新米くくり罠猟師のハダです。
普段は自分で山中にくくり罠を掛けてシカやイノシシを獲るばかりですが、つい先日、珍しい事件がありました。
猟師仲間から電話「畑のネットにシカが引っ掛かっとる」
土曜日、いつもより静かな会社で仕事をしていると、村の猟師仲間から電話がありました。
「◎◎さんの畑のネットにシカが引っ掛かっとるらしいんだけど、ハダくん行ってくれへん?」
「よっしゃ、すぐ行きます」
不幸中の幸いか、ハダが暮らす集落のご近所さんの畑でした。わずか5分で到着。
「◎◎さん、ちょっと畑見せてもらいますねー!」
さっそくシカが引っ掛かっている畑を覗いてみると…
自分が暮らす集落のご近所さんの畑ネットに鹿が掛かったとのこと。雄シカの角が絡みまくっている。無事に捕獲したが、角は根元から折れ、暴れまわっていたので内出血も多そう pic.twitter.com/M6KRcZEnSQ
— ハダ|材木屋トレラン猟師 (@hada_tomohiro) August 24, 2019
あらー!元気な雄シカが暴れ回っています。
畑のネットに角が引っ掛かった雄シカ
どうやら、雄シカの角が畑のネットに引っ掛かって身動きが取れなくなった様子。
暴れまわったせいかネットが絡まりまくっています。
突然ネットが切れたりする可能性もあるので距離感を見計らいながらバールで頭を殴って気絶させます。
通常は気絶させたらすぎに首を切って血抜きするのですが、畑に血が付くのは困るという畑の持ち主さんの強い要望で気絶させてからネットを切り、移動させてから血抜きをすることに。
まだシカの身体も多少動くので蹴っ飛ばされないか心配しながら注意深く移動させ、首をナイフで貫きました。
気絶させてから首を切って血抜きをするまでの時間が空いてしまったのであまり血が出ませんでした。
2歳・30kg程度の雄シカを捕獲
春に生え変わったばかりの柔らかい角先がかなり傷んでいました。また片方の角は根本が折れてしまっていました。痛そう。
「ウチの畑のネットにシカが引っ掛かったことあるから今度はハダさんに電話するわな」と野次馬に集まったご近所さんたち。
普段は自分で山中にくくり罠を掛けて捕獲するばかりですが、これも立派な猟友会の仕事ですね。
捕獲した雄シカは2歳・30kg程度のサイズでした。
夏シカは脂がのって美味しいと言いますが、この雄シカはずいぶん痩せて見えます。
くくり罠を掛けなくても獲物が捕獲できたのは幸いですが、ご近所さんのネットはすっかりダメになってしまいました。
特にハダが住む集落は山が多い地域なのでどの家にもシカ避けネットが張り巡らされています。
「まるでシカに囲まれて生活しとるみたいじゃ」とみんな笑い話にするけれど、それだけシカやイノシシなどによる被害が大きいことも事実です。
暖かくなってからすっかり罠を掛ける頻度が落ちてしまっていましたが、もう一度気合を入れ直して狩猟に力を入れようと思ったのでした。