寡占と拡大が進むホームセンター市場。プロ業者をターゲットにした店舗と戦略

photo via Eiki Yasuda

カインズホーム、カーマ、コメリ、コーナン、ケーヨーデイツー…全国にはさまざまなホームセンターがあります。

DIY市場の拡大に関する情報を目にすることも増え、DIYといえば頭に浮かぶホームセンターの市場について調べてみました。

 

ダイヤモンド・フリードマン社が発行する「ダイヤモンド・ホームセンター」誌恒例の「HC/DIY業界アニュアルレポート」(2012年)によると、以下のようなデータが記載されていました。

2011年度HC市場規模は、対前期比4.8%増となる3兆8048億円で、調査市場初となる3 兆8000億円を突破した。

国内HC店舗数は4365店舗で、対前期比74店舗増(1.7%増)と年々店舗数は右肩上がり。

売上高4371億円のDCMホールディングス(カーマやホーマックを運営)を筆頭に、売上高1000億円を超える9社の売上高合計は2兆2639億円。国内HCマーケットに占めるシェア率は59.5%となった。

市場規模の増加や店舗数の増加傾向の裏には、売上上位企業の寡占と拡大が進んでいるようです。

 

ぼく自身のホームセンターの印象と言えば「いろんな商品があって退屈しない場所」。日曜大工が趣味であり、工務店の現場監督として働いていた父に連れられ、近所のホームセンターをウロチョロしていたことを思い出します。

 

DIY市場の拡大と聞くと市民ユーザーが対象の話のように感じますが、ホームセンターは小規模な大工/工務店/リフォーム業者にとって住宅資材の調達先としてもはや欠かせない存在になっています。

 

木材建材ウイクリー(No.1955 2014年2月10日発行)では、プロ業者に絞り込んで集客に取り組む事例について取り上げられていました。

中部地区を中心にホームセンター137店舗を展開しているカーマは、工具・金物・作業用品の専門店(プロショップ)であるホダカや木材・建材等の建築材料から工具・金物等を取り扱うカーマプロを愛知・三重県内に展開しています。

施工現場での即使用を考慮して商品種はプロ向けに絞り込み、建築・土木・電器・設備関連の資材や工具、金物等の品揃えを充実させているようです。

 

面白いと思ったのはその営業時間。ホダカもカーマプロも朝7時から営業をしているのです。現場に行く前にホームセンターに寄って資材を購入する施工業者や大工をターゲットにしているんですね。他にも商品の取り置きやカタログの取り寄せ、貸出レンタルトラックなどのサービスもあり、プロ業者のニーズにしっかりと応えている印象を受けます。

 

以前お話を伺った大工さんは「問屋で買ってもホームセンターで買っても値段は大して変わらないし、在庫を抱えなくて済むからホームセンターはよく利用している」とおっしゃっていました。

早朝から営業しているので現場へ行く前に資材を購入できる。種類は豊富で値段は問屋と大して変わらない。自社で在庫を抱えなくて済む。となれば、プロ業者もホームセンターを利用しないわけがありません。

 

製材メーカーからホームセンターへの製品流通も増えているようですし、住宅市場の縮小とリフォーム/DIY市場の拡大の流れの中で、今後のホームセンター市場はとても気になります。