別の大会の参加賞ティーシャツを着て走るランナーの心理とは?

トレイルランニングやマラソンの大会に参加すると、チームで出場しているランナーをよく見かけます。おそろいのティーシャツでレース前に記念写真を撮ったり、レース中にも「ラストがんばろう」と声を掛け合ったり。

正直とても羨ましくていつも指を加えているのが俺。いつかトレランチームとかラン部をつくってみたいなと思いながらも毎回お一人さまでレースに出場しています。寂しい!

コミュニケーションを促す架空ランニングチームシャツ

トレイルランニング用のウェアやギアを販売するマウンテン・マーシャル・アーツ(MMA)の新商品のニュースリリースをSNSのタイムラインで見かけました。

「TOKYO MOUNTAIN RUNNING CLUB」をテーマに架空ランニングチームのご当地ティーシャツを14種類つくったよ、とのこと。「どれどれ岡山や愛知はあるのかしら?」と覗いてみれば残念ながらありません。くそ、買いたかった!

 

ただ、そのコンセプトがとても素晴らしいなと感じたのでした。以下MMAのブログより。

今季のMMAのテーマは「TOKYO MOUNTAIN RUNNING CLUB」。架空のチームを通じて、「ランニングが生み出すコミュニケーション」を伝えたい。

自分自身もトレイルランニングを通じて得るコミュニケーションは多いし、最近は日本各地でグループランも活発。でも、チームに所属しなくても、グループランに参加しなくても、もっとゆるい繋がりがあってもいいんじゃない?街を走っていて同じTシャツを着ているランナーがいたら、心の中で「お、仲間」と思ってみたり、レース中に見かけたら声をかけてみたり。なんてコミュニケーションが架空のチームTシャツから生まれたらいいな、と思っている。(中略)

 

あー、すごい分かる、分かります。同じシューズを履いてるだけで声をかけてみようかなと思うし、気になるギアを使っているランナーには「それ、使い心地どうですか?」と話しかけたくなっちゃうもの。

特に面白いなと思ったのは、この架空ランニングチームシャツの冠。東京や大阪、青森といったエリア=都道府県はあるけれど、山梨ではなく甲府だし、宮城ではなく仙台、静岡ではなくFUJIYAMA。「Knotty」などショップ名がプリントされたものもあります。

ただ単に都道府県で分けていたら全然面白くなくて、地域やショップ名を通してランナーたちの所属意識がどこにあるのかということを示しているのだと思ったのでした。

別の大会の参加賞ティーシャツを着て走るランナー

トレイルランニングやマラソンの大会参加賞はティーシャツであることが多いです。参加賞はきっとティーシャツが8割。

レース中、自分も持っている参加賞ティーシャツを着て走るランナーを見かけると「あ、あのランナーは去年一緒に走ってるのか」なんてことが分かってしまうし、妙な親近感が湧いてきます。

大会なのに一張羅ではなく参加賞ティーシャツを着てくるというのは「この大会も出たんですよ」の意思表示なのかもしれません。

チームでもないし、知り合いでもないけれど、同じ服を着ている。それだけで妙な親近感がわくし、あわよくば声をかけてみようかなと勇気がわいてくる。「ぼくたち、同じ【感じ】ですよね?」って。

そんなゆるいコミュニケーションをティーシャツとランニングを通して促そうとするMMAの取り組みって面白いなと思ったのでした。