド以外にもさまざまなブランドがあります。
ランニングパワーメーターの元祖ブランド・STRYD(ストライド)はシューズに装着するタイプですが、3万2,000円とお高め。
パワー計測精度の評価は高く購入検討していたのですが、ランニングパワーメーターに3万円か…と貧乏性のハダは尻込みしました(泣)
他にも、POLAR(ポラール)のGPSウォッチ・POLAR VANTAGE Vはツールなし腕時計のみでランニングパワーを計測することができ、GPS計測時のバッテリー持続時間は40時間と長く優秀です。お値段は定価76,780円(税込)。
すでにガーミンのGPSウォッチを持っているよ!というランナーは、まずは様子見としてランニングダイナミクスポッドを購入するのが良いかなと思います。
ガーミン・ランニングダイナミクスポッドはガーミン公式オンラインストアをはじめ、Amazonや楽天市場などで購入することができます。
ランニングダイナミクスポッドは定価9,240円(税込)ですが、Amazonでは15%OFFの7864円で購入することができました👆
【ガーミン ForeAthlete945】音楽再生や文字盤着せ替え機能あり 100マイルレースに対応するGPSウォッチ
【ガーミン ForeAthlete945】音楽再生や文字盤着せ替え機能あり 100マイルレースに対応するGPSウォッチランニングダイナミクスポッドと合わせて使っているGPSウォッチはガーミンのForeAthlete945です。100マイルレースにも対応できる32時間稼働の長時間バッテリーがウリですよ。
ランニングパワーに基づくトレーニング管理はトレーニングピークスがおすすめです。
サブ3達成を目指してトレーニング効果や疲労状態を見直すために導入しました。
【全力走不要】トレーニングピークスでランニングFTPを推定する【パワーメーター】今回は3分-9分走法でシンドい思いをしましたが、パワーメーターとトレーニングピークスがあれば過去のランニングログからFTPを推定することができます。
【ランニングパワーメーター比較】STRYDとGarminランニングダイナミクスポッドでFTP計測してみた【ランニングパワーメーター比較】STRYDとGarminランニングダイナミクスポッドでFTP計測してみた
ランニングパワーによるトレーニング管理はFTP計測が必須。元祖ランニングパワーメーター・STRYDとGarmin・ランニングダイナミクスポッドの2種でFTP計測した比較記事です。