木材需要予測の精度

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木材流通の川中に位置する木材商社で働いていると、全国各地でさまざまな製品が製造され、また全国各地に販売されていることが見えてきました。日刊木材新聞で毎日のように市況を確認していても、地域による製品の価格差が日々、変化していることがよく分かります。

 

「最近は間柱がよく売れるなぁ」とか「あの販売先はこのサイズを仕入れることが多いんだ」といったように、販売製品の樹種やサイズ、数量の動きが少しずつ見えるようになってきたものの、その動きの変化がなぜ起きているのかはまだまだ理解できません。

 

製材メーカーを例にとってみても、製造する製品の規格・寸法、仕入れる原木の樹種・サイズ、再加工も含めた製造工程、設備など、さまざまな要素がからみ合い、ひとつひとつの製品が製造されています。

 

安定的に大量に売れる製品はその分だけ製造されているだろうし、在庫も多いはず。一方、スポット的かつ少量しか売れない商品は在庫を抱えたくないでしょう。

しかし、在庫が無いために販売の機会損失はしたくないので、一定数の在庫を用意する。けれど、回転率は良くない…なんてこともあるでしょう。

 

需給管理はメーカーにとって重要な要素。その目的は製品の販売量(需要)と生産量(供給)を最適に保つことにあると思います。

需給管理は需要側と供給側の最適数量をすり合わせることが要求され、木材商社としての役割もここにあるのではないかと感じています。

 

販売する製品の需要を100%理解することは不可能かもしれませんが、その精度を極限まで高めることは非常に重要なのだと思います。

年間を通して安定的に売れる製品かどうか、季節やイベントによって需要が変動する製品かどうかなど、製品の販売特性を把握し、需要予測から販売計画を立てることが必要になるでしょう。

 

「今期目標と予算計画に基づいて、目標達成のため、営業部隊は販売に注力しなさい」と上層部。

「どの製品がどれだけ売れるのかは現場で働く営業マンが一番よく分かっているんだ!無理言うな!」と営業マン(心の声)。

 

こんなやりとりになってしまいがちだけれど、多くの中間流通業者が介在する木材流通において、需要と供給のマッチングポイントの見極めこそが最も重要なのではないかと思ったのでした。

そして、木材流通に必要なのは全体最適を目指したロジスティクスの概念なのかもしれません。