くくり罠の猟師のハダです。
田舎で材木屋勤務の傍ら、スキマ時間に狩猟に取り組んでいます。
先日オス鹿を捕獲・解体して十数kgの鹿肉が手に入ったので簡単ジビエレシピをつくってみました。
- 鹿肉をもらったものの、どう調理してよいか分からない
- ジビエは獣臭さが気になる
- できれば簡単に作れるレシピが知りたい
くくり罠による狩猟を始めて5年が経ち、さまざまなジビエレシピを試してきましたが(失敗も多数…)、やっぱり料理は簡単で美味しいのが一番!
今回は、ほったらかし調理で簡単に鹿肉を食べられる低温調理ハムとデミグラスシチューをご紹介します。
ジビエは大きな塊肉で冷凍した肉をもらう(使う)ことが多いので、簡単調理&大量消費を想定し、翌日でも美味しく食べられるレシピを選びました。
ハダ
家庭にある調味料で簡単に作ることがジビエレシピです。ポイントは温度と時間!
くくり罠でオス鹿を捕獲したので解体・精肉してみた
つい2日前、くくり罠で30kg程度のオス鹿を捕獲しました。
自宅前で解体すること4時間、十数kgの鹿肉が手に入りました。
【狩猟】くくり罠による鹿の捕獲・解体手順・ジビエレシピまとめ
【狩猟】くくり罠による鹿の捕獲・解体手順・ジビエレシピまとめ捕獲・解体・調理の様子はこちらの記事にまとめています👆
背ロース、内ロース(フィレ)、前脚、後脚、タン(舌)、ハツ(心臓)など部位別にジッパー付袋に入れて冷凍しています。
のちのち調理しやすいようにぶつ切りにしたり、下味処理を付けて冷凍することがポイント。
塊肉は解凍するだけでも時間が掛かるので精肉後の一手間で調理時間が削減できます。
今回は後脚もも肉をつかったジビエレシピをご紹介します。
しっとりやわらか!鹿もも肉の低温調理ハム
まずは鹿もも肉の低温調理ハムです。
鶏胸肉で鶏ハムを作るレシピを鹿もも肉に応用しています。
下味を付けた肉を湯煎するだけの簡単調理でしっとり柔らかく仕上がるのでおすすめですよ。
鹿もも肉のシチューの材料
- 鹿もも肉 500g程度
- 塩 適量
- 砂糖 適量
- 料理酒 適量
- 粗挽き胡椒 適量
鹿もも肉以外は適量ってテキトウ過ぎるだろ!と突っ込まれそうですね。。。
いつも料理をする際は調味料の分量は測らずなんとなくの感覚で入れています。
わざわざ調味料を計量したり、肉の重さを測ったりするのは面倒なので。ザ・男のズボラ料理。
ちなみに、一般的に人の味覚でちょうどよい塩分濃度は0.8%~1%と言われているそう。
砂糖を入れるのは、肉の保水性が高まりしっとりしやすくなる、また凝固温度が高くなり柔らかくなることが理由です。
鹿もも肉の低温調理ハムの手順
- 鹿もも肉をフォークで刺して穴を空ける
- 鹿もも肉をジッパー付袋に入れ(空気を抜く)、調味料を揉み込み半日ほど寝かす
- 鍋にたっぷりの水(2L以上)を入れ、湯を沸かす
- 鍋が沸騰したら火を止め、ジッパー付袋を入れ、鍋蓋をする
- お湯が冷めたら冷蔵庫で肉を冷やす
基本的にはジッパー付袋を使った鶏ハムの調理方法と同じです。
BONIQなど低温調理器があれば60度で3〜4時間などキワキワの温度を攻められるのですが、低温調理器なしの鶏ハムはこの方法が簡単で美味しく仕上がります。
低温調理器は安いもので7,000円、高いもので3万円越えと値段の幅も広いので未だに買えずじまいです👆
季節や気温でお湯が冷める早さも異なるので肉の硬さを確認しながら調整する必要がありますが、ドリップが出ない火の入れ具合かつカチカチに硬く茹で過ぎない中間を狙います。
火を入れ過ぎて硬くなってしまうと終わりですが、火入れが甘くて柔らかい分には追加火入れで調整可能です。
しっとりやわらかい低温調理ハムをつくるためのポイントは以下です。
- 調味料に漬け込み時間を掛けて寝かす
肉に味が染み、柔らかくなります - 肉はフォークで穴をあける
ドリップが出にくくなり内部まで火が通りやすくなります - たっぷりのお湯に付ける
お湯の温度が下がって肉の硬さを確認し、柔らか過ぎる or ドリップが出るなら再度お湯に付ける
最後の切り方も一工夫。
肉の温度が高いままだと包丁で薄く切りにくいので冷蔵庫で冷ましてから薄〜く切るのがおすすめです。
厚く切ってしまうと肉々しい食感になってしまうので薄く切ったハムを2−3枚まとめて食べるのが好み。
コトコト煮込んでほろほろ食感!鹿もも肉のデミグラスシチュー
次は鹿もも肉のデミグラスシチューです。
今回はもも肉に加え、ハツ(心臓)とタン(舌)も加えました!
鹿もも肉のデミグラスシチューの材料
- 鹿もも肉・ハツ・タン 1口サイズにぶつ切りしたもの
- 玉ねぎ 1玉 細くスライスしたもの
- にんじん 1本 細かくカットし、レンジで温めると柔らかくなる
- ぶなしめじ 1袋
- にんにく 2片
- 唐辛子 2本
- デミグラスソースのビーフシチュー用ルウ 1箱
市販のビーフシチュー用ルウを使い、材料は全て冷蔵庫にあるもので完結。
ジビエレシピを調べてみると、聞いたこともない調味料が登場したり、レストランシェフが監修したレシピが難し過ぎてハードルが高いものが多いので、家庭料理の延長でジビエを使っています。
鹿もも肉のデミグラスシチューの手順
- フライパンにオリーブオイルをひき、にんにくと唐辛子を低温でじっくり焼く
- 鍋で鹿肉(もも・ハツ・タン)を茹でる(鹿肉が浸るくらいの水量)
- 鹿肉から出るアクを取り除く
- 鍋に玉ねぎ・にんじん・ぶなしめじ・①にんにく&唐辛子を入れる
- 作りたいシチューの量に応じて水を足す
- ルウを加え、煮込む
肉を茹でるとアクが発生するのでアク取りは丁寧にしましょう。
にんにくと唐辛子は他野菜と合わせて鍋に入れても良いのですが、にんにくのエグみが出るのが嫌なので事前にオリーブオイルでじっくりと焼いておきます。
パスタを作る要領と同じでオリーブオイルににんにくの旨味と唐辛子を辛味を染み込ませます。
にんにくはそのまま煮込むより事前に焼いた方が香りも立ちますね。
にんにくと唐辛子は焦げないように注意!
しかし、それ以外は市販のシチュー用ルウのパッケージ裏面に乗っている手順となんら変わりません。
鹿肉に味を染み込ませ柔らかくするために1晩寝かせる
今回は鹿もも肉をほろほろに柔らかく仕上げたかったので薪ストーブと鋳鉄製鍋を使いました。
ルウを入れて味を整えれば残りは薪ストーブが調理してくれます。
イッタラのサルパネヴァ・キャセロールは鋳鉄+琺瑯製なので温度が下がりにくいことがポイント。
【イッタラ サルパネヴァ・キャセロール】かもめ食堂でお馴染み、薪ストーブに似合う鋳鉄+ホーロー製お鍋
【イッタラ サルパネヴァ・キャセロール】かもめ食堂でお馴染み、薪ストーブに似合う鋳鉄+ホーロー製お鍋煮物は冷めるときに味が染みるとよく言われますが、食材に味が染み込む拡散移動は高温の方がスピードが早いので、冷める=味が染みるではないんですね。
冷める過程で(高温に比べ拡散移動スピードが遅くても)長い時間をかけるので味が染みやすいということだそうです。
つまり味を染み込ませるには時間の長さが重要ということ。
今回は薪ストーブで暖を取りながらシチューをコトコト煮込み、1晩寝かせて完成。
朝には玉ねぎは溶けて無くなり、鹿もも肉はほろほろに仕上がりました。
ガス代と手間を省くために薪ストーブを使いましたが、薪ストーブが無くても弱火でじっくりコトコト煮込めばOKです。
低温調理ハム+デミグラスシチュー=ハム入りシチューライス
完成した鹿もも肉と低温調理ハムとデミグラスシチューは別々に食べても美味しいのですが、ハム入りシチューライスにしてランチタイムにいただきました。
白ごはんは近所の農家さんが育てた秋田こまち。
シチューのにんじんと玉ねぎもご近所さんからいただいたもの。
米・野菜・肉と村内自給率が極めて高い食事になりました。
低温調理ハムはしっとり柔らか。
マイヨの粗挽きマスタードと粗挽き胡椒をたっぷり付けて食べるのがお気に入りです。
デミグラスシチューは玉ねぎが溶けて無くなるほど煮込んだ甲斐あってお肉はほろほろ。
箸で切れるほど柔らかくなりました。
ハダは岡山の田舎暮らしで飲み屋も少なく宅飲みがほとんど。
特に鹿もも肉の低温調理ハムは持ち寄り形式の飲み会で持っていくととても喜ばれます。
冷たくても美味しいので飲み会で重宝します。
背ロースやシンタマで作っても美味しいですよ。
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