【狩猟】家の裏山でタケノコを掘るイノシシをくくり罠で捕獲、解体して食べてみた

くくり罠猟師のハダです。

家の裏山でタケノコを掘り返すイノシシをくくり罠で捕獲し、解体して食べてみました。

お互いに相手が見えない格闘を2週間続けていましたが、ようやくイノシシが罠に掛かりました。

今回はイノシシの捕獲から解体、調理までの様子をまとめてみました。

40−45kg程度推定3歳雌イノシシから15kgのお肉を入手!

これだから狩猟は面白いんだな。

くくり罠の設置

我が家の裏山(徒歩1分)には竹林があります。

春になってタケノコが生え始め、竹林の中はイノシシが荒らし放題

いたるところに穴が掘られ、タケノコの皮がきれいに剥かれ地面に落ちています。

イノシシの真新しい糞もたくさん転がっています。

なんとかこのイノシシを獲れないものかと2週間前から罠を掛けていました。

家の裏山の竹林でタケノコを掘り返すイノシシ

しかし、イノシシは賢く鼻が利くのでそう簡単には罠に掛かってくれません。

くくり罠を2箇所に設置していたのですが、罠の匂いでバレてしまうのかヒョイと避けられた足跡がくっきりと残っています。クソ!

そして、罠の隣に生えた小さなタケノコはきれいさっぱり食べられています。

くくり罠+石囲い+糠

急峻な場所ということもあり、なかなか獣道を特定することができません。

狙いを定めて丁寧に罠を隠してもバレてしまう。

こちらも策を変えようと餌の少ない冬に捕獲率が高かったくくり罠+石囲い+糠で再度くくり罠を設置してみました。

これは小林式誘引捕獲法と呼ばれるもので、糠を食べに来た獣が餌に夢中になって石囲いをまたぎ、前脚にくくり罠が掛かる方法です。

あからさまに怪しいので最初は反応が悪いですが、冬の猟期は何頭もシカを捕獲することができました。

イノシシの発見

裏山からガサゴソと物音がする

夜の9時頃、家の外に出てみると、裏山からガサガサ!ガサガサ!と何度も音が聴こえてきます。

獣が家の近くを通ったりシカが鳴いたりするのは日常茶飯事なのですが、やけに物音が大きいし、ずいぶん近い!

そして、ガサガサが止まりません。

ハダ

あれ?もしかしてイノシシが掛かってる?!

全国No.1レスラー2名が参戦

たまたま我が家に遊びに来ていた村仲間の半田くん@handamamoru )と半田くんの後輩・与那覇@yona_tter )は専修大学レスリング部出身

2人とも全国ナンバーワンに輝いた経験を持つ生粋のレスラーです。

獣を相手になんと心強いことでしょうか!

ハダ

いや〜、掛かってないんじゃないの?
何をビビってんすか!罠を見に行きましょうよ!!

与那覇

イノシシだったらテンション上がるっすね!

半田くん

ビビりながらも男3人でガサガサと物音が聞こえる裏山に足を踏み入れました。

ヘッドライトで足元を照らしながら物音が聞こえる方向に近づいていくと……

うわっ!イノシシっ!!

イノシシだ!!!デケェッ!!!!!

イノシシの止め刺し

ハダ

ヤバイね
ヤバイすね

与那覇

これマジでヤバイやつす

半田くん

ワイヤーが長くイノシシの行動範囲が広い

こちらを見るやいなやイノシシが突進してきます。ぎゃっ!

ワイヤーがイノシシの身体をグンと引っ張り戻します。

ワイヤーを括った竹は大きく揺れ、ザワと音を立てます。

猪突猛進とはよく言ったもので爆発的な加速力は恐ろしいの一言。

突進されたらひとたまりもありません。

バール(釘抜き)で脳天を殴打

以前、人生で初めてイノシシが獲れた際は村の猟友会長に助けを求め、銃で頭を撃ち抜いてもらいました。

しかし、今回は深夜ということもあり、助けを呼ぶことができません。

大の男3人であーでもないこーでもないと作戦会議をし、意を決してバール(釘抜き)で頭を殴打することにしました。

命の危険を感じたのか、イノシシが暴れ出します。

フゴ!フゴ!と荒い鼻息。

イノシシの様子に完全に怖気づいてしまい、自分の膝がガクガクと震えます。

膝が震えるなんて久しぶりだ…

距離感を測りながらイノシシが突進して伸び切った瞬間を狙い、覚悟を決めてエイヤ!と脳天にバールを振り下ろします。

ゴツン。

鈍く重い音が響いてもイノシシは倒れません。

むしろ暴れだした。あぶねっ。

何度も何度もバールを振り下ろします。

ゴツン。ゴツン。ゴツン。

……数回バールを振り下ろした結果、ようやくイノシシが倒れました。

ナイフで心臓を突く

イノシシが気絶したことを確認し、前脚の間にナイフを突き刺し心臓に穴を開けます。

狙いを定めてブスッと指してみてもなかなか血が出てきません。

角度が違うのか、深さが足りないのか。見えない心臓を狙って何度か突き刺しているとサァーと血が流れ始めました。

しかし、血の量がずいぶんと少ない。

念のために首も切っておきます。

血がドバドバと流れ始め、濁った血が地面を濡らします。

足が引きちぎれかけていた

荒れていたイノシシの呼吸がだんだんと静かになっていきます。

そして、ピクリとも動かなくなりました。

イノシシが死んだことを確認して、くくり罠を外そうと近づいてみると、くくり罠に掛かった前脚の骨が折れ、ちぎれる寸前だったのでした。

自分の脚を引きちぎるほどの突進力。

イノシシの脚力は凄まじいですね。

殴打して気絶させる前に脚を引きちぎっていたら突進されて怪我をしていたかもしれませんし、夜中に気づかず翌朝に持ち越していたら逃げられていたかもしれません。

あぁ、危なかった。

男2人で担いで庭まで運び出します。

重てえ〜!40-45kgくらいの重さでしょうか。

推定3歳の立派な雌イノシシでした。

イノシシの解体

イノシシの腹出し

血まみれ泥まみれのイノシシの身体を水で洗い流し、捕獲したその日のうちに腹出しをします。

死亡すると肛門が開いてしまうので糞が出ないように肛門の周りを切り出し直腸を紐で縛ります。

その後、内臓に穴を開けないように丁寧に腹にナイフを入れていきます。

浅く切れ目を入れれば内臓の圧力で膨らむお腹。

内臓を傷つけないように丁寧に取り出します。

ずいぶんとお腹が大きな雌イノシシでしたが、身体の中には4匹の胎児がいました。

出産間近だったのでしょう。

なんとか捕獲〜止め刺し〜腹出しまでが終わりました。

気づけば午前様。

翌日は皮剥ぎ肉の部位別の切り出し作業です。

ふう、まずはお疲れさま!

イノシシの牙

翌朝は7時から作業開始です。

こちらはイノシシの。犬歯がデカイ!

昨晩は暗かったのでよく見えませんでしたが、こんな牙で噛まれたらひとたまりもありませんね。

死ななくてよかった。

イノシシの皮剥ぎ

シカは脂が少ないので皮剥ぎ作業は比較的簡単です。

逆さに吊るしながらお尻あたりを皮剥ぎをしたら背中〜首にかけてはズルズルと引っ張って皮を剥ぎ取ることができます。

しかし、イノシシは脂がたっぷり。

皮剥ぎが本当に難しい獣です。

最も美味しい脂ごと皮を剥いでしまってはもったいないし、かといって丁寧に皮剥ぎをしていたら日が暮れてしまいます。

皮を引っ張りながら、ナイフを入れる角度と強さに集中しながら少しずつ皮を剥いでいきます。

スゥ、スゥとリズムよく、無駄な力は入れないで刃先を滑らせます。

脚にはほとんど脂がないのですが、お尻、背中、アバラ周りには脂がたっぷり。

下手くそなりに頑張りましたが、皮に脂がくっついてしまうし、脂の表面は刃物でギザついてしまいました。

脂でナイフの切れ味は悪くなり、その都度、お湯でナイフを温め脂を溶かしながら皮剥ぎを続けます。

肉のピンク色と脂の白みが美しい。

特にお尻周りは脂がたっぷり。

セクシーな雌イノシシちゃんです。

さあ、かなり時間がかかってしまいましたが、ようやく皮剥ぎが終わりました。

ここからは肉を部位別に切り出していきます。

ちなみに、皮剥ぎナイフはスイス発ナイフブランド・ビクトリノックスの骨スキ丸を使っています。

柄がプラ製なので洗いやすいし、コスパも良くて長く使えますよ。

部位別の切り出し

こちらはバラ肉。

アバラ骨の周りのお肉ですね。

大きいなぁ!

こちらは背ロース。

もうね、そのままかぶりつきたくなるくらい美味しそう。

旨味たっぷりの肉とクリーミーな脂のバランスが最高ですね。

背ロースは焼豚にしたいっすね。

冬に獲れるイノシシと違い、春のイノシシは脂が少ない印象です。

加えて残念なことに、自分の皮剥ぎの技術が低く美味しい脂がだいぶ削げてしまいました。もったいない。

こちらはイノシシのレバー(肝臓)とハツ(心臓)。

大皿に溢れんばかりのサイズ。

滋養強壮効果が期待できそうです…!

続いて、イノシシのタン(舌)。

分厚くて長い!

シカのタンがコリコリの歯応えでとても美味しいのでイノタン(イノシシのタン)も楽しみです。

腹出しは昨日の深夜に済ませ、翌朝7時から作業開始した結果、皮剥ぎ、肉の部位別の切り出しが終わったのは11時を過ぎていました。

うわ、4時間も掛かってしまった。

集中していると時間が過ぎるのはあっという間ですね。

40−45kg程度の推定3歳雌イノシシから15kgのお肉を入手しました。

バラ肉、肩、背ロース、内ロース(フィレ)、もも肉、タン(舌)、アバラ骨、猪骨…

たくさんあるのでイノシシのジビエレシピを楽しみたいと思います。

歯応えしっかり旨味ぎっしりのお肉とクリーミーな脂が俺を待っている!

イノシシ肉を食べてみた

ハツ(心臓)とレバー(肝臓)

内臓は鮮度が落ちるのが早いので捕獲した深夜にさっそく食べてみました。

2時間前には生きていたイノシシのハツ(心臓)とレバー(肝臓)です。

1cmほどの厚みで切り、水でよく洗い、水気を拭き取ってからフライパンでさっと火を通します。

味付けは素材の味を生かして塩コショウのみ。

さあ、お味はいかがでしょうか。

ハツ(心臓)、歯ごたえコリッコリ。旨っ!

レバー、柔らかく濃厚な旨味が凝縮されています。

これまた旨〜っ!

育ちだかりの20代男子3人であっという間に平らげてしまいました。

最高にビールに合うね!

そして、解体が終わった後、細切れ肉もお昼ご飯としていただきました。

焼き肉のタレをぶっかけて焼いて、白飯をかきこんだのでした。朝飯食ってなかったし最高にうめえ!

さらに夜には、大人の本気焚き火キャンプにお誘いいただき、捌きたてのお土産を片手に参戦。

やっぱりバーベキューは楽しいですね。

イノシシ肉がほどよく焦げて香ばしくて美味しかった〜!

タレに漬け込むなんてのもいいですね。

イノシシ肉のジビエレシピをたくさん作ってみた

せっかく自分でイノシシを獲ったからには、思いっきり食べ尽くしたい!とさまざまなイノシシ肉ジビエレシピに挑戦してみました。

6時間掛けて背骨を煮込んだ超大作「猪骨チャーシューラーメン」や簡単な下ごしらえでしっとりやわらかい低温調理法「イノシシハム」などがあります。

くくり罠で捕獲したイノシシの骨で出汁スープを取って猪骨チャーシューラーメンを作ってみた 簡単ジビエレシピ!くくり罠で捕獲したイノシシのもも肉でチャーシュー(煮豚)を作ってみた 猪骨ラーメンの出汁を取った背骨と肉を捨てずに再活用してイノシシ肉のしぐれ煮を作ってみた しっとり柔らか簡単レシピ。イノシシのもも肉を使った低温調理、イノシシハムを作ってみた

最後に

人生で初めて捕獲したイノシシも今回と同じく、くくり罠+囲い石+糠を組み合わせて捕獲しました。

この方法の場合、餌を食べているうちに罠を踏むので、後脚ではなく前脚が掛かり、肉の多い後脚が傷みにくいのでおすすめです。

くくり罠と米ぬかを組み合わせた小林式捕獲法で人生初のイノシシを捕獲したので解体して食べてみた

現在は有害鳥獣捕獲期間ですが、2018年11月15日から2019年3月15日までの4ヶ月間の猟期では、シカ・イノシシ合わせて16頭を捕獲することができました。

猟期4ヶ月でシカ&イノシシ16頭!サラリーマンのスキマ時間くくり罠狩猟

引き続き、有害鳥獣捕獲期間も技術を磨いてシカ&イノシシを獲るぞ〜!

狩猟や解体は「見て聞いてやって覚える」になりがちで、体系的なノウハウが身につきにくい印象です。

だからこそ、書物でも情報を仕入れて知識を深めながら、解体作業も場数をこなしてスムーズにできるようにならねばと思ったのでした。