ウルトラマラソンやトレイルランニングなど、長時間で大量のカロリーを消費するエンデュランススポーツで欠かせないのがエナジージェルをはじめとした補給食です。
今回はハダが実際にレースに出場し、走りながら食べてみて満足度の高い補給食についてまとめてみました。
ウルトラマラソンやトレイルランニングの消費カロリーはどれくらい?
消費カロリーの計算はMETs(メッツ)法と呼ばれる方法が素早く計算することができて便利です。METsとは運動強度の単位のこと。
METs係数の参考は下記サイトに記載されています。ランニングの場合、速度によって係数が異なるので自分のランニングペースを参考に係数を調べてみてください。
参考 身体活動のエクササイズ数表(METs)北海道健康づくり財団消費カロリー(kcal)=体重(kg)✕ 運動時間(h)✕ METs ✕ 1.05
例えば体重65kgのハダの場合、マラソンやウルトラマラソンの消費カロリーは以下のようになります。
それぞれのMETs係数は、マラソン:12METs、ウルトラマラソン:11METs、ウルトラトレイル:8METsとしました。
- フルマラソン:3時間14分16秒 2660kcal程度
- 100kmウルトラマラソン:9時間32分11秒 7,130kcal程度
- 阿蘇ラウンドトレイル(121k&D+6800m):23時間11分11秒 12,800kcal程度
フルマラソンならまだしもウルトラマラソンやウルトラトレイルになると消費カロリーがとてつもなく大きいですね。だからこそ、走りながら食べることが重要なスポーツでもあります。
概算が簡単に早く分かる!マラソンやトレイルランニングの消費カロリーをMETs(メッツ)法で計算してみたエナジージェルの値段が高過ぎる問題
レース前にはエナジージェルやBCAA系サプリメントなどをネットでポチるのがお決まりの作業。美味しそうな商品や新商品を調べてはレースで試すのが楽しみの一つでもあります。
ですが、とにかくお金が掛かり過ぎる!1本のレースに出場するだけで数千円もの費用がカロリー代に消えていきます。
100kcalで250円のエナジージェルを購入したとしたら、1,000kcalで2,500円。高級ランチかよ。しかも、レース中に大して味わいもせずにチューッと吸って一瞬で終わり。
ただでさえ、ウルトラトレイルやウルトラマラソンは参加費が高いので、カロリー代は安く抑えたいのが正直なところ。
同じことを考えているランナーはたくさんいるはずだからこそ、こうしてキーボードを叩いています。
補給食選びで重要な4つのポイント
補給食選びにおいて重要な4つのポイントがあります。
- 小さく持ち運びやすいこと
- 食べやすく美味しいこと
- 温度変化に強いこと
- カロリーあたりの価格が安いこと
上の3つが大切なことは言うまでもありませんが、今回は最後のカロリーあたりの価格に注目して一覧表を作成してみました。
全て実際に自分がレースに出場し、走りながら食べた補給食で満足度の高いものです。
補給食を100kcalあたりの価格で比較してみた
実際に自分がレースに出場し走りながら食べた補給食のうち、満足度の高かったものを一覧にしてみました。
エナジージェルなど糖質系補給食
Mag-onやshotzはランナーなら一度は試したことがあるかもしれません。ただ、味が濃過ぎるのでレース後半では吐きそうになることがあります。
ハダがおすすめするエナジージェルはハニースティンガー・ゴールド。胃がダメージを受ける後半でも、天然はちみつを使っていてやさしい味わいなので美味しく食べ続けることができます。エイドでパンにぶっ掛けて食べるのが秀逸。
特にナイトランが必須のウルトラトレイルでは糖質ばかりを摂取すると血糖値が上がって眠くなってしまう場合があります。そんな時におすすめなのが低GI食品で血糖値が上がりにくいアップルハニー。手に入りにくいですが、コスパもなかなかのものです。
エナジージェルばかり摂取していると唾液が出ずに胃の調子が悪くなるのでEnemotiやスポーツようかんも摂取しています。
脂質系補給食とその他
次は脂質系の補給食。糖質は1g=4kcalですが、脂質は1g=9kcal。重さあたりの摂取カロリーが倍以上。
脂質は摂取してからエネルギーとして吸収されるまでに時間がかかるからこそ、レース前半でこまめに摂っておけば胃がダメージを受けてエネルギー補給がしにくくなる後半のエネルギー切れ(ハンガーノック)に備えることができます。
中でもハダがおすすめするのはMCTオイル(中鎖脂肪酸油)。無味無色透明なのでレース中でもチューッと飲むことができます。MCTオイルは摂取後3時間でもっとも吸収されるのでロングレースの後半にじわじわと効きます。
そして、脂質系リアルフードでコスパ最強なのがクルミ。ハダはジップロックに入れてレース中の上りなどでボリボリ食べています。よく噛んで食べるので唾液もしっかりと出るし、味も美味しい。特にエイドでは脂質系の補給食が置いてあることが少ないので脂質系補給食は自分で選んで持ち運ぶのが正解です。
ジャンル別におすすめ補給食をレビュー
実際に自分がレースに出場し走りながら食べた補給食のうち、満足度の高かったものを一覧にしてみました。
エナジージェル:ハニースティンガー
攣り防止に効くマグネシウムやカフェインが入ったMag-onの成分は申し分ないのですが、味が濃すぎてどうも苦手です。shotzも同じく、80mgのカフェイン含有は素晴らしいのですが、ケミカルな味がどうにも苦手。
エナジージェルはハニースティンガー一択。コスパはそこまで高くありませんが、レース後半でも美味しく食べ続けることができる天然はちみつのやさしい味わいがポイントです。レース後半で味に飽きてきた際にはエイドに設置してあるパンにぶっ掛けて食べるのが秀逸。
不動のマイ・ベスト・ジェル。あまり売っていないのでネットでまとめ買いしています。
糖質系補給食:Enemoti
コスパ抜群の井村屋・スポーツようかんも捨てがたいのですが、最近のマイ・ブームはEnemoti。
エンデュランススポーツのための究極のエネルギーフードと称されるだけあって成分も味も申し分なし。特に糖質をゆっくり吸収するパラチノースが配合されているのでエネルギーの「持ち」が良いのがポイント。
ぎっしり詰まってぬたっとした食べごたえなのでじっくりと噛みながら唾液を出すことができます。甘過ぎないのも嬉しい。何個でも食べられる糖質系補給食です。
脂質系補給食:MCTオイル(中鎖脂肪酸油)とクルミ
エナジージェルや糖質系補給食をいろいろ試しているランナーは多いと思いますが、ハダが特におすすめしたいのが脂質系補給食。中でも、MCTオイル(中鎖脂肪酸油)とクルミです。
ハダは脂質を摂り入れるようにしてから圧倒的にエネルギー切れに強くなりましたし、体重も5kg痩せました。脂質代謝を高めて燃費の良いランニングができるように実験中の日々です。
ファットアダプテーションで脂肪を燃やす身体づくり。MCT(中鎖脂肪酸)オイルを毎朝飲み続けて3ヶ月経過した効果をレビューMCTオイルについてはこちらの記事に詳しくまとめています。MCTオイルはココナッツ由来の無味無色透明の油なので、レース中でもチューッと飲むことができます。
100均で手に入る20−30ml程度の蓋付きプラ製ボトルに入れると便利です。容器が古くなったら捨てればOK。ランニングブランドのソフトフラスクは消耗品なのに値段が高いので100均で十分です。
ハダは毎朝MCTオイルをプロテインやコーヒーに混ぜて飲んでいます。MCTオイルは仙台勝山館のものがおすすめ。値段も買いやすいし国産なので安心。
《送料無料》 仙台勝山館 MCTオイル 360g × 3本セット
そして、脂質系補給食で最強のコスパを誇るのがクルミです。
ジップロックに入れて持ち運び、レースの上りなどでボリボリ食べています。噛み応えがあるのでしっかり唾液が出ますし、美味しい。なにより100kcalあたりの価格がダントツに安いです。
パスタやサラダなどで定期的に植物性の油を摂るようにしているのでハダはクレイン社の無塩タイプ・1kgサイズを買っています。
いろいろなクルミを試したけど、保存もしやすく適度な量でコスパも高い1kgサイズがおすすめ。
仕事をしていて夕方になったら小腹が空くことがありますが、安易に甘いものを食べるのではなくクルミを食べるようにしましょう。唾液が出るので満腹感も感じやすいです。
クレイン クルミ ライト・ハーフ・パック(1kg*2セット)
番外編:エイドのコーラを活用しよう
最後は番外編。コーラのコストパフォーマンスについて考えてみました。
ウルトラマラソンやトレイルランニングのエイドには必ずと言っていいほど設置してあるコーラですが、ハダはコーラ大好きなのでいつもエイドでグビグビ飲んでいます。レース中のエイドで飲むコーラって感動するほど美味しいし、喉がシュワッとしてすっきりするんですよね。
レース後半になると水やスポーツドリンクには飽きてくるので、エイドでコーラを補給してもらい、自分で炭酸抜きコーラをつくり、ソフトフラスクに入れて走っています。吹き出し注意。
コーラは500mlで225kcal。カフェインも50mg入っています。そして、なによりエイドで分けてもらうので無料。
先日参加したウルトラトレイル「阿蘇ラウンドトレイル」(121k&D+6,800m)では、胃がダメージを受けてレース後半にエナジージェルを補給することができなくなってしまいました。エナジージェルを飲んでもすぐに吐いてしまいます。
その際にエイド毎に炭酸抜きコーラを500mlつくって走り続けたのは正解でした。エナジージェルや補給食が喉を通らなくても水分補給とカロリー補給が同時にできるコーラは心強いです。なにより絶対的に美味しい。
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最後に:糖質と脂質のバランスに注意
- 糖質1g=4kcal
- 脂質1g=9kcal
糖質と脂質を比較した際に、脂質の方が重さあたりのカロリー量が大きいから脂質ばかり摂ればいいと安易に考えてはいけません。あくまで糖質と脂質をバランスよく燃やしながらエネルギーとして出力することが重要です。
- 糖質:エネルギー吸収速度が早い。体内貯蔵できるグリコーゲンは限られている
- 脂質:エネルギー吸収速度が遅い。体内貯蔵できる脂肪は無限
特に最近ウルトラトレイルランニングなどで話題に上がることが多いのが脂質代謝を高めるファットアダプテーションという考え方です。体内に蓄積した脂肪を燃やしてエネルギーにしやすい身体づくりを目指すというものです。
ファットアダプテーションについては先日ウェブセミナーに参加してまとめてみたのでこちらの記事をご覧ください。
【FAT ADAPTATION(ファットアダプテーション)】脂質代謝を高めて脂質をエネルギーに変える【ウェブセミナーまとめ】