湯を注ぐためだけの道具

恥ずかしながらつい先日まで我が家にはポットがありませんでした。

いやポットくらい買えよって話なんだけど、電気ケトルはあるからスイッチひとつでお湯は沸かせるし、まぁ、鍋でもお湯は沸かせる。要はポットがなくてもあんまり困っていなかったのでした。

 

ただ、唯一困るのは週末の朝。平日は時間がなくてなかなかコーヒーを淹れることができないのだけれど、週末の朝に時間があるときは、豆をミルで挽き、ペーパードリップでコーヒーを淹れ、マグカップ片手に朝の読書、なんて優雅なサンデーモーニングを過ごしたいと思うのだ。そして、その際にポットがないことが致命的なのでした。

 

電気ケトルではゆっくりとお湯を注ぐことができず、机の上にびしゃびしゃとお湯がこぼれてしまいます。おいしいドリップコーヒーの鉄則「湯を細くゆっくり置くように注ぐ」なんて到底ムリ!ケトルの先にお箸を添えて、せめてゆっくりお湯が流れるようにしても手に垂れてしまう。熱っ!

せっかく美味しいコーヒー豆を買っても、たかだかポットがひとつないだけで美味しく飲むことができません。くそっ!

 

そんな様子を見ていたのか「ほれ、ポットやるわ」と友人がプレゼントしてくれたのが月兎印の琺瑯ポット。あゝ神さま。

パッと見シンプルな琺瑯ポットなのだけれど、これがかわいくて使いやすくて。とにかくお湯が注ぎやすいんです。もちろん火にかけても大丈夫。ポットひとつでこんなに幸せな気持ちになれるなんて知らなんだ。いやはや道具って大事だわ。

 

手に入れるまでまったく知らなかったのだけれど、月兎印は大正生まれのロングヒットブランド。メーカーの野田琺瑯は1934年より続く琺瑯製品の老舗メーカー。現在でも栃木の自社工場にて手作業でつくられているメイド・イン・ジャパンな商品だったのでした。

 

この琺瑯ポットのおかげで週末コーヒードリップタイムが捗って仕方ありませんね。ってついつい豆もいつも以上にたくさん買ってしまうのでした。

そして琺瑯製品に味をしめ、ポット以外の野田琺瑯も欲しいわなんて思っていたらインターネットで見つけたのが以下の動画。さすがD&DEPARTMENT、そそる。

つよく、美しい琺瑯 | 野田琺瑯 工場見学 from D&DEPARTMENT PROJECT on Vimeo.