くくり罠と米ぬかを組み合わせた小林式捕獲法で人生初のイノシシを捕獲したので解体して食べてみた

くくり罠の猟師のハダです。

人生で初めてくくり罠でイノシシを捕獲したのでキーボードを叩いています。

シカの糞や足跡がたくさん残る裏山

猟期が始まった11月中旬からずっと気になっている場所があります。

自宅から徒歩3分の場所にある裏山

近くにはほとんど使われていない別荘があるものの、人の気配はありません。

獣道が特定しにくい平らな場所があるのですが、大きなシカの糞足跡がたくさんあります。

斜面にも濃い獣道があるのですが、くくり罠のワイヤーを掛けるための木(=支柱)がなく、罠を設置する場所に悩みます。

道は特定しにくいが獣はたくさん居るようなので平地に何度か罠を仕掛けたもののなかなか獣は掛かりません。

道が広いので倒木や石など障害物を置いて罠に誘導しようとするのですが、見事に避けられてしまいます。

撒き餌+石ぐるり+くくり罠の小林式捕獲法は前脚を掛けやすい

今までくくり罠を設置する場合、細い獣道に隠すだけで餌となる糠などは使っていませんでした。

というか使い方がいまいち分かりませんでした。

そこで今回は新たな方法にチャレンジ。

餌(糠)とくくり罠を組み合わせた小林式捕獲法を実践してみました。

小林式捕獲法は

  • くくり罠の周囲にぐるりと石を置く
  • その周りに餌となる糠を撒く

という非常にシンプルなくくり罠の設置方法です。

くわしくはこちらをご覧ください。

獣が夢中になって糠を食べているうちに中央部の罠を踏みやすいようで、こんな見え見えの罠で引っ掛かるかよwと半信半疑だったのですが、思いの外すぐに効果が表れました。

小林式捕獲法でくくり罠を設置した翌日に糠を食べた跡があったのです。

きれいに食べ尽くすもんですね。

2本のくくり罠で試してみたのですが、1本は空弾き(罠を踏んで作動したが脚にワイヤーが掛からなかった)、もう1本はロックを外し忘れるというイージーミス(笑)もったいない。

明日はいけるぞ!と再度設置。

翌朝の見回りを楽しみにしていました。

撒き餌+石ぐるり+くくり罠の小林式捕獲法で人生初イノシシ捕獲

しかし、翌日は朝から大阪出張。

いつもより早起きして罠場の確認に行ってみると、ガサガサと音がします。

きたぞきたぞ雄シカかな?と思いきや、なんとイノシシが掛かっていました!

今期はイノシシを1頭は獲りたい!と思っていたので念願のヒットです。

狩猟免許を取得して4年目、ようやくお目にかかることができました。

シカは臆病なので怯えて逃げるのですが、イノシシはこちらに向かってくるので怖い!動きが早い!ワイヤーも長めに掛けていたのでイノシシの行動範囲が広い!ミツマタの木を支柱にしていたので引きちぎりそう!というか大阪に行かなきゃいけないので時間がない!やばいやばい!

シカを獲った場合の手順と同じように、殴打して気絶させる→ナイフで止め刺しを試みたのですが、鉄の棒で頭を殴っても気絶しません…!

え、なんで?しかも殴打を繰り返した鉄の棒がひん曲がってしまいました。

普通そんなのありえます?

これはもう完全にお手上げ。

朝7時前にも関わらず村の猟友会長を召喚(ごめんなさい)。

散弾銃で仕留めていただくことに。

貫通して肉が傷まないないように横顔に向かって発泡。

パン!という銃声音とともにパタッと倒れるイノシシ。

すぐにナイフで心臓を刺して血抜きをします。

凍った地面を鮮血が赤く染めます。

有り難いことに「内臓は出しちょいたるから出張から帰ってきたら自分で捌いてみぃ!」と猟友会長に助けていただいて、そわそわしながら大阪出張に出かけたのでした。

脂身を残しながら皮剥ぎするイノシシの解体は難しい

仕事終わりの夜からいざ解体。

友人の若手ハンターも手伝いに来てくれました(感謝)。

シカは何十頭と解体したものの、イノシシは初めてです。どうやるんだろう。

アマゾンプライム限定番組「今田 ✕ 東野のカリギュラ」で観た静岡・浜松の伝説の罠猟師・片桐邦雄さんの解体を思い出しながら、皮にナイフを入れていきます。

シカは脂が少ないので皮と肉の間にナイフを通せばズズと皮が剥けるのですが、イノシシは脂が多くて皮剥ぎが難しい…!

少しナイフを深く入れてしまうと、2cm近い脂が皮に残ってしまいます。

かといって薄く皮を剥ごうをし過ぎると皮を貫通してしまう。

脂でナイフの切れ味もすぐに悪くなってしまいます。はじめてのイノシシ解体に四苦八苦。

ただ、最近はヘルシーなシカばかり食べていたのでイノシシの脂のクリーミーな香りには非常に興奮します。

こんなにたくさん肉も脂もなんて最高。

「これが背ロース」「このへんからバラ肉」と確かめながら解体を進めました。

イノシシの肉は歯ごたえ抜群、脂はクリーミーで美味

試行錯誤しながら3時間経過してようやく目処が経ちました。

ふうー、疲れた。

しかし、部位別に分けた肉は脂がたっぷりとのっていて美味しそう。

見ただけでお腹いっぱい。

手は脂でギットギト。

心臓や肝臓、タン(舌)、あばら骨なども取ったので料理が楽しみです。

夜中に押しかけて無理やりおすそ分けした友人が早速食べてくれたようで「旨すぎ!臭みもない!」と嬉しいコメントをいただきました。

自分が獲って解体した獣の肉を誰かが美味しいと言ってくれるのは嬉しいですね。

さあ、味わって食べ尽くすぞ!と思いながらも時間を確保できなくてフライパン料理ばかりしています。

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