くくり罠の猟師のハダです。
ふだんは岡山・西粟倉村の材木屋「西粟倉・森の学校」に勤務しながらスキマ時間で狩猟に取り組んでいます。
自分で捕獲した獣を解体・精肉して手に入れた獣肉を使ったジビエレシピをまとめました。
- 家庭で調理できるジビエレシピが知りたい
- 凝ったものは作れないので簡単なレシピが知りたい
- 大量消費・作り置きできるレシピが知りたい
ふだん使い慣れていないジビエとなると火の通し方や獣臭の消し方など不安は尽きないもの。
今回は難しい調理方法はなしで、家庭にある調味料や野菜で作りやすいジビエレシピをまとめました。
またジビエをおすそ分けしていただいた時は冷凍の塊肉がほとんどなので大量消費&作り置きしやすいものを選んでいます。
定番の鹿肉&猪肉に加え、珍しいアナグマ肉のレシピも紹介しています。
ハダ
猟師のハダとしては多くの人にジビエの美味しさを知ってもらえたら嬉しいです!
1. しっとり柔らか 鹿もも肉の低温調理ハム
まずは家庭に一気に広まった人気レシピ、低温調理の鹿もも肉のハムです。
ローストという表現の方がレシピのイメージに近いですが、このレシピはロースト(=焼き)はなし。
肉に下味を付けてジッパー付袋で湯煎するだけの簡単レシピです。
- 下味を付けた肉をジッパー付袋に入れてお湯に入れておくだけの簡単レシピ
- しっとり柔らかく冷めても美味しいので持ち寄りごはん会で喜ばれる
- マイユの粗挽きマスタードと粗挽き胡椒をたっぷり付けて食べるのが美味
鶏の胸肉を使った鶏ハムの鹿肉バージョンです。
温度加減が最も悩ましいポイントですが、火の通り方が甘い場合は湯に浸ける時間を追加すればよいので修正可能です。
むしろ火を通し過ぎて硬くなってしまわないように肉の硬さを確認しながら湯煎するのがコツです。
詳しいレシピはこちらをご覧ください👇
【鹿もも肉 低温調理ハム&デミグラスシチュー】ほったらかし簡単ジビエレシピ
【鹿もも肉 低温調理ハム&デミグラスシチュー】ほったらかし簡単ジビエレシピマスタードはマイユの種入マスタード一択です👆
2. コトコト煮込むだけ 鹿もも肉・タン・ハツのデミグラスシチュー
次は鹿もも肉のデミグラスシチューです。
鹿もも肉に加え、市場流通しにくいタン(舌)やハツ(心臓)も加えた猟師メシ。
シチューと言っても市販のシチュールウを使った簡単なレシピです。
- 鹿肉をほろほろ食感にするために薪ストーブ上に置いて1晩寝かす
- 市販シチュー用ルウを使った簡単レシピで大量消費&作り置きできる
- 白ごはんにぶっかけても美味しい
鹿肉は下味を付けずにそのまま焼くと肉が硬くなってしまいがち。
シチューのように長時間煮込むとほろほろ食感になり箸でも切れる柔らかさになります。
鹿肉を大量消費しつつ作り置きできるのはもちろん、寝かした分だけ美味しくなるので翌日・翌々日が楽しみになるレシピです。
詳しいレシピはこちらをご覧ください👇
【鹿もも肉 低温調理ハム&デミグラスシチュー】ほったらかし簡単ジビエレシピ
【鹿もも肉 低温調理ハム&デミグラスシチュー】ほったらかし簡単ジビエレシピ3. 本格スリランカ 鹿肉スパイスカレー(カレーの壺)
次は鹿肉スパイスカレー。
今回はカレー用ルウでもなく、スパイスから炒めるのでもなく、本格スリランカカレーが手軽にできあがるカレーペースト・カレーの壺を使ったスパイスカレーです。
- しっかり煮込んで鹿肉をほろほろ食感に仕上げる
- 玉ねぎを中心に野菜をたっぷり入れて加水はしないどろどろカレー
- 大量消費&作り置きできて寝かせるほど美味しくなる
シチューと同じようにカレーも煮込み時間を長くして鹿肉をほろほろ食感に仕上げるのがポイント。
粉チーズやコリアンダーパウダーを掛けたり、半熟目玉焼きを乗せてを味変するのが楽しみ。
市販のカレールウだと日本的カレーライスになりがちですが、カレーの壺は本格スリランカカレー用ペーストなのでスパイスと野菜のコクが効いて美味しいですよ。
詳しいレシピはこちらをご覧ください👇
【鹿肉スパイスカレー】カレーペースト「カレーの壺」を使った簡単ジビエレシピ【大量消費&作り置き】
【鹿肉スパイスカレー】カレーペースト「カレーの壺」を使った簡単ジビエレシピ【大量消費&作り置き】カレーの壺は3種類ありますが、辛さ控えめで野菜のコクが効いたマイルド(甘口)がおすすめです👆
4. ホームセンターの干しかごと燻製キットで燻製鹿肉ジャーキー
次は変わり種の燻製鹿肉ジャーキーです。
ジャーキーづくりは難しそうに感じますが意外と簡単です。
つけだれに漬ける→乾燥させる→燻製するの簡単3ステップです。
- 味付けはお好み&目分量でも美味しくできる
- ホームセンターで購入した干しかご(798円)+薪ストーブで乾燥
- ホームセンターで購入した燻製キット(1100円)で燻製
今回は干しかご+薪ストーブ+扇風機で乾燥しましたが、薪ストーブが無くてもしっかり乾きます。
つけだれも目分量で好みの味付けにするだけでビールの最高のアテが完成しますよ。
詳しいレシピはこちらをご覧ください👇
【燻製鹿肉ジャーキー】ホームセンターの干しかごと燻製キットを使った簡単ジビエレシピ
【燻製鹿肉ジャーキー】ホームセンターの干しかごと燻製キットを使った簡単ジビエレシピ燻製に必要な燻煙剤や箱、金網等が一式入った簡易燻製キットはAmazonでも1,000円前後で購入することができます👆
5. しっとり柔らか 猪もも肉の低温調理ハム
鹿肉の次は猪肉です。
鹿に比べると猪は鼻が効いて賢いのでなかなかくくり罠に掛かってくれません。
まずは、鹿肉同様しっとり柔らかい食感が美味しい低温調理ハムです。
- 下味を付けた肉をジッパー付袋に入れてお湯に入れておくだけの簡単レシピ
- しっとり柔らかく冷めても美味しいので持ち寄りごはん会で喜ばれる
- マイユの粗挽きマスタードと粗挽き胡椒をたっぷり付けて食べるのが美味
後に紹介する猪骨ラーメンに乗せてみたら最高に美味しかった…!
鹿肉に比べて猪肉は脂身が多く、脂のコクと肉の濃い味を感じられます。
詳しいレシピはこちらをご覧ください👇
しっとり柔らか簡単レシピ。イノシシのもも肉を使った低温調理、イノシシハムを作ってみた
しっとり柔らか簡単レシピ。イノシシのもも肉を使った低温調理、イノシシハムを作ってみた6. 酒の肴に 猪もも肉のチャーシュー(煮豚)
次は猪もも肉のチャーシューです。
今回は焼きを入れずに煮ただけなので煮豚の方が正しい表現かも。
- 焼きを入れずに鍋で煮込むだけの簡単レシピ
- 熱々はもちろん冷めても美味しい
- 酒の肴にもごはんのおかずにもなる万能レシピ
豚肩ブロックを買ってチャーシューを作ることが好きなのですが、その猪肉バージョンです。
煮込んだあとにきれいな形になるようにしっかりと紐で縛り上げるのがポイント。
バーナーで炙って焦げ目を付けてアッツアツの白ごはんに乗せるのが至高です。
詳しいレシピはこちらをご覧ください👇
簡単ジビエレシピ!くくり罠で捕獲したイノシシのもも肉でチャーシュー(煮豚)を作ってみた
簡単ジビエレシピ!くくり罠で捕獲したイノシシのもも肉でチャーシュー(煮豚)を作ってみた7. 猪背骨からダシを取る 猪骨チャーシューラーメン
猪は骨から良いお出汁が出るんです。
骨を捨てるのはもったいない!ということで背骨を煮込んで出汁を取り、上のチャーシューと合わせて猪骨チャーシューラーメンを作りました。
- 背骨をグツグツ煮込むだけで濃厚猪骨スープが完成
- 濃厚猪骨スープは様々な料理にアレンジ可能
- 背骨に付いた肉からしぐれ煮が作れる
自分が獲った猪の骨から出汁を取ってラーメンを作るという猟師のあこがれを実現した猟師メシ。
背骨をグツグツと煮込むだけで濃厚な猪骨スープが取り出せるので以外に簡単に作ることができます。
そして、背骨に付いた肉を取り出してしぐれ煮まで作ることができます。
詳しいレシピはこちらをご覧ください👇
くくり罠で捕獲したイノシシの骨で出汁スープを取って猪骨チャーシューラーメンを作ってみた
くくり罠で捕獲したイノシシの骨で出汁スープを取って猪骨チャーシューラーメンを作ってみた猪骨チャーシューラーメンに使った麺は、素麺でお馴染み揖保乃糸の手延べ中華麺です。ツルッとした喉越しのストレート麺ですよ👆
8. ダシを取った背骨を再調理 猪肉のしぐれ煮
上の猪骨チャーシューラーメンで使った背骨に付いた肉を削いだしぐれ煮。
背骨の周りにたくさん肉が付いていたので想像以上にたくさんのしぐれ煮を作ることができました。
濃いめの味付けにしてアッツアツの白ごはんに乗せて食べると最高です。
- 猪骨スープと同時に作ることができる簡単レシピ
- スープ煮込み時に入れたにんにくや生姜も混ぜると食感のアクセントに
- マヨネーズを加えて白ごはんに乗せればコンビーフ丼にアレンジ可能
なにより本来捨てる予定だった背骨からスープに加えもう一品を作ることができたお得感がすごいです。
詳しいレシピはこちらをご覧ください👇
猪骨ラーメンの出汁を取った背骨と肉を捨てずに再活用してイノシシ肉のしぐれ煮を作ってみた
猪骨ラーメンの出汁を取った背骨と肉を捨てずに再活用してイノシシ肉のしぐれ煮を作ってみた9. 脂のコクを楽しむ アナグマ肉のムジナ鍋
鹿肉、猪肉、そして最後はアナグマ肉です。
まずは定番のムジナ鍋です。
ムジナはアナグマやタヌキの総称のこと。
アナグマのジビエレシピの需要があるのかは謎ですが、鹿肉や猪肉よりも美味しいとも言われる珍しいジビエです。
分厚い脂のコクと甘みが特徴的なお肉です。
- 鶏肉や豚肉の代わりに鍋に入れるだけの簡単レシピ
- アナグマ肉の分厚い脂のコクと甘みを味わいやすい
- 牛ホルモンのような脂、牛すじ肉のような歯応えの肉
アナグマ肉はとにかく分厚い脂のコクと甘みがすごい…!
脂を味わうと言っても過言ではない特徴的なジビエです。
煮込むとシャリシャリ感のある脂で肉は牛すじのような歯応えです。
アナグマは小さいので解体の労力の割に獲れる肉量が少ないのですが、美味しさは病みつきになります。
詳しいレシピはこちらをご覧ください👇
【アナグマ ジビエレシピ】アナグマを捕獲・解体・調理してみた(ムジナ鍋&ステーキ)
【アナグマ ジビエレシピ】アナグマを捕獲・解体・調理してみた(ムジナ鍋&ステーキ)10. レモンでさっぱり仕上げる アナグマ肉のレモンステーキ
次はアナグマ肉のレモンステーキです。
今回は最も脂が乗っているアバラ肉を使いました。
- 下味を付けて焼くだけの簡単レシピ
- アナグマの濃厚な脂をレモンでさっぱりと楽しむ
- 脂をパリパリに焼き上げると美味
下味を付けて焼いただけなのでレシピと言えるほどのものではありませんが、粗挽き胡椒とたっぷりレモン果汁を絞って完成させるのがミソ。
アナグマ肉は脂の比率が高くクセが強いので、惜しげもなくレモンを絞ってさっぱりといただくのが美味。
詳しいレシピはこちらをご覧ください👇
【アナグマ ジビエレシピ】アナグマを捕獲・解体・調理してみた(ムジナ鍋&ステーキ)
【アナグマ ジビエレシピ】アナグマを捕獲・解体・調理してみた(ムジナ鍋&ステーキ)11. 辛旨ジビエ中華 アナグマ麻婆豆腐
次はアナグマ肉の麻婆豆腐。アナグマーボードウフです。
麻婆豆腐と辛さと香りがアナグマ肉とガツンとぶつかって白ごはんとの相性バツグンです。
- ネギや玉ねぎ、えのきを入れてかさ増し
- 豆腐を下茹ですると水分が抜けて崩れにくくなる
- 味を調整しながら煮込むだけで意外と簡単
アナグマの脂のコクと肉々しい歯応えを生かしつつ、豆腐やエノキの食感が楽しい。
思わずアッツアツの白ごはんにONして2杯食べてしまいました。
余分に作り置きしたので、忙しい平日のランチにささっと食べられます。
花椒やコリアンダーパウダー、辣油を後乗せして味変するのも良いですね。
詳しいレシピはこちらをご覧ください👇
【ジビエレシピ】白ごはんがすすむ簡単辛旨中華・アナグマ麻婆豆腐
【ジビエレシピ】白ごはんがすすむ簡単辛旨中華・アナグマ麻婆豆腐12. オイルで煮込むだけ アナグマ肉のコンフィ
次はアナグマ肉のコンフィ。
コンフィはフランスの調理法で揚げるよりも低温の油で煮込む調理法です。
アナグマ肉自身の脂の多さを利用して旨味を凝縮するレシピです。
煮込めば煮込むほど脂がじわじわ出てくる〜!
- 油でじっくり低温で煮込むだけの簡単ジビエフレンチ
- アナグマ肉自身の脂で旨味を凝縮
- 脂はぷるぷる 肉はほろほろで柔らかさ抜群
アナグマは鍋やステーキで楽しみましたが、コンフィの特徴はその肉の柔らかさ。
脂はぷるぷる 肉はほろほろで焼きや煮込みとは違った美味しさを楽しむことができます。
粗挽きマスタードを付けてさっぱり食べるのが美味です。
詳しいレシピはこちらをご覧ください👇
【アナグマ肉のコンフィ】脂はぷるぷる 肉はほろほろ オイルで煮込むだけの簡単ジビエレシピ
【アナグマ肉のコンフィ】脂はぷるぷる 肉はほろほろ オイルで煮込むだけの簡単ジビエレシピ最後に:ジビエレシピまとめのまとめ
いかがだったでしょうか?
鹿肉、猪肉、アナグマ肉を使ったジビエレシピを12種紹介しました。
いずれも家庭にある調味料や野菜を使った簡単ジビエレシピです。
飲食店でジビエを食べるのも美味しいですが、自分自身で野生の味を料理するのも楽しいですよ。