2019年5月11日(土)に熊本・阿蘇で開催された、第3回Aso Round Trail(阿蘇ラウンドトレイル・ART)に出場、完走しました!
結果としては、
タイム:23時間11分11秒 総合順位:56位/671人中(上位9%、完走率66%)
とプロトレイルランナーも参戦する西日本最長のウルトラトレイルで大満足の結果を収めることができました。
人生初の100km超のウルトラトレイルランニングレースであり、2019年の大本命レース!無事に完走することができてホッとしています。いや〜、しんどかった!
今回は、全身筋肉痛バキバキの最中、自分自身の振り返りのためにもキーボードを叩いて大会レビューを書いてみました。阿蘇ラウンドトレイルに出場したランナーやこれから挑戦しようとするランナーの皆さんに読んでいただければ嬉しいです。
西日本最長ウルトラトレイル、阿蘇ラウンドトレイル概要
阿蘇ラウンドトレイルは西日本最長の熊本初ウルトラトレイルランニングレース。
構想から3年、2017年に第1回大会を開催し、2019年で3回目の開催。すでに全国有数の人気を誇るトレイルランニング大会です。
なんと今年はネットエントリー開始から4分で定員600名に到達する大クリック合戦が行われていたようです。エントリーできて良かった!
UTMF、信越五岳、上州武尊山スカイビュートレイル、ONTAKE100など、100kmを越えるウルトラトレイルは全国でも数える程度しかありませんが、そのほとんどが東日本開催。西日本かつ九州で開催されるウルトラトレイルは阿蘇ラウンドトレイルだけです!
第3回、阿蘇ラウンドトレイル・フルコースの概要は以下です。
- 総距離:121.1km、累積標高:約6,834m、制限時間:32時間
- トレイル率:約80%、最低点:299m、最高点:1,226m
- 募集定員:600名、参加費:25,000円
- 参加資格:過去2年間に100km以上のトレイルランニング大会を1回以上、もしくは、60km以上のトレイルランニング大会を2回以上完走した事がある方
- ITRA認定レースでフルコースの場合は5ポイント獲得
- ハーフあり:総距離:54.5km、累積標高:約3,774m、制限時間:15時間
自分自身、阿蘇ラウンドトレイルのような100km超級のウルトラトレイルは人生で初めて。
2020年春に開催される日本一のウルトラトレイル・UTMF(ウルトラ・トレイル・マウント・フジ)の出場&完走を狙っているので、ここでITRAポイントを獲得したい!
阿蘇ラウンドトレイルを完走できれば、ITRAポイントが溜まりUTMFに挑戦することができます。
100km超ウルトラトレイルで必要な12時間以上のナイトラン
100km超のウルトラトレイルのハードルを上げる理由の1つがナイトランです。
100km未満のレースであれば、レース開始直後の早朝とレース終盤の数時間しかヘッドライトは必要ないのですが、阿蘇ラウンドトレイルのような100km超のウルトラトレイルとなると12時間以上のナイトランのパートが必ず入ってきます。ナイトランはまったく慣れていないので今回のレースで最も不安な点でもありました。
2018年は、FORESTRAIL SHINJO-SHIRUZEN(75.1k、D+3,270m)、OSJ氷ノ山山系トレイルレース(78k、D+3,500m)と70km超級のミドルトレイルレースに2本出場、完走しました。
70km超のミドルトレイルレースでは、ヘッドライトを点灯するのはレース開始直後からわずか2時間程度。レース開始の夜明け前・早朝5時〜7時頃まででしょう。
レース開始直後は他ランナーと集団で走る時間帯。自分のヘッドライトの光だけを頼りに走るわけではありませんし、走行ペースも他ランナーと合わせています。
スタートしてしばらく経つと空が白んできてヘッドライトはすぐに必要なくなるし、70km超のミドルトレイルレースの場合、12-13時間のタイムでゴールできるので空が真っ暗になる前にはレースが終わっていることがほとんどでした。そのため、ナイトランの難しさを強く感じたことはありませんでした。
しかし、今回の阿蘇ラウンドトレイルは早朝7時スタートの32時間制限。レースから12時間経てば19時、日の長い5月とは言え山中ですから真っ暗になっているはずです。
おそらくレース開始から12時間で70km程度は進んでいる予想なので、ゴールまでの残り50kmをナイトランする必要があります。真っ暗闇の山中を走ることやレース後半でしっかり休憩することも考えると、12-13時間は掛かってしまいそうです。
光の無い山中でヘッドライトを頼りに走ることができるのか?レース前は不安で仕方がありませんでした。
【レッドレンザー NEO10R】600ルーメン&10時間稼働で1万円!100マイルレース用ヘッドライト今回のウルトラトレイルのナイトラン用に購入したのがLED LENSERのNEO10R。600ルーメンの明るさと100マイルレースに対応する持続力を兼ね備えてコスパ抜群の1万円。安心感のあるナイトランを過ごすことができました。
阿蘇ラウンドトレイル、必携品
阿蘇ラウンドトレイルの必携品は以下です。
- コースマップ
- 携帯電話
- 個人用のカップ(エイドに紙コップの用意は無し)
- 1リットル以上の水(スタート時)
- 携帯食料
- ライト2個(動作確認済)、それぞれの予備電池
- サバイバルブランケット
- ファーストエイドキット(絆創膏、消毒薬など)
- 携帯トイレ
- レインジャケット(ゴアテックスあるいは同等の防水透湿機能のフード付)
- 手袋(フィンガーレスはNG)
- 配布するナンバーカード2枚(前後に着用)
- 自発光式フラッシュライト
- その他勧める携帯品
レインパンツ、帽子、着替え、日焼け止め、ワセリン、現金、携帯電話用の充電ケーブル・防水ケース・予備電池、防水性の高いシューズ等
阿蘇ラウンドトレイル、装備品
装備品は以下のものを準備しました。
ウェア
- キャップ:patagonia ダックビル・キャップ
- ジャケット:patagonia フーディニ・ジャケット
- シャツ:patagonia スリーブレス・キャプリーン・クール・デイリー・シャツ
- ショートパンツ:patagonia ストライダー・プロ・ショーツ 5インチ
- ベースレイヤー:ミレー ドライナミックメッシュ・ノースリーブ・クルー
- アンダーウェア:ミレー ドライナミックメッシュ・ボクサー
- ソックス:itoix ランニングソックス・5本指・ショート
- シューズ:アルトラ ティンプトレイルM
- 腕時計:SUUNTO AMBIT3 PEAK
- ヘッドライト:Ledlenser NEO10R
- バックパック:THE NORTH FACE TR10
ウェアは着慣れたパタゴニア。5月とはいえ、24時間以上は山中を走り続けることになるので温度調整と汗冷え対策はしっかりしたいところ。
ミレーのドライナミックメッシュのノースリーブ&ボクサーパンツの網々アンダーウェアコンビの見た目はヤバイですが機能性は抜群で申し分なし。ティーシャツやショートパンツが濡れたり蒸れたりしにくいのでおすすめです。
今回のレースでは、折り返し66.6km地点の高森町町民体育館でドロップバッグを受け取ることができるので、お着替えしてさっぱり気分転換をする予定。
【2019年】トレイルランナーがパタゴニアで買って良かった製品まとめ10選【おすすめ】 トレイルランナーのアンダーウェア(下着)問題を解決!Millet(ミレー)のドライナミックメッシュボクサーが見た目も性能もヤバイ件バックパック中身
- レインジャケット:patagonia クラウド・リッジ・ジャケット
- 手袋:100均で購入
- サバイバルブランケット:
- ファーストエイドキット:絆創膏など
- フラッシュライト:100均で購入
100マイルレース参戦を見越し、今回のレース用に新調したバックパックはTHE NORTH FACE。2019年にアップデートされた大人気トレイルランニングバッグ・TRシリーズのTR10です。
エナジージェルやドリンクを入れるフロント部分の収納力と安定性、取り出す際に慌てないメインコンパートメントの整理力が魅力です。
【THE NORTH FACE TR10】2019年アップデート人気トレランザック水分・補給食
- 水分:ソフトフラスク500ml✕2本
- エナジージェル:ハニースティンガー、マグオン、
- 餅・ようかん:Enemoti(塩餅)、井村屋 スポーツようかん(カカオ味)
- クルミ:クレイン社 カリフォルニア産無添加ドライナッツくるみ(生・無塩)
- MCTオイル(中鎖脂肪酸油):ファンクティア社 50ml程度(100均の蓋付プラ製ボトルで携行)
- BCAA:メダリスト アミノダイレクト5500
- リカバリー:MAGMA アスリートバーリィ
- その他:芍薬甘草湯(攣り防止)、ロキソニン(いざという時の鎮痛剤)
阿蘇ラウンドトレイル120kmを走るハダ(体重64kg)が消費するカロリーは推定13,000kcal以上!レース中に、何を、どれくらい食べるといいのか非常に悩みました(→詳しくは後ほどの補給計画を参照)。
5kmおきに細かくエイドが設置されるウルトラマラソンとは違い、トレイルランニングレースのエイドは少なめ。そのため、自分で十分な補給食を携行する必要があります。
その一方、エナジージェルばかりを飲み続けるとレース後半に胃の調子が悪くなってしまいがち。リアルフードも食べて唾液を出し胃を満たしながら走ることが必要です。
エナジージェル派?リアルフード派?マラソンやトレイルランニングの補給食選びのポイントを考えてみたドロップバッグ中身
- 着替え:長袖ティーシャツ、ロングパンツ、ティーシャツ、ショートパンツ、靴下、アンダーウェア、タオル
- リアルフード:ポテトチップス、パン、フルーツ
- 補給食:ハニースティンガー、マグオン、Enemotiなどレース後半分の補給食
- その他:予備ヘッドライトと予備電池、携帯電話のモバイルバッテリー
今回のレースでは、折り返し66.6km地点の高森町町民体育館でドロップバッグを受け取ることができます。
レース開始後12時間程度の19時頃に到着の予定。これからいよいよナイトランが始まるぞというタイミングでのドロップバッグ受け取りなので、以下の点を意識した内容にしました。
- リアルフードで補給:残り60kmのナイトランを走り切るカロリー摂取
- 補給食の補充:胃がダメージを受ける後半こそ細かく補給食を補充
- 着替え:ナイトラン時のしっかり防寒対策。着替えることで気分転換
- ナイトラン準備:いざという時に備えた予備ヘッドライトやバッテリー携行
エイドでの休憩時間がタイムに大きな影響を与えることはウルトラマラソンで経験済み。不用意に甘えて足を休めるエイド休憩は避けたいところ。ドロップバッグ受け取りからラスト60kmが勝負どころでありシンドい時間帯なのでここで英気を養いたいですね。
エイドでのタイムロスは走行ペースアップでは取り戻せない!ウルトラマラソンでサブ10(10時間切り)を達成するためのペース配分消費カロリー13,000kcal以上のウルトラトレイル補給食計画
今回の目標タイムは強気に24時間!
昨年2018年大会(総距離109km)であれば、上位170位/600人中程度のタイムです。今回の121kmなら60-70位くらいでしょうか。
とはいうものの、人生初めてのウルトラトレイルなので、まずは完走を目指してしっかりと走り切りたいと思います。
消費カロリーは13,000kcal以上!
レースの消費カロリーをMETs法で計算してみると、
- 時間(h)✕ 体重(kg)✕ 運動強度(METs)✕ 1.05 = 消費カロリー
24 ✕ 64 ✕ 8.0 ✕ 1.05 = 12,902kcal ≒ 13,000kcal
なんと13,000kcal!。
- 体内グリコーゲン貯蔵量:1,500kcal
- 朝食:1,000kcal(糖質中心に補給)
- 基礎代謝:▲1,600kcal(運動しなくても消費するハダのカロリー)
体内グリコーゲン+レース当日朝食を考慮しても、基礎代謝を差し引いて12,000kcal程度はカロリーを消費することになります。
概算が簡単に早く分かる!マラソンやトレイルランニングの消費カロリーをMETs(メッツ)法で計算してみたしかし、実際は糖質以外にも体内の脂肪などの脂質がエネルギーとなって出力されます。
まさに今、脂質代謝を活発にするファットアダプテーションを実験中なので、脂質代謝を回してどこまで走れるかは気になるところ。なんてったって理論上は体脂肪1kgを燃やせば7,200kcal分は走れるわけですから。
とはいうものの、急斜面を登る際はすぐエネルギーとして出力できる糖質を摂取したいですし、エネルギー切れのハンガーノックはだけ避けたいので糖質はある程度多めに持っていきたいもの。
ファットアダプテーションで脂肪を燃やす身体づくり。MCT(中鎖脂肪酸)オイルを毎朝飲み続けて3ヶ月経過した効果をレビュー糖質と脂質、エナジージェルとリアルフードのバランスを考え、以下の補給食を選びました。これらをスタート時のバックパックと折り返し66.6km地点のドロップボックスに分けて携行し摂取します。
携行補給食
- エナジージェル
ハニースティンガー 100kcal ✕ 6本 = 600kcal
マグオン 120kcal ✕ 4本 = 480kcal - 餅:Enemoti(塩餅) 150kcal ✕ 4本 = 600kcal
- ようかん:井村屋 スポーツようかん(カカオ味)125kcal ✕ 6本 = 750kcal
- クルミ:クレイン社 100g=674kcal
- MCTオイル:ファンクティア社 50ml程度 9kcal/ml ✕ 50ml = 450kcal
これで約3,500kcal!おすすめは脂質補給食であるクルミとMCTオイル。
前半から糖質と合わせて脂質も摂取することで後半に脂肪を燃やしてエネルギーとして出力できる走り方をしたいと思っています。
また、携行補給食だけではなくエイドに設置してあるリアルフードでもしっかりとカロリーを摂取することを忘れずに。
- BCAA:メダリスト アミノダイレクト5500
- リカバリー:MAGMA アスリートバーリィ
- 攣り防止:芍薬甘草湯
この辺りのサプリメントも定期的に摂取して疲労や攣りに備えます。
特に今回導入したMAGMAのアスリートバーリィは疲労の蓄積対策に効果を発揮してくれました。ウルトラトレイルは走力以上に回復力も重要な要素なのでこういったサプリメントがあると心強いです。
総距離120km&獲得標高6800m超のウルトラトレイルコース攻略
阿蘇ラウンドトレイルの高低差図はこちら。
- 0km スタート 大阿蘇環境センター 7時スタート
- 19.2km WS1 田子山
- 23.3km AS1 はな阿蘇美 第1関門:12時
- 37.9km AS2 国造神社
- 50.8km AS3 すずらん公園 第2関門:17時30分
- 66.6km AS4 高森町民体育館 ドロップバッグ受取 第3関門:21時
- 78.7km WS2 高森峠 第4関門:1時
- 86.9km AS5 清水峠
- 96.6km AS6 アスペクタ 第5関門:6時30分
- 112.7km AS7 出ノ口 第6関門:11時30分
- 121.1km ゴール 俵山交流館 萌の里 制限時間15時(32時間)
コース攻略のポイントは以下の3つです。
- 折返し66.6km地点ドロップバッグ受取までは走行ペースを抑える
レース前半はテンションも高く元気だからといって飛ばし過ぎない。渋滞しても抜かれても気にしない。前半に飛ばすより後半にサボらないことの方がよっぽどタイムに響く - 10-15km区間に1箇所とエイド設置が少ない分、走りながら食べ続ける
後半は胃がダメージを受けて食べにくくなる前提で前半にしっかりと食べながら走り続ける。エイドでは最低限のリアルフード補給のみで長居はしない
- 真っ暗闇のナイトランで攻めることができるか?90km以降に続く激しい高低差
90km〜115kmの25km区間で下り・上り・下り・上りが連続。一番シンドい時間帯かつライトランの状況でどこまで挫けずに攻めることができるか。この区間の粘り方でタイムが大きく変わる
テンションも高く元気な前半に気持ち良くなってペースアップし過ぎ、体力が持つはずもなく後半に死ぬレース展開を何度も繰り返しているので、前半はとにかくゆっくり走ることを意識します。
渋滞してても抜かれても気にしない。走るペース以上に食べるペースを意識する。後半の然るべきタイミングに備えることに集中します。
その後半のタイミングとはまさにレースの半分の時間を占めるであろうナイトラン。
特に後半90〜115kmは下り・上がり・下り・上がりと標高差の激しいアップダウンが連続しています。どこまで走れるか不安ですが、「上りはサボらず、下りは勢いに任せて攻める」走りをナイトランでも徹底する予定です。
レース当日までの移動、前日受付、観光、宿泊の流れ
熊本・阿蘇までの移動方法や前日受付、阿蘇観光、宿泊先の様子をまとめました。
岡山・西粟倉村〜熊本・阿蘇までは車&フェリー移動
ハダは岡山県北の西粟倉村という小さな村に住んでいるため、阿蘇までの移動ルートは下記の方法を使いました。
お妻さまの実家が愛媛・今治にあるので実家帰省がてら合流。そして、お妻さま両親も阿蘇旅行がてらレースに同行するという家族旅行になりました(笑)
- 岡山・西粟倉村〜愛媛・今治
車移動。240km&3時間30分。
仕事終わりの夕方に岡山・西粟倉村を出発。お嫁さまの実家には夜到着、そのまま宿泊。 - 愛媛・今治〜愛媛・三崎港
車移動。150km&2時間30分。 - 愛媛・三崎港(西宇和郡)〜大分・佐賀関(佐賀市)
九四フェリー。30km&70分。車ごとフェリーに乗船します。 - 大分・佐賀関〜熊本・阿蘇
車移動。110km&2時間
1人で会場に移動するだけであれば、本当にただ移動するだけの退屈な時間になってしまいがち。
ですが、今回はお妻さまとお妻さまの両親も同行してくれたのですっかり熊本旅行気分で楽しく過ごすことができました。特にレース前日は緊張してしまうことが多いので精神的に楽でした。お妻さま、パパ・ママありがとう。
阿蘇と言えばもちろん温泉
今回のレースのスタート会場の阿蘇付近には温泉地がたくさん!
中でも会場から30kmの場所に、全国的にも有名な黒川温泉があります。これは行かねば!ということで前日受付前に温泉に浸かって身体を温めてきました。
今回は黒川温泉で最初に湧き出した湯と言われている「地蔵湯」に入ってきました。無人施設で料金はなんと200円。シャワー無しの湯船のみ。ザ・公衆浴場という雰囲気で最高。しかもタイミング良く貸し切り状態でした!
前日受付で装備チェック
フルコース120kmの参加者は前日受付が必須です。前日受付では選手受付と装備チェックを行います。前日受付は13時〜17時30分まで可能。
装備チェックを行うので当日携行する荷物を一通りバックパックに入れてまとめておく必要があります。レースでは国立公園を走るため防疫対策が必須。特にシューズはしっかり洗っておく必要があるので要注意。洗い忘れて汚いと装備チェックを通過できません。
そして、前日受付で驚いたのは阿蘇ラウンドトレイルの参加賞ティーシャツ。なんとTHE NORTH FACE製。デザインもカラーもシンプルで落ち着いていて嬉しいですね。
宿泊先はスタート会場まで5kmの激近ペンション・かかしのかくれ家
宿泊先は阿蘇ラウンドトレイルのスタート会場から5km(車で5分!)の位置にある「ペンション・かかしのかくれ家」に宿泊しました。
宿泊先とレース会場までの距離が離れていると、朝ゆっくりできずにバタバタしてしまい、非常にストレスフルなのでこの近さは嬉しい。
全5室のアットホームのペンションですが、ディナーはコース料理。阿蘇の食材を美味しくいただくことができました。しかも露天風呂まであり。オーナー夫婦も気さくな雰囲気でした。
参考 かかしのかくれ家スタート会場まで5kmの激近ペンション実際に阿蘇ラウンドトレイルを走ってみた
さあ!いよいよレース本番です。レースは朝7時からスタートですが、到着した6時前にはすでにランナーやスタッフで会場は賑わっています。
当日は猛暑で最高気温は25度。朝の時点ですでに暑い。昼と夜の気温差に注意する必要があります。
0. レース直前〜スタートまで
第3回目となる阿蘇ラウンドトレイルでは、山本健一、荒木宏太、大瀬和文、三浦裕一、上宮逸子、宮崎喜美乃など有力選手が多数参加。プロトレイルランナーの走りを間近で見ることができます。さすが西日本最長のウルトラトレイル。
1. スタート〜第1関門(23.3km)まで
まだ動画を撮る余裕があった序盤#阿蘇ラウンドトレイル pic.twitter.com/VolBLCzqog
— 羽田 知弘|5/11@阿蘇ラウンドトレイル (@hada_tomohiro) 2019年5月11日
朝7時にレースがスタート!スタート直後の渋滞を避けるために若干飛ばし気味に走り、40−50位をキープしていました。
そして、少し山を登れば序盤から圧倒的な景観が我々を出迎えてくれます。もうね、景色が素晴らし過ぎていきなり涙が溢れ出てきます。まるで日本じゃないみたいっ!
ところが、感動もつかの間、15km地点でいきなりコースをロスト。今回の大会ではマーキングテープの設置が少ないせいか、コースロストをするランナーが続出。目の前の集団が大幅にコースロストをする場面にも遭遇しました。兎にも角にも慌ただしいレース序盤。
そして、心配していた気温はじわじわ上がり始め25度に。とにかく暑い。暑過ぎる。なるべく日陰を選びながら走ります。この猛暑が原因で熱中症や脱水症状を起こすランナーも居たのではないでしょうか。
2. 第1関門(23.3km)〜第2関門(50.8km)〜第3関門(66.6km)まで
まずはとにかく折り返し地点まで!とレース後半のことは考えずにとにかく走り続けます。レース前半には大きな登りが2本。歩いてもいいので立ち止まらないことを徹底して走り続けます。しかし登りがキッツイ〜!
気温が高いのでエイドの度に頭から冷水を被り全身を冷やします。でもすぐにカラカラに乾いてしまう。暑さのせいかエナジージェルが喉を通りません。無理やり飲んだら吐いてしまいます。食欲が無くても胃が空っぽになるのは避けたいのでエイドではバナナやイチゴなどのフルーツを中心に大量摂取。
20km地点くらいから、先日の100キロウルトラマラソンで痛めた膝が再発し、右足をかばいながら走る時間が続きます。右足をかばうから今度は左足が痛くなる。レース序盤から大丈夫か、俺。
途中、林内で木の根に足を引っ掛けて盛大に転び、身体は泥まみれ膝は血まみれ。
牛がいる敷地がコース。でもお触りNG#阿蘇ラウンドトレイル pic.twitter.com/NC6vPOCBHW
— 羽田 知弘|5/11@阿蘇ラウンドトレイル (@hada_tomohiro) 2019年5月11日
3. 第3関門(66.6km)〜第4関門(78.7km)〜第5関門(96.6km)まで
さあ、なんとか折り返し地点まで帰ってきました。10時間を切って折返し地点まで戻ってこれたので十分すぎる良ペースです。しかし、足はすでに何度も攣っているし、胃のダメージも大きい。
折返し地点でドロップバッグを受け取り、お妻さまや家族のサポートを受けて気分転換。ニューハレのテーピングを巻き直し、夜に備えて着替え、リアルフードを胃に突っ込み、ヘッドライトを装着。いよいよ後半戦です。
30分ほど休憩してスタートしたのは17時過ぎ。ここから夜が深まってきます。
前半40km地点から同じペースで走っていた宮城・仙台の鈴木さんと後半戦も一緒に走ることに。2人でサブ24を目指して走り出しました。
19時ごろにはすでに山中は真っ暗になりヘッドライトを点灯。ここから明け方までナイトランのパートが続きます。ヘッドライト以外の光がない山中でコースロストは致命的。2人でマーキングテープを確認しながらゆっくり走り続けます。「テープありました」「OKです」と声に出して確認。
素晴らしい阿蘇の絶景を眺められるのが #阿蘇ラウンドトレイル pic.twitter.com/a9y2H2L5sK
— 羽田 知弘|5/11@阿蘇ラウンドトレイル (@hada_tomohiro) 2019年5月11日
4. 第5関門(96.6km)〜ゴール(121.1km)まで
残り25km!でもここからが本番。ここからが長い。
コース最難関の600m級の急峻な登り下りが2本。ここでサボればタイムが伸びません。エイドでは残り25kmを目の前にしてリアイアするランナーやひと眠りするランナーがちらほら見られます。それを見て不安になる俺。ここから運動量も落ち、体温も下がるだろうと無理やりスープを3杯飲んで胃を温めます。
足はすでに完全に死んでしまっているので、フラットは駆け足、登り・下りは歩きで確実に刻んでいきます。下りなら走れるかと思っていたのですが、急峻なガレ場で危険性も高い。挫けず、サボらず、無理せずを徹底して時間が掛かっても歩を進めることを止めません。
夜も深まりだんだんと眠くなってきますが、2人で励まし合いながら進んでいきます。「とにかく怪我だけはせずじっくり行きましょう」「絶対に一緒に完走しましょう」と鈴木さん。お互いの身の上話をしながら気を紛らわせます。そのうちおしゃべりする余裕も無くなってきました。
気づけば、少しずつ空が白んできて小鳥のさえずりが山から聴こえてきます。もう胃がダメージを受けて何も食べられないのでひたすらコーラを飲んでわずかなカロリーを摂取するだけ、力も無いので重力に任せて山を降りるだけ。最終エイドから残り8.4kmのゴールが途方もなく遠く感じます。
もう登りは終わっていたと思ったら突如現れた山。おいおい、マジか。心折れそうになりながら登り切ると阿蘇を見渡す絶景が広がります。そして、麓にはいよいよゴールが見えました。山の稜線から見下ろす待ち焦がれたゴール。マイク越しの声が聴こえます。すでに走行時間は23時間越え。とてもつもなく長い旅だった…!
レースの大半を一緒に過ごした鈴木さんと健闘を称え合いながら一緒にゴールテープをくぐりました。テープを越えた瞬間、涙が止まりませんでした。おつかれさまでした。ありがとうございました。
阿蘇ラウンドトレイルのレース結果
阿蘇ラウンドトレイルのレース結果は以下でした。
- タイム 23時間11分11秒(サブ24達成!)
- 総合順位 56位/617人中(上位9%、完走率66%)
- 部門順位 51位/532人中
目標としていた24時間切りは見事達成!そして、総合順位では56位と予想以上に好成績を残すことができました。
人生初めてのウルトラトレイルでしたが、プロトレイルランナーも参加する西日本最長のウルトラトレイルで上位9%という結果は大きな自信になりました。これで俺もウルトラトレイルランナーだ!!
阿蘇ラウンドトレイルを振り返ってみた
はあ〜!長かった!辛かった!しんどかった!でも最高の時間を過ごすことができました。
忘れぬうちに阿蘇ラウンドトレイルを振り返ってみて、レース全体の評価、良かった点と反省点をまとめました。
レース全体の評価
周辺には温泉地が多く観光に困らないのも素晴らしい点
良かった点
- レース中盤からゴールまで一緒に走り続けた鈴木さんの存在
40km地点〜ゴールまで80km近くを一緒に走り続けた仲間・鈴木さんのおかげで今回の好成績を残すことができました。シンドイ時に励まし合い、2人で走ることでナイトランのロスト対策をし、お互いの得意分野で引っ張り合う。
レース中に知り合ったランナーとこうして十数時間も一緒に過ごしたのは人生で初めて。サブ24達成は鈴木さんのおかげでしかありません。1人だったら心が折れてました。 - 準備万端なドロップバッグと家族サポーター
今回はドロップバッグに着替えや補給食などを用意していたのですが、複数の選択肢を用意していたのが大正解。選択肢が多いことでかなり精神的に楽でした。
また、お妻様や両親に折り返し地点でサポーターに入ってもらったことでしっかりと休み、後半戦への英気を養うことができました。精神的にキツイ時間帯の孤独の不安が解消されました。 - エナジージェル以外のサプリメント
今回は、攣り防止の芍薬甘草湯、回復系サプリのMAGMAアスリートバーリィ、BCAAのアミノダイレクト5500、胃腸トラブルの太田胃散、いざという時の鎮痛剤・ロキソニンと長距離レースに備えて様々な選択肢を用意しておいたのがお守り代わりに役立ちました。自分を信じられなくなる時間帯はテクノロジーにすがるしかない。
反省点
- 多くのランナーが経験したコースロストに備える
今回のレースでは、コース中に設置されたマーキングテープの分かりにくさからか、多くのランナーがコースロストを経験しています。ハダも計6回のロスト。
引き返せないほどのロストはしなかったのが幸いですが、前を走るランナーに頼るのではなく、地図の読み込みや地図ダウンロードの重要性を感じました。 - レース後半で時間や距離ごとに確実に補給食を摂取し続ける
元気なレース前半は良いのですが、レース後半になると定期的にエナジージェルの補給をし続けることができなくなってしまいました。
せめてものカロリー摂取だと炭酸抜きコーラを飲み続けましたが、カロリー摂取量が足りず、特に後半は登りでパワーが出ませんでした。
ただ、ハンガーノックにならなかったのは日頃からMCTオイルを摂取し、脂質代謝で走る準備が出来ていたからだと信じています。 - エイド休憩のし過ぎによるタイムロス
自分自身の甘さでしかないのですが、必要以上にエイドで休憩をし過ぎたことが反省です。走りながら定期的にカロリーを摂取できていれば、エイドでは水分補給だけで済むはずなのに、エネルギー切れの不安からかひたすらエイドでリアルフードを食べ続け、無駄に腰を下ろし、時間を浪費してしまいました。
最後に:クオリティの高い大会公式PVをチェック
端的に申し上げて、今まで参加したレースの中で、もっともキツくて、もっとも絶景が味わえる、最高に思い出深いレースになりました。第4回大会も参加したい!と全身筋肉痛のレース翌日から考えています。
最後に、2018年の第2回大会、2017年の第1回大会の公式PVを張っておきます。
阿蘇ラウンドトレイルはWEBや写真、動画のクオリティがとにかく高いのが本当に素晴らしい…!ハダもこのPVを観て参加することを決めました。