左右非対称の角を持つ奇形?60kg大型の雄シカをくくり罠で捕獲

くくり罠猟師のハダです。

岡山・西粟倉村で材木屋勤務の傍ら、スキマ時間で狩猟に取り組んでいます。

くくり罠+石ぐるり+撒き餌の小林式捕獲法で雌シカを捕獲、解体・精肉して食べてみた

昨日(2020年1月4日)は2歳程度の雌シカをくくり罠で捕獲しました👆

そして、嬉しい2日連続のヒット

今日(2020年1月5日)はハダ狩猟史上最大級のオス鹿を捕獲しました。

ハダ

左右非対称の角を持つ大型60kgの雄シカです

イノシシの形跡が多い獣害対策用フェンス沿いにくくり罠設置

林の奥には所属する材木屋、西粟倉・森の学校の木材加工工場が見える

林の奥に所属する材木屋、西粟倉・森の学校が見える山。

昨年度もくくり罠を掛けており、雌シカ1頭キツネ1匹を捕獲していました。

シカは獲れるが雌シカばかりの謎

フェンスが壊れており、ここから獣が流入している

広範囲に渡って獣害対策用フェンスが張り巡らされており、獣の侵入ができないような民家裏ですが、フェンスの一部が倒木によって破壊されています。

ここから獣が流入していることが分かっていました。

隣に住んでいる山主さんは畑の野菜や玄関前の花が獣に食われてかなわんのじゃ!と困っていました。

古いイノシシの糞、他にもシカやクマの糞も落ちている

フェンス沿いの斜面を歩いてみれば、イノシシ・シカ・クマ・その他小動物の糞がたくさん落ちています。

足跡も真新しいものも多く、獣の通行頻度は高い場所。

フェンス沿いに竹林に続いており、特にイノシシの糞が目立ちます。

イノシシ狙いで1本だけくくり罠を掛けてみよう餌は無しでくくり罠を設置。

鼻の効くイノシシに匂いでバレないようにいつも以上に丁寧に罠を仕掛けました。

罠を深めに埋め、木に括り付けたワイヤーも土で隠し、イノシシの糞を周辺にも置いてみました(効果は謎)。

くくり罠を設置した翌日に見回りに来ると、くくり罠手前で道を変更した足跡がありました。

やっぱりイノシシには匂いでバレてしまうのかなと思いながらももう1日は様子を見てみようと罠は設置したまま翌日を迎えました。

くくり罠設置後2日目で雄シカを捕獲

フェンス沿いの林

くくり罠設置後、2日目の朝。

昨晩から雨が降り続き、朝には細雪に変わっていました。

翌日から仕事始め&その後は長期出張ということもあり、最後の期待を込めて罠場を見回っていました。

数カ所に計8本設置したくくり罠を全回収。

最後の罠場がこのフェンス沿い。

ここも駄目だろうなと期待せずに罠に近づいていくと、ガサガサと物音がします。

お、イノシシかも?と期待を膨らませながら罠に近づいてみると、そこに居たのは大きな雄シカ

うわ!デカい雄シカだ!!!

こんなサイズ見たことないっ!!!!

激しく暴れ回る雄シカ

角の枝の数から推測すると4歳程度でしょうか?

シカが獲れて嬉しいという気持ちよりも先にヤバイヤバイヤバいどうしようハダ狩猟史上最大級の大きさに途端に不安になってしまいました。

大急ぎで家に帰って止め刺し道具を一式を担いで再度訪問。

いつも止め刺し前の頭部殴打はバールを使うのですが、前日の雌シカ捕獲の際に山に置き忘れてしまったようで家にバールが無い、無い、無い!

杭を打つ大型ハンマーで殴打をすることに。

しかし、こんな重いハンマーで角のある雄シカの頭部を殴打できるのかと猛烈に不安になります。

後足が折れちぎれかけた雄シカを固定するためロープで応戦

左右非対称の角を持つ奇形

改めて雄シカに対峙してみると、やっぱりデカい。

よくみると角の形が左右非対称で変な形をしています。

右角に枝が無い!なぜ?!

さらに罠に掛かった後脚の骨がすでに折れてちぎれかけており、今にも足を引きちぎって逃げてしまいそう。

ワイヤーも長く、行動範囲も広いため、非常に危険性が高いです。

雄シカと対峙しビビるハダ

ギリギリまで近づいて大型ハンマーを振り下ろそうとしますが、急峻で足場が悪く、ハンマーが重く短いため、雄シカの頭を捉えることができそうにありません。

何度か挑戦していると、隙を見て雄シカが力いっぱい角を向けて突進してきて危うく身体に刺さりそうになります。あぶねっ!

雄シカは鼻息荒くずっとこちらを睨みつけています。

一方でシカも敵への恐怖心を感じているのか、こちらを睨みつけながらおしっこを漏らしていました

俺だって怖いよ。

膝がガクガクと震え出します。

膝がガクガクと震えるなんてイノシシを止め刺しする時以来。

大型ハンマーで頭部殴打を狙うも振り下ろせない

大型ハンマーだけでは太刀打ちできそうもなく、再度家に戻り、ロープを持ってきました。

ロープでシカの角を木と固定する作戦です。

輪投げの要領でロープ先に輪っかをつくり、雄シカの角に向かって投げます。

これがなかなかうまく雄シカの角に引っかかりません。

3度目の正直で雄シカの角にうまく掛かり、シカと全力綱引きをしながら木にロープを固定。

これで雄シカは身動きが取れなくなりました。

しかし、足がちぎれかけているので油断はできません。

大型ハンマーで頭部を殴打し、首にナイフを刺して止め刺し

後脚と角が固定されていても暴れる雄シカにビビりながらも大型ハンマーを振り下ろします。

1度では倒れず、何度も、何度も、思いっきり頭を叩くとようやく雄シカが倒れました。

角を踏み込んで頭を抑えながら、首にナイフを指します。

鮮血が流れ、地面が真っ黒に染まっていきます。

首から大量に血が出ていても立ち上がろうとする雄シカの生命力に驚くばかり。

大型のため出血量も多く、なかなか息を引き取らない雄シカ

次第に呼吸が浅くなり、息を引き取りました。

いつもの止め刺しよりもずいぶんと時間が掛かってしまいましたが、ようやく雄シカの仕留めることに成功。

ありがたく獣の命をいただこうと思います。

罠やロープを外し、シカを運ぼうとしますが、足場の悪い急斜面ではうまく引っ張ることができません。

60kg以上はあるでしょうか、こんな重いシカは初めてです。

そして、獣臭がキツい…!動物園のような匂いがします。

仕方なく、山の急斜面を雄シカと一緒に転がり落ちるように降り、角を引っ張りながら運びました。

おかげで腰が痛い。

左右非対称の角は生える場所から違う

罠の掛かった後脚は骨が折れ、今にもちぎれそうな状態

罠に掛かった後脚を見てみると、骨が折れ、今にもちぎれそうな状態でした。

過去にも雄シカが脚をちぎって逃げられた経験があるので一安心。

右角には枝が生えていない

そして、変わっているのがこの角。

左右非対称ではなく右角には枝がありませんねじれたような形をしています。

角の形だけではなく生えている場所も違う

角の形だけではなく、生えている場所も異なります

こんなことってあるんだろうか?事故?奇形?答えは分かりません。

山主さんはこんな大きいシカがおったんか、獲ってくれてありがとうなぁと言ってくださって一仕事した気分。

村内の獣肉解体施設に引き渡し、内臓のみ入手

重量は63kg

前日に捕獲した雌シカを自宅前で解体し、冷蔵庫には大量の肉ストックがあるため、雄シカは村内の獣肉解体施設エーゼロに引き渡すことにしました。

すでに予約が入っていたということで早速この雄シカのお肉は鳥取や東京に出荷されるようです。

重いな重いなと思っていたら雄シカの重量はなんと63kg!!!

俺と体重変わらないじゃん。

ここまで大きなレバーは見たことがありません

ふだん販売することのない肝臓(レバー)心臓(ハツ)舌(タン)などは持ち帰らせてもらいました。

俺のよりも大きな睾丸

さらに、立派な雄シカなので睾丸陰茎も入手。

家の裏山でくくり罠を使って雄シカを捕獲したので解体して睾丸と陰茎を食べてみた

雄シカの睾丸と陰茎は以前にも食べましたが、精力絶倫の野生の獣パワーを頂戴しようと思います。

マッキーと比較するとその大きさがよくわかります

獣の内臓は飲食店には卸すことがほとんどないので、自己責任で獣ホルモンを美味しくいただく予定です。

特にお気に入りは心臓(ハツ)舌(タン)

コリコリして美味しいんですよね。

左右非対称の角を持った頭部はトロフィーづくりに挑戦

頭部は土に埋めてトロフィーづくりに挑戦

頭部は角付きのまま持って帰り、トロフィーづくり(角付きの頭蓋骨)に挑戦。

土に埋めて様子を見てみます。

冬は微生物の活性が少ないので、トロフィーづくりは時間が掛かるとのこと。

気長に夏まで待ってみよう。

2日連続ヒットで嬉しい一方、流石に身体が疲れてヘトヘトです。