スギ花粉症対策の救世主?無花粉スギの効果とは

sugi

 気づけば鼻はムズムズ、目はショボショボ。油断するとズーズーととめどなく鼻水が垂れてしまいます。そうです。とうとう花粉症の季節がやってきました。御多分にもれず、ぼくも花粉症なのです。

この時期になると花粉症対策の特集がさまざまなメディアで数多く取り上げられます。先日のニュースでは「無花粉スギ」が特集されていました。無花粉スギはとても気になる話題だったので、これを機会に調べてみることに。

国民の4人に1人が罹患していると言われている花粉症。無花粉スギが普及することによってどんな効果が生み出されるのでしょうか。

 

無花粉スギに関する記事をいくつか探してみました。

 

無花粉スギの研究は歴史深く、平成4年に全国ではじめて全く花粉の出ないスギの木を発見したところから研究が始まったようです。その後20年の歳月をかけ、大量生産に向けて品種改良を重ね、種から育成する技術の開発に成功しました。森林総研がスギ花粉症の対策のひとつとして、無花粉スギの品種改良や普及に取り組んでいます。

花粉症のぼくとしては、無花粉スギの発展によってこの時期のムズムズ・ショボショボ・ズーズーから解放されるとすれば、それはとても望ましいことです。

 

しかし、気になる点がいくつかあります。

  1. 無花粉スギが普及すると、花粉症の症状は軽減されるのか
  2. 人工的なイメージの無花粉スギ。生態系への影響はあるのか
  3. 無花粉スギの育苗コストや木材としての材質はどうなのか

こういった疑問を持っている方も少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。

 

1. 無花粉スギが普及すると、花粉症の症状は軽減されるのか

日本国内の森林面積のうち、スギの人工林面積は全体の18%にあたるおよそ450万haにも及びます。無花粉スギの普及は、その450万haのスギの人工林や新たに植えられるスギを無花粉スギに替えていこうという取り組みです。

無花粉スギが普及によって、スギの人工林面積の中での無花粉スギの割合が高くなっていけば、花粉飛散量が減り、スギ花粉で悩む人々の症状も軽減されるのでしょうか。それはどの程度の普及を目指して行われているものなのでしょうか。

 

2. 人工的なイメージの無花粉スギ。生態系への影響はあるのか

花粉飛散量が減ることでスギ花粉症への対策になるかもしれません。しかし、無花粉ということは子孫を残さないということ。そういった品種が増えることで生態系への影響はないのでしょうか。

「遺伝子操作によってつくられたわけではないので安全だ」との声もありますが、突然変異的に発生した品種を固定することにあまり良い印象を持つことができません。そういった声はたくさんあがっているようですが、生態系への影響を実証するようなデータは見つけることができませんでした。

 

3. 無花粉スギの育苗コストや木材としての材質はどうなのか

材質としては一般的なスギと変わらないようですが、肝心なのは育苗にかかるコストです。

無花粉スギの1品種である「立山 森の輝き」は、無花粉の苗の選別にコストがかかり、苗の出荷価格は1本317円。一般のスギの1本約100円に比べ3倍以上かかってしまうそう。現在、全国への普及に向け、挿し木で大量生産し、一般のスギの苗と同じくらいの単価での出荷を目指しているようです。

材質は一般的なスギと変わらず、3倍の値段がする無花粉スギ。普及するには一体どうしたらよいのでしょうか。今のままでは育林業者が無花粉スギの苗を植えるのは非常にイメージが湧きにくいです。

 

分からないことだらけで頭がモヤモヤします。上記の3つが実証されない限り、心から無花粉スギの普及を喜ぶことはできません。

「スギ花粉症対策として無花粉スギ普及のため植樹」というニュースを観ると、素晴らしい技術開発だなと思う反面、表面的な問題解決にしかなっていないのではないかという不安も感じます。

 

みなさんは無花粉スギについてどのようにお考えですか?