くくり罠+石ぐるり+撒き餌の小林式捕獲法で雌シカを捕獲、解体・精肉して食べてみた

くくり罠猟師のハダです。

岡山・西粟倉村で材木屋勤務の傍ら、スキマ時間に狩猟に取り組んでいます。

11月15日から令和1年度の猟期が始まり、11月22日に幸先よく雄シカが獲れたものの、それ以降は猟果ゼロ

令和1年度の猟期開始、新導入したオリモ弁当箱くくり罠で良サイズ3歳の雄シカ捕獲

11〜12月は出張も多かったため罠を掛ける日も例年より少なめ、手応えも無いまま2020年を迎えてしまいました(汗)。

2020年は気持ちを入れ替えて獣を獲るぞ!と年始休暇に集中してくくり罠を設置した結果、1月4日にようやく2020年1頭目のシカを捕獲しました。

夜中の運転中に何度も遭遇していたシカ

22〜23時頃に自宅へ帰る途中、道路に出ているシカを何度も見かける場所がありました。

3日連続で遭遇したこともあり、近場を散策し、シカの糞や足跡を確認。

山林所有者やご近所さんにも許可をいただき、くくり罠を設置していました。

いつも雄と雌の2匹ペアで行動しており、雄シカの角はずいぶんと立派です。

4歳は越えているような大物でなんとしても獲りたいと鼻息を荒くしていました。

最近、購入したトレイルカメラを設置してみると、大きな雄シカが映っていました。

しかし、長年生きているだけあり撒き餌には簡単に食いつかず、罠がバレて逃げ出される始末。

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くくり罠+石ぐるり+撒き餌の小林式捕獲法で空弾き

くくり罠+周囲に石ぐるり+撒き餌の小林式捕獲法

獣道が特定できなかったため、小林式捕獲法と言われるくくり罠+周囲に石ぐるり+撒き餌の方法を試しました。

昨年度からお世話になっているハダ愛用のくくり罠設置方法です。

この方法は撒き餌で獣をおびき寄せ撒き餌を食べている過程で石をまたぎ前脚でくくり罠を踏ませる方法です。

獣道が特定できない場所で、撒き餌(米ぬか)を食べる個体に有効です。

前脚で踏むことがほとんどなので、肉のボリュームがある後脚が傷みにくいこともポイントです。

罠設置翌日に反応があったものの残念ながら空弾き

小林式捕獲法で設置した翌日にくくり罠が空弾きしていました。残念ッ!

くくり罠の反応重量が軽過ぎたのか、踏み場所の誘導が甘かったのか、技術不足を痛感。

しかし、これは近々獲れるぞ〜!とさらに追加で小林式捕獲法を設置しました。

くくり罠を追加設置した翌日に雌シカを捕獲

小林式捕獲法の特徴でもある前脚捕獲

追加で罠を設置した翌日。

今日こそは獲れてるはず!と胸を弾ませて早朝に罠場に足を運んでみると…ガサガサと物音が聞こえます。

足早に罠に近づいてみると…お、居るぞ!

待望の2020年1頭目が罠に掛かっていました!

裏側に民家が見える道路にも近い場所で捕獲

何度も遭遇していた雄雌ペア2匹のうち、雌シカがくくり罠に掛かっていました。

待ちに待った獲物がようやく獲れました。

2歳程度の雌シカです。30kgくらいでしょうか?

まだお尻に斑点模様が残っています。

降参して座り込む雌シカ、2歳程度

雄シカは角を向けて突撃してきますが、雌シカは逃げる一方なのでそこまで怖さはありません。

バールで頭を殴打して気絶させ、首にナイフを刺し、血抜き

鮮血が地面を黒く濡らし、荒い呼吸が次第に落ち着き、瞳が灰色に曇ります。

軽トラックに積み込んで自宅へと持ち帰りました。

休日ということもあり、西粟倉村内の獣肉解体施設には預けず、自分で解体・精肉して食べます

自宅前、軽トラ上にて解体

今回は獣肉解体施設のように設備が揃った環境では解体せず、自宅前の軽トラック上で不慣れながら解体をしました。

シカの解体手順
  • 泥やダニを落とすため水で洗体
  • 開いた肛門に水を流し、溜まった糞を流し出す
  • 肛門周辺を切り、大腸を引っ張り出し、紐で縛る
  • 腹を裂き内臓を取り出す
  • 皮を剥ぐ
  • 大まかな部位別に切り分ける(後脚、前脚、首、背ロース、心臓など)
  • 後脚など筋肉部位ごとに切り分ける(後脚の場合、外もも、内もも、シンタマなど)
  • 下味を付け、ジッパー付袋に入れる

いつもは吊るしながら内臓を取り出したり皮剥ぎをするのですが、軽トラック上では個体が転がってしまい、うまくいきません。

毛や血が肉に付いてしまうことも多く、改善の余地あり。

単管パイプで自宅庭に解体用の吊るし台でも設置した方がいいかもしれません。

部位別にジッパー付袋に入れて冷凍保存しやすいようにパッキング

あれ?ここの骨ってどうやって外すんだっけ?

罠に掛かった前脚の肉はやっぱり傷んでるな〜

背ロースは血が溜まって使えそうにないな…

あーでもないこーでもないと久しぶりの解体にあたふたしていたらずいぶんと時間が掛かってしまいました。

14時頃から解体を始め、上記手順が終わったのは17時過ぎ。

あっという間に3時間が経過。気がつけば外は真っ暗。

しかし、カット&下味処理をしてジッパー付袋に入れる工程まで進むことができました。

あとは食べるだけだーーー!!!

夢中で解体していたのですっかり写真を撮ることを忘れていました(汗)

あわくら温泉元湯にもも肉を差し入れしたら美味しいおつまみにしてくれました

汚れた身体を洗い流そうと、西粟倉村のあわくら温泉元湯に足を運び、もも肉を差し入れしたら美味しいおつまみにしてくれました。うまっ!

6時間前には生きていたシカがお店で食べられる。

しかも、それは自分が捌いた獣。こんなに嬉しいことはありません。

このシカ肉でどんなジビエレシピを試そうかと想像すると楽しくなってきます。

キワキワの低温調理でしっとり柔らかくするのもよいし、薪ストーブの熱を生かしてシカ肉ジャーキーにも挑戦してみたいものです。

翌日の晩ごはんには、もも肉のローストタン&ハツ炒めを食べました。

下味を付けて一晩冷蔵庫で寝かせておいたので味が染み込んでしっとり柔らかい。

獣を獲ることはもちろん、ジビエレシピもどんどん試していきたいなと思います。