香りは地域のイメージをつくり記憶される

photo via Big Max Power

 

地元の友達ん家の玄関の香り

母さんがつくる野菜がごろごろ入ったカレーの香り

昔付き合っていた彼女の香水の香り

 

香りと記憶は一本の糸で紐付いています。

香りをかぐことで記憶と感情が呼び起こされ、ハッとした経験は誰もがある(はず?)。

 

この心理現象(嗅覚や味覚から過去の記憶が呼び起こされること)は「プルースト効果」と呼ばれるそう。

「におい」で昔の記憶がよみがえる理由とは?―「嗅覚」は直接脳とつながっている|マイナビウーマン

 

先日、友人がFacebookで

新宿は夏になるとなんだか臭くなる。

街の匂いというのは、知らず知らず記憶され、街のイメージとして勝手に定着しているのではないか。

匂いをコントロールできれば、街のブランド化をする手助けになるかもしれない。

と投稿しているのをTLで見かけ、ナルホド!とひとり唸っていました。

 

香りと記憶が結びつくことで街のイメージの一部が自然と構成されているのだと思います。

 

自分自身を振り返ってみてもそう。我が地元・愛知県津島市の藤祭り(東洋一の藤棚がウリ!)。

藤の淡い美しさはもちろんだけど、藤のカーテンをくぐって香りを嗅ぐことも楽しみなんです。

毎年、藤の香りを嗅ぐと「あぁ、今年もこの季節がきたわ」としみじみ。

 

醤油の蔵元に漂うたまり醤油の濃厚な香り

みずみずしい緑に囲まれた森の香り

神社に漂う歴史の蓄積の香り

 

自然、文化、食……地域の資源にはさまざまなものがありますが、香りもまたその場所にしかない地域資源の一部。

香りは地域のイメージを構成する一つの要素なのだと思います。

 

…と思って調べていたらこんなものがありました。

 

かおり風景100選|環境省

豊かなかおりとその源となる自然や文化・生活を一体として将来に残し、伝えていくため、かおり風景を広く募集。

600件の応募から香り・匂い、文化・ライフスタイルの専門家で構成される選定委員会が、特に優れた100地点を選定した 

 

かおり風景、にくいコンセプトですね。

一覧をみていると、どんな香りなのだろうと想像を掻き立てられるものばかり。

 

香りを求めて地域を訪れる、なんて粋かもしれません。