恥ずかしながら「月下美人」という名前の花があることを先日はじめて知り、幸運なことにその日にさっそく見ることができたのでした。名前の通り、なんとも神秘的な美しさをもったお花でございました。
仕事終わりに「一晩しか咲かん月下美人っちゅー花が今日の夜に咲くらしいで!」と会社の先輩に誘われるがまま、いつも仕事でお世話になっている村の大工さんの作業場へ。
すると、ありましたありました、月下美人。
ぼくが訪れたのは、すでに蕾が開き始めて一時間弱が経過したところ。
横からの図。おどろおどろしくて、す、すごく強そうなお花だこと…
植物系最強クラスのモンスターですね(厨二感)。
ざっくりと月下美人について引用。
月下美人はその名の通り夜に芳香のある花を咲かせます。その香りは夜道を歩いていても気付くほど。
よく「新月の夜にしか咲かない」とか、「一年に一度しか咲かない」と言われますが、新月の夜以外でも開花しますし、上手に育てれば1シーズンに2~3回開花します。(中略)
中南米原産のサボテンの仲間ですが砂漠に生えているサボテンとは異なり、薄暗いジャングルで他の大きな木に着生して育つ森林性のサボテンです。(中略)
その美しい花に魅入られた愛好家がたくさん栽培しており、近年では近縁種との交配によって品種が増えてきています。
引用:LOVE GREEN
花からはかなり濃厚でまったりとした芳香が。この香りに釣られて、コウモリが媒介となって受粉をするんだとか。名前や見た目だけかと思いきや、受粉の仕方までかっこいいじゃねえかヨ。
あれ、いつの間に大きくなったの?!というくらい、すこしよそ見をしているとその変化のスピードに驚きます。
いよいよ満開!?蕾の開花から二時間も経っていません。
グワッと開いた、花弁の周りのガク片の攻撃的な感じもすごいですが、触手のような柱頭もなかなかに不可思議。神秘的というよりは妖しくなまめかしい雰囲気。
懐中電灯で照らしてみたらSF感が増しました。
あわくらキッズ(3歳)「くちゃ〜い」
BRUTUSでたびたび特集が組まれるほど注目されている珍奇植物。最近ではビザールプランツなんて呼ばれるそうです。
その代表格?とも言える月下美人を見ることができたのはラッキーでした。なにより月下美人の開花を眺めながらの酒宴というのがなかなかに乙だったわけで。気づけば月下美人目当てに十人もの村民が集まったのでした。
「27年間、月下美人を育てとるけんど、こんな大勢で見るのは初めてじゃ」
「こんなにたくさんのひとに見てもらえて、月下美人も幸せだわな」
ってそのお花目線が素敵過ぎます。なんて話していたら、あっという間にピークは過ぎて、少しずつしぼんでいく月下美人。本当に一瞬だ。
西粟倉に来てからというもの、野菜を育てて食べる楽しみを知ることはできたけれど、一瞬の季節の訪れを感じられる花を育ててみるのもまた良いなと思ったのでした。ちなみに月下美人の花言葉は「儚い恋」だそうで。