何を持ち運び、いつ、どのくらい食べるか。
今回はトレイルランナーのお悩みポイントの一つでもある補給食について考えてみました。
ハンガーノックを経験してからエネルギー切れが怖い
マラソンやトレイルランニングを始めてから7年ほど経ちますが、過去に2度ハンガーノック(極度の低血糖状態、ガス欠によるエネルギー切れ)になったことがあります。
1回目は人生で初めて出場したトレイルランニングレース(26k)、2回目はトレイル練習で山を走っていた時。
- 身体が極端に重くなる
- 身体が冷えて悪寒がする
- お腹が痛くなり吐き気を催す
- 目も開けていられないほど眠くなる
個人的に経験したハンガーノックの症状はこの4つ。
山で練習していた時はさすがに遭難して死ぬかと思ったので、トレイルランニングレースや山での練習時にはトラブルに備えて多めに補給食を持っていくようになりました。
エナジージェルばかり飲んでいると胃がもたれて吐く
糖質摂取の方法として、携行しやすく走りながらでも食べやすいエナジージェルが一般的ですね。
さまざまなブランドのエナジージェルが販売されていますが、味も成分も多種多様なのでランナーでかなり好き嫌いが分かれます。
レース序盤の元気な状態なら美味しく食べられるエナジージェルでも、味が濃かったりするとレース後半では口に入れるだけで吐きそうになるものもありますね。
個人的にはShotz(ショッツ)のワイルドベリー味とかPowerBar(パワーバー)のトロピカルフルーツ味など、海外製の食べ慣れない味のものが苦手。ケミカルで強烈な味かつ濃い粘度で食べる気が失せてしまうし、喉に残るとイガイガします。
「美味しくないけどカロリー摂取しておかなきゃ」と我慢して飲み込むエナジージェルより「あぁ〜、早く食べたいな」と思える美味しいエナジージェルを選びたいですよね。
エナジージェルの中でもお気に入りなのがハニースティンガー。
主成分にオーガニックの天然はちみつを使用しており、合成甘味料や酸化防止剤等の人工添加物を一切使っておらず、自然な甘さで体にやさしいお味です。名前の通りはちみつ味でレース後半でも美味しく食べられます。本当におすすめ!
ただ、熊野古道トレイルランニングレース(50k)に出場した際は、エネルギー摂取の方法をエナジージェル中心にして挑んだのですが、レース後半でエナジージェルを食べ過ぎて気持ち悪くなり、吐いたことがありました。
原因は前日の酒の飲み過ぎ(!)もあるかと思いますが、固形物をあまり口に入れなかったので、食べものを噛んで唾液を出す機会が少なく胃がやられたのではないかと思っています。胃を動かすためにもエナジージェルだけではなくリアルフードも摂取せねばいけませんね。
70kmを越えるようなトレイルランニングレースになると消費カロリーが7,000kcalを越える場合もあります。
単純なカロリー計算だとエナジージェルを70本近くを持って走ることになってしまいますが、そんなに同じものばかり食べられないですよね。それに、ハニースティンガーは100kcalで270円(税込)なのでコスパも悪い。エナジージェルってどれも高いんですよね。
マルトデキストリン(粉飴)と粉末BCAA(必須アミノ酸)を水に溶かして自作エナジージェルを作ってみたり、フルーツグラノーラやプロテインを混ぜて自作エナジーバーを作ったこともあります。コスパは抜群に良いし、好みの味に仕上げられるけど、やっぱり手間が掛かります。
摂取カロリー、携行性、コスパ抜群なリアルフードはクルミ
トレイルランニングレースに出場する際には、エナジージェル以外の食べものも色々と試しながら走ってきました。
- 前日に自分で握ったおにぎり:美味しいけど重い。準備が手間
- 菓子パン:コンビニですぐ購入でき美味しい。けど潰れる
- バナナ:ナマモノなので夏が不安。食べ終えた皮が超邪魔。
- 井村屋のスポーツようかん:携行しやすいが食べ続けると甘さが重い
- おなかがすいたらスニッカーズ:食べ応え&味は◎だが体温で溶ける
- 塩っぱさが嬉しいポテチ:味は最高だがバックパック内で割れる
試行錯誤を重ねた後にトレイルランニングレースで携行する補給食として重要な要素が見えてきました。
- 美味しい:レース後半は精神面での戦い。美味しさは必須
- 食べやすい:走りながら食べるので、手間取ることは避けたい
- 温度変化に強い:腐ったり溶けたりするものはNG
- 携行しやすい:荷物のカサが増えたり重いものは邪魔
- 重量あたりのカロリーが高い:突き詰めるとコレ!
で、行き着いた答えの一つがクルミです。
まず、クルミは美味しい。よく噛んで食べるから唾液も出ます。必要な分だけつまんで少しずつ食べられるし、ジップロックに入れて持ち運べばゴミも出ません。乾きモノなので温度変化は問題なし。
そして、糖質は1gあたり4kcalですがクルミは植物性脂質なので1gあたりの9kcal!クルミ1片で3g程度あるのでそれだけでも20kcal弱、5片食べれば100kcalでエナジージェル1本飲むのと変わりません。
ただ、懸念点は食べ過ぎ注意!調べてみればクルミの1日の摂取量目安は20〜30gと少なく、食べ過ぎると下痢の恐れもあるとのこと。あんまり食べ過ぎは良くないみたいですね。100g分=674kcal分を携行してレースに出場して食べ切ったことがありますが、腹痛は大丈夫でした。
ちなみにAmazonで1kg=1,800円=6740kcal。コスパも最高!
MCTオイルでファットバーンな身体を目指せ
最近、導入しているのがMCTオイル。MCTオイルはココナッツやパームに含まれる「中鎖脂肪酸(Medium Chain Triglcerides)」だけを取り出した食用油です。
Amazonで500ml・2,000円くらいで購入できます。植物油にしてはちと高価ですね。でも、わずか30mlを摂取するだけでも270kcal!
MCT(中鎖脂肪酸)オイルの特徴は、大きく分けて次の3つ。
- 一般的な植物油が小腸から消化・吸収された後に分解・貯蔵されるのに対し、中鎖脂肪酸は、小腸から門脈を経由して直接肝臓に入って分解されるので、消化吸収の経路がコンパクト。効率よく分解される
- 一般的な植物油と比較し、約4倍の速さで分解され、素早くエネルギーになる。摂取後3時間で分解が最大に。体脂肪としても蓄積されにくい。
- 酸化や熱による劣化に強く、常温保存OK、低温でも固まらない
ぼくは毎朝、プロテインに混ぜて飲んでいます。無味無臭透明なので飲みやすく植物油を摂取している感覚はほとんどありません。
朝ごはんは毎朝決まった時間にしっかり食べたい派ですが、最近はプロテイン+MCTオイルを朝飲むだけ。いつもは11時頃にはお腹がぐぅぐぅ鳴り始めるのにアラ不思議、お腹が減りません。出張族で外食が多めなので1日のカロリー摂取量も調整しやすくなりました。
MCTオイルを摂取し始めた当初はお腹がゆるくなることが多かったですが、1ヶ月続けてみたらすっかり改善しました。
即効性の高いエネルギー源である糖質(炭水化物)は体内に貯蔵できる量が限られているので、体脂肪など体内にたくさん貯蔵し、かつ少量で大きなエネルギー源となる脂質を燃焼しやすい身体をつくっていくことができればとMCTオイルでファットバーンな身体づくりの実験中です。
ランニングの補給食としてもMCTオイルを導入。100均に売っているシャンプー等の小分けボトルに入れてチューチュー吸ってます。
つい先日もMCTオイルの補給のみで42km走をやってみました。空腹感も無くエネルギー切れはありませんでした。ただ、脂肪がガンガン燃えてる実感はないし、体重もそんなに落ちてないのが少し寂しいところです。
4月には奥出雲ウルトラおろち100km遠足(100k)、5月には阿蘇ラウンドトレイル(120k)とウルトラマラソンやウルトラトレイルに挑戦するのでクルミとMCTオイルで完走を目指して頑張ります。