エイドでのタイムロスは走行ペースアップでは取り戻せない!ウルトラマラソンでサブ10(10時間切り)を達成するためのペース配分

多くのウルトラマラソンランナーの目標の1つでもあるサブ10(10時間切り)を達成するためのペース配分について考えてみました。

2度目のウルトラマラソンでサブ10達成!

自分自身は過去に2度のウルトラマラソンを完走したことがあります。

  • えびす・だいこく100キロマラソン2018 11時間24分39秒
  • 奥出雲ウルトラおろち100キロ遠足2019 9時間32分11秒

2019年4月に参加した2度目のウルトラマラソン、奥出雲ウルトラおろち100キロ遠足で9時間32分11秒を達成。サブ9.5(9時間30分切り)には届かなかったもののサブ10を達成、はじめてのウルトラマラソンから2時間弱の大幅なタイム更新に成功しました。

1年で劇的に練習内容や量が変わったわけではないので完全に作戦勝ちです!

総合順位11位!年代別1位!人生2度目のウルトラマラソンでサブ10達成!奥出雲ウルトラおろち100キロ遠足2019を完走

フルマラソン3時間15分切りの中堅ランナー

参考に自分自身のデータを簡単に書いてみました。

  • マラソン歴8年目、トレイルランニング歴5年目
  • 29歳、身長171cm、体重66kg
  • ベストタイム フル:3時間14分02秒ハーフ:1時間26分37秒
  • 完走レース:FORESTRAIL SHINJO-HIRUZEN2018(72k、D+4,120m)
  • 完走レース:OSJ氷ノ山山系トレイルレース2018(78k、D+5,113m)

マラソンをはじめて8年。フルマラソンでサブ3(3時間切り)達成を狙っていますが、目標はまだまだ遠く、なんとかサブ3.25(3時間15分切り)が自己ベストです。

70km超級のミドルトレイルランニングレースを2本完走したことがありますが、なんとか完走できた程度。

今年は阿蘇ラウンドトレイル(120k、D+6,834m)や上州武尊スカイビュートレイル140(140k、D+9,200m)など100km超級のウルトラトレイルランニングレースに出場予定です。

いつか100マイル(160km)のウルトラトレイルランニングレースでの完走を目指すならば、ロード100kmくらいは走れないといかんだろうと考えたのがウルトラマラソン出場のきっかけでした。

サブ10達成=1kmあたり6分ペースを維持

ウルトラマラソン国内平均タイムは男性で11時間30分程度と言われています。

サブ10を達成すれば上位10-20%に入ることができるようですね。

ウルトラマラソンでサブ10(10時間切り)を達成するには10kmあたり1時間で走ることが必要です。

つまり6分/kmペース。ランナーならばこれがゆったりしたペースであることはよく分かるはずです。

ただ、100kmもの距離を10時間以上も走り続けるのがどうしようもなくしんどい。足は次第に重くなり、何度も痙攣し、走ることさえ困難になってしまいます。

レース後半のペースダウンやエイドでの休憩を考えると、前半50kmは5分30〜40秒/kmのペースで走り続け、折返し50kmまでで15〜25分の余裕を見ておきたいところ。

5分40秒/kmはフルマラソンでサブ4(4時間切り)ペースです。

エイドのタイムロスはペースを上げても取り返しにくい!

奥出雲ウルトラおろち100キロ遠足は獲得標高が1,500m越えとウルトラマラソンの中でも難易度の高いレースですが、サブ10を達成することができた要因はペース配分にあると思います。

その1つはエイドでのタイムロスをできる限り減らすことでした。

ウルトラマラソンでは5kmおきに計20ヶ所弱の給水&補給食用のエイドが設置されることがほとんど。

大会や地域の特色が色濃く表れるエイドはレースの楽しみの1つです。

ランナーの多くはエイドで給水したり食べ物を食べたりするわけですが、このエイドが危ない。

ドリンクをコップ2杯飲んで、食べ物をいくつかつまんでいるうちにうっかりエイドで1−2分経過するなんてことはよくあります。

例えば、エイド10ヶ所で毎回2分の休憩をしたとすると合計20分。

休憩がてら一つ一つのエイドを楽しんでいたらそれくらいの時間はあっという間に過ぎてしまいます。

しかし、20分のタイムロスを走って取り戻そうとすると、1kmあたりの走行ペースを30秒上げたとしても40kmも掛かってしまいます

これをレース後半で取り戻すのは相当難しい。ボトルへのドリンク補給や粉末BCAAを飲むのに時間が掛かることもありますが、1エイドあたり30秒くらいに抑えたいところ。

奥出雲ウルトラおろち100キロ遠足ではできる限り、エイドでの補給に時間を掛けないことを徹底しました。

  • エイドの美味しそうな食事に誘われて必要以上に立ち寄らない
  • レース前半のエイドではおにぎりなど固形食を一瞬でピックアップして走りながら食べる
  • 飲み物を一杯だけ飲んだらすぐ走り出す
  • トイレもささっと済ます

これだけでかなりのタイムロスを減らすことができます。

100kmも走り続けるので毎回のエイドを楽しみにしないと走ってられないよ!とも思うのですが、タイムを刻むならエイドでの小休止は禁物です。

過積載注意!必要最小限の荷物に水分とエネルギーをまとめる

特にレース前半のエイドで必要以上に時間をかけてしまうと、精神的にも肉体的にも辛いレース後半でタイムロスを取り戻すことが難しくなります。

だからこそ、レース前半はエイドに立ち寄らなくても走り続けられる水分とカロリーを携行する必要があります。と言っても過剰な荷物は重くなるので要注意。

奥出雲ウルトラおろち100キロ遠足では以下のような補給で挑みました。

レース前半50km(計700kcal程度) … ソフトフラスク250ml(水)、ハニースティンガー:2本、スポーツようかん:2本、MCT(中鎖脂肪酸)オイル:20ml、メダリスト・アミノダイレクト5500:2袋、芍薬甘草湯:2袋

レース55km地点のドロップバッグ(計500kcal程度) … ソフトフラスク250ml(エイドでスポーツドリンク補充)、ハニースティンガー:2本、スポーツようかん:2袋、メダリスト・アミノダイレクト5500:2袋、芍薬甘草湯:2袋

ウルトラマラソンの消費カロリーは7,000kcal弱もあるので、上の装備だとカロリーも水分も足りないのですが、その都度エイドでおにぎりをかじったり、コーラを飲んだり、フルーツをつまんだりしながら1,500kcalは補給していたと思います。

毎10kmを目処にエイド補給食やエナジージェル、スポーツようかんで100kcal強を確保するイメージで糖質を取りつつ、レース後半で脂肪を燃やして走れるように前半でMCTオイルを入れておきました。

後半は胃がダメージを受けて60km以降はほとんど食べられなかったのですが、なんとかエネルギー切れにならずに走り切ることができました。

その結果、目標だったサブ10(ウルトラマラソン10時間切り)どころか、サブ9.5(9時間30分切り)まで2分11秒足らずの記録更新ができました。

昨年はじめて参加したウルトラマラソンよりも2時間弱の大幅なタイム更新。

そして、順位は総合11位!全体の上位2%に潜り込むことができました。

どうしても1g=4kcalの糖質基準のカロリー計算をしてしまいがちですが、実際は1g=9kcalと糖質よりも断然燃費の良い脂肪も燃えてエネルギーを生み出しています(ランナーの割には脂肪もたくさん蓄えています)。

MCT(中鎖脂肪酸)オイルを毎朝飲む生活(+練習時)を続けて2ヶ月くらい経つのでいくらかファットバーン(脂質代謝)な体質には近づいていると思うのですが、レース時のカロリー計算にはまだ適用できていません。

ただ、今回のレースで後半にバテなかったのは前半に飲んだMCTオイル20ml=180kcalが効いて脂質代謝が働いているはずだと思います。

このあたりの考察が進めば、サブ9.5やサブ9も見えてくるんじゃないかと自分の未来の可能性にワクワクします。

ウルトラマラソンサブ10達成の立役者となってくれたのは言うまでもなくMCTオイル(中鎖脂肪酸油)。

中でも仙台勝山館のものがクセがなく飲みやすいのでおすすめです。