人生初の100マイルレース・OSJ KOUMI100のレビューです。
コロナ禍の2020年では国内唯一の100マイルレースです。
100マイルレース(160km)と言いながらも35km✕5周ループ=175kmと距離が長いのがOSJクオリティです。
- OSJ KOUMI100の2020年大会の様子が知りたい
- 100マイルレースがどんな内容なのか気になる
- 100マイルレースの装備品や補給食が知りたい
2020年はコロナ禍でマラソンやトレイルランニングの大会がほとんど開催されず、勝負レースに設定していたUTMFや信越五岳が中止になってしまいました。
しかし、補給食・PowerBar(パワーバー)やトレランレース開催でお馴染みのパワースポーツ(OSJ)が100マイルレース・KOUMI100を開催してくれました。
コロナ禍に加え、台風14号が迫っている悪天候の中でも大会を開催してくださった小海町やOSJには感謝の気持ちでいっぱいです。
KOUMI100を走れて良かった。
本当にありがとうございます。
ハダ
トレイルランニングを始めた6年前から憧れ続けていた100マイルレースにようやく挑戦する時がきました…!
OSJ KOUMI100は制限時間36時間&35km✕5周ループの100マイルレース
パワースポーツが開催するOSJトレイルランニングレースシリーズでは全国で年間12戦のレースが開催されます。
そのうち100マイルのレースが開催されるのはONTAKE100とKOUMI100の2大会のみ。
ハダは毎年9月に開催されるONTAKE100(100km/160km)の100kmの部に出場予定でしたが、残念ながら中止になってしまったのでKOUMI100にエントリーすることにしました。
OSJ KOUMI100の概要
OSJ KOUMI100の概要は以下です。
- 日付 2020年10月9日(金)~11日(日) 選手受付は9日
- 場所 長野県小海町松原湖~稲子湯周辺
- 距離 約175km(35km✕5周)
- 標高 獲得標高1,500m✕5周=7,500m程度
- 時間 制限時間36時間
- 定員 500名(一般参加345名、残りは中止になった2019年参加予定者)
- 費用 26,000円(一般エントリー・ペーサーなし)
- 備考 4周目・5周目からは1名ペーサー可能
- 特徴 ストック・ポール使用可
KOUMI100はアメリカ・ハワイで毎年1月に開催される100マイルレース・HURT100(ハート100、1周20マイル✕5周)を参考にしたレースです。
100マイル(160km)レースながらも35km✕5周=175kmと距離が長く周回ループのため、ランナーのメンタルを削る仕様で完走率が低いことが特徴です。
2019年大会は台風の影響で中止となったので2018年大会ぶりの開催です。
ちなみに2018年大会の出走者数は計326名(男子302名、女子24名)で完走者は102名(男子92名、女子10名)、完走率31%と厳しいレースでした。
台風25号が過ぎ去った後の台風一過で気温が上がり日中は25℃を越え、寒暖差が大きいレースコンディションがランナーを苦しめたようです。
2020年大会は、2019年大会のエントリー予定者が優先枠として155名、一般エントリー枠は345名と計500名での開催となりました。
愛知県出身・岡山県在住のハダからすると長野・小海町はまったく馴染みが無いのですが、地図上ではこの辺りです。
ハダが暮らす岡山県北・西粟倉村から長野・小海町は車で550kmとかなりの長旅になってしまいます。
そのため、愛知・津島の実家を経由して親の顔を見つつ、岡山→愛知、愛知→長野と2日掛けて移動しました。
コロナ禍での特別ルールで開催
2020年のOSJ KOUMI100はコロナ禍での開催ということもあり、特別なルールがいくつかあります。
- 他の選手との間隔は2m(最低1m)の距離を空ける
- エイドとして大会サイドで用意するものはペットボトル(水)のみ、メイン会場&エイドステーション2ヶ所の周回で合計3ヶ所(各箇所500ml3本)。
- メイン会場ではペットボトルを受け取り、車&テントで各自の補給食を摂る
- 各自用意された食料・飲料および提供するペットボトルを含めゴミは全て持ち帰る
- スタート地点・フィニッシュ地点・エイド地点ではマスク着用
2020年大会はコロナ禍での対策を徹底しており、エイドステーション3ヶ所では500mlペットボトル水のみの提供です。
そのため、参加者各自のテントや車で補給食を摂る必要があります。
通常のレースと異なり、補給食や着替え、クーラーボックスなどレースの荷物が非常に多いこともあり、電車ではなく車での移動を選びました。
スタート/ゴール会場の松原湖高原スケートセンター周辺はリゾート地です。
松原湖駅も比較的近くにあり(駅〜会場まで3.5km)、バスも巡回していますが、公共交通機関よりは自家用車やレンタカーの方が小回りが効いて便利です。
OSJ KOUMI100は林道&舗装路の比率が高いウルトラトレイルレース
「KOUMI100って同じコースを5周する100マイルでしょう?」と認識しているランナーは多いですが、周回ループ以外にも路面環境の比率や標高にも特徴があります。
OSJ KOUMI100のコースの特徴
OSJ KOUMI100のコースの特徴は以下です。
- 35km✕5周ループの周回100マイルレース
- 1周あたり距離35km&獲得標高1,500m程度
- 割合はトレイル3:林道4:舗装路3とトレイルが少なめ
- スタート地点で標高1,200m程度、最高地点は2,100mと高地レース
- エイドステーションはスタート・ゴール地点を含め計3ヶ所
- ストック・ポールの使用可
KOUMI100はトレイルが少なく林道と舗装路の割合が高い周回100マイルレースです。
トレイルはわずか3割程度。
1周あたり距離35km&獲得標高1,500m程度ですが、景観に優れているわけではなく林道や舗装路が延々と続くコースなので5周も繰り返すのは精神的に辛い…。
早朝5時スタートで4周目には真夜中になっていることがほとんどなので、3周まではなんとか気持ちと体力が続いたとしても4周・5周目は心が折れてしまうランナーが続出するらしく、リタイア率も高いようです。
また、スタート地点の標高がすでに1,200m近くあり、最高地点は2,100mの高地レースとなるため、日中・夜間の寒暖差が激しいレースです。
低完走率で制限ギリギリ36時間でも100位以内ゴール可能
2018年のリザルトによると、1周目を6時間以上で走って完走したランナーはおらず、ほとんどが5時間台で走っていますが、4〜5周目にもなると1周8時間越えのランナーが続出し後半のペースダウンが目立つレースです。
30時間切りで10位以内、32時間切りで30位以内、34時間切りで50位以内、36時間(制限時間)切りで100位以内といった順位です。
KOUMI100は100マイルレースの中でも制限時間が36時間と厳しく、制限時間ギリギリの36時間でゴールしても100位以内に入ることができます。
個人的には100km越えの高低差の激しいウルトラトレイルよりも淡々と同じペースで走り続けるウルトラマラソンの方が得意で順位も良いのでKOUMI100のコースは好みです。
目標は35時間=サブ35
今回は完走を目的に出場するので、前半に突っ込み過ぎず力を温存しながら4周・5周目を迎えられるようなペースメイキングをしたいところです。
以下の予定を計画していました。
- 1周目 5時間30分
インターバル 15分 - 2周目 6時間
インターバル 20分 - 3周目 6時間30分
インターバル 30分 - 4周目 7時間30分
インターバル 30分 - 5周目 8時間
- 合計 35時間
制限時間36時間に対し1時間の余裕を持った35時間切りのプランです。
1周ごとのペースダウンも考慮して30分の余裕を見つつ、休憩時間を15〜30分確保しています。
KOUMI100は全歩きしても7時間30分〜8時間程度と言われているので4・5周目に足が潰れていても歩き続けることさえできれば完走できるレースプランです。
あわよくばサブ34を狙いたいところですが人生初の100マイルレースでトラブルが起きないことはありえないので無理に背伸びはしないように考えていました。
ちなみにハダが過去に完走した最長トレイルランニングレースは2019年9月の上州武尊山スカイビュートレイル140(143k&D+9,200m)です。
32時間6分でゴールすることができましたが、食べ物が喉を通らなくなったり、嘔吐を繰り返したり、睡魔に襲われ倒れたり、エイドで仮眠を取ったりと非常に厳しいレース展開でした。
ハダ
「上州武尊を完走できたなら100マイルも完走できるよ」と先輩ランナーから言ってもらえたのが心の励み。KOUMI100で100マイラーになるぞ…!
OSJ KOUMI100を走ってみた
前日受付の出店はOSJらしいコンプレスポーツ祭り
OSJらしいコンプレスポーツ祭りな出店ブース
前日9日(金)の午後から受付が開始されました。
コロナ禍での対応でゼッケンナンバーごとに受付時間が設定されていたので14時過ぎに到着して受付を済ませました。
出店は非常にミニマムでOSJらしいコンプレスポーツ祭りでした。
事前受付ではヒロさん @Rabbit123Hiro とこちゃかいさん @cosakai と合流して明日の天気や会場付近の自販機を確認しながら作戦会議をしました。
スタート会場最寄りの小海リエックス・ホテルに宿泊
お一人さま宿泊なのにツインルームで完全に持て余しました
前日は最寄りのリゾートホテル・小海リエックス・ホテルに宿泊しました。
会場から5km弱なので車はもちろん徒歩でも移動可能です(勾配が大きいのが難点)。
1泊2食付で15,400円のところ、Go Toキャンペーン+地域共通クーポンの組合わせを使い、なんと6,250円!
まさかの40%OFF・9,000円以上の値引きでお得に泊まることができました。
ホテルには大浴場もありますし、レース対応で前日夜に朝食用サンドイッチを用意してくれたりと対応も良かったです。
車中泊を検討していましたが、ホテルに宿泊することで7時間ぐっすりベッドで眠れたおかげで良いコンディションでレースに臨むことができました。
睡眠不足だと心拍数が上がりやすかったりとなかなか調子も上がりません。
レース前
レース前にサクさんと記念写真
当日は駐車場の混雑を予想してスタートから2時間前に会場入りしました。
駐車スペースか明確に分かれているわけではなく駐車場整備スタッフも居なかったので、3時30分には駐車場が混雑していました。
特に今回のレースは自家用車=エイドとなるので駐車スペースの位置取りは重要です。
前日から降り続いた雨は止むことなくレース直前にも降り続いています。
予報では10日の夜には止むようですが、標高も高く山の天気は変わりやすいのであまり期待できません。
気温は低すぎず12度前後でしたが雨で濡れると体が冷えるので、室内で待機するランナーが多く居ました。
スタート〜1周目 タイム4時間53分10秒
スタート直前
雨の降る中、早朝5時にレーススタート。
まずは1周目は様子見です。
事前の下見はしていないので「どんなコースなのか」「負荷を掛け過ぎないペースでどのくらいのタイムが出るのか」を知ることを目的にしていました。
レース序盤はテンションも上がってペースアップしてしまいがちですが、気持ちを抑えて4・5周目を良い状態で迎えたいと考えていました。
スタートから3kmほど下り基調のロードを進むとさっそく林道パートに入りますが、前日から降り続く雨で路面はぐちゃぐちゃ。
すぐにシューズが浸水してしまいました。
路面状態も悪いので無理にペースを上げることはせず徒歩で進みます。
六甲縦走キャノンボール2020春を一緒に走ったネムネムさん @nemunemu_diet と合流することができ、おしゃべりしながら進みます。
10kmほど進むと第1エイドに到着。
エイドでは事前の説明通り、クリスタルガイザー500mlしか提供されません。
受け取ってザックのショルダーポケットに入れるとソフトフラスクとは違い、胸元に違和感を感じます。
シャバシャバ音もすごく気になる…レース当日に限って普段と違うことをするのは良くないですね。
ここからはロードの下り(後半に上り)が4km。
重力に身を委ねるように力を抜いて走るものの、傾斜もキツイので5分30秒/kmまでペースアップしてしまうことがありました。
いかんいかん。
サクさんの背中
東京のトレラン専門店・Run boys! Run girls!のグループランで知り合ったサクさん @saku5324 と合流しました。
すでにKOUMI100を完走済みのサクさんから「3周目まではエイドで長く休憩を取らないほうがいいよ。3周が終わった時点で心が折れてリタイアする人が多いから」とアドバイスをいただきました(このアドバイスがレース後半で非常に支えになりました)。
14km地点で第2エイドに到着しますが、第1エイドで水を受け取ったのでスルーします。
ユキ丸さんが撮影してくれた写真。まだだいぶ元気そう
YAMAPのユキ丸さん @ykmr0427 にも遭遇。
ここからトレイルパート(ニュウの上り)に入り、4km先の18km地点(標高2,200m弱)まで700mアップと急傾斜が続きます。
ニュウの上りは傾斜がキツく、道幅も狭く、雨の影響で路面が滑りやすくなっているため走ることはできません。
木をかき分けたり、丸棒を渡ったり、足幅しかない狭小コースも多く足の置き場所に悩んだり…と非常にテクニカルなパートです。
降り続く雨の影響で上れば上るほど川のように雨が流れてきます。
2,200m弱地点まで上り、ここからは待望のトレイル下りのパートです。
ニュウの上りは道が細く険しい
しかし、上りと同じく下りもハードなのがニュウ。
雨で柔らかくなった路面はドロドロでスリッピー、段差も大きいため足の置き場を間違えると滑って転んでしまいます。
走れるようなパートは皆無、お尻を付けて段差を下りたり足裏を滑らせながら下ったり…と滑って転んで怪我をしないように気をつけました。
しばらく進むと笹薮の林道パートに入り、ようやく走り出すことができました。
「そうそう、これだよ、これ!」と気持ち良くなってペースが自然と上がってしまいます。
笹薮が終わるとアップダウンのあるロードに移ります。
上りは歩いて下りは走る、を繰り返して4kmほど進むと第3エイド(第2エイドと同じ)に到着します。
ここから先は5kmで200mアップのロードの上り。
下った時は気持ち良い傾斜だったのに上るのはツライ…。
焦らずに徒歩で進んだ先に第4エイド(第1エイドと同じ)が待っており、ようやく28km地点まで来ました。
残りは7km。
ここから先は林道の下りが4km。
傾斜はそこまでキツくありませんが路面がぬかるんでいるので非常に滑りやすくなっています。
さらにキャベツ畑が美しい3kmのロード(多少アップダウンあり)を終えればようやく1周35kmが終了です。
1周目が終わった時点でまだ余裕があるハダ
スタート/ゴール地点では仙台のヒサエさん @MASOCHISSA やネムネムさんのペーサー・はるちゃん @HarukaOgura0514 が待っていてくれました。
「ハダくん、だいぶ速いよ〜」と言われ、電光掲示板を見てみればタイムは4時間53分10秒。
5時間30分の計画が40分弱も速く1周目を回ってしまいました。
ヤバい、ペースを上げ過ぎた…。
ハダ
1周目を終えて疲労感は感じるもののまだまだ足は残っています
2周目 休憩20分35秒+タイム5時間1分25秒
阿蘇ラウンドトレイル2019を一緒に走った安藤さんが撮影してくれました、会えて嬉しかった〜
1周目を突っ込み過ぎた感が否めませんが、貯金が出来たのでまずは良しとします。
自家用車エイドに戻り、ソックスやウェアを着替え、iPhoneや時計を充電し、水分や補給食を補充し、トイレに寄って…と手際よくこなしたつもりでもあっという間に20分が経過していました。
エイドに入ってからというものの、時間が溶けるように過ぎていくことに焦りを覚えます。
しかし、サポーターやペーサーの居ない完全ソロ参加ではどうしてもエイドワークに時間が掛かってしまいますが、急ぎ過ぎて準備不足になっても仕方ありません。
インターバル中にはサポーターとして来ていたあしくびさん @ashikubi0721 にも初対面。
もはやKOUMI100はツイッターオフ会感すらあります。楽しい…。
スタート/ゴール地点は他ランナーとすれ違うことが多い
貯金した分を切り崩す気持ちで切り替えて2周目に突入します。
するとミックさん @daisuke1013 に遭遇。
スタート/ゴール地点では後続ランナーとすれ違うため、知り合いに声を掛けると元気が出ますね。
水のみ提供されるシンプルなエイド
1周目に比べランナーもだいぶバラけたおかげでコース序盤の渋滞はありません。
1周目よりも少し抑えた1周あたり5時間30分ペースを意識して走ることにしました。
2周目の出発は午前11時前でヘッドライトも要らず道が良く見えるようになりました。
空が明るくなると1周目には分からなかったコース情報を得やすく、自分なりに走りやすい道を意識しながら進みます。
しかし、ランナーが歩けば歩くほどコースが荒れていくので1周目よりも荒れてぬかるんだ地面に足を取られます。
「深夜になるであろう4周目ではどれだけぐしゃぐしゃになってしまうんだろう…」と不安が募ります。
ニュウの上りは荒れる一方 泥水が膝まで浸かる深さのパートもある
雨は一向に止みません。
予報では、3周目に入る夕方〜夜頃にはには雨が止むとのことですが、すでにレインジャケットも手袋もびしょ濡れ。
手袋は防水仕様のものではなかったので都度ぞうきんのように絞って水気を取り除きますが、水分を含んで非常に冷たく感じます。
テムレスを着用するランナーも見かけますが、ハダは実践で着用したことがないのでザックに収容したままです。
ニュウの上り終盤にある泥水プール
ニュウの上り終盤はすっかり荒れてしまい、泥水が膝まで浸かる深さになっているパートもできていました。
これはもはや田植えレベル。
道が細いので避けることすらできません。
標高が高いため泥水も冷たく、一気に足から温度を奪われます。
この看板が見えれば長いニュウの上りも終わり
ニュウの下りも悲惨になっています。
急勾配なのでスピードを出して下ることもできず、ただただ滑らないように足を置くことを繰り返していきます。
前方のランナーは足を滑らせたり腰を強打したり悲惨な状況……と思っていたら自分自身も滑って転んでしまいます。
嗚呼、腰が痛ェ…でも怪我しなくてよかった…。
ニュウの上り下りで順位変動はほとんど期待できないのでひたすら辛抱するパートになりそうです。
とにかく怪我をしない、これに尽きます。
延々と続くロードやトレイルもKOUMIらしい景色
レース前の車中で聴いていた井原知一さん(トモさん)のポッドキャスト・100miles100timesで「HURT100では3周目からがようやくスタート」と言っていたのが印象的でした。
「まだ2周目、スタートすらしていない」と言い聞かせるものの、体の疲労は蓄積される一方です。
ふくらはぎや太ももに張りを感じます。
長距離レースでの弱点である腰も痛くなってきます。
「まだ2周目なのに残り3周もできるのかな」と不安になりながらもとにかく下りはサボらず走るを徹底してロードや林道でペースを上げます。
特に28km地点の林道の下りパートは路面がぬかるんでいて走れないランナーが多くいましたが、転んでもいいので重力に任せてスピードを殺さないことを意識して走りました。
おかげで随分とランナーを抜くことができました。
ようやく2周目の終盤のロードに入り、まずは怪我なく2周を走り終えたことにほっとします。
前半に飛ばし過ぎている感は否めませんが、暗くなる前に2周目を終えることができ一安心です。
2周目を終えるタイミングでヒロさん @Rabbit123Hiro にも合流、まだまだ余裕の表情です。
2周目のタイムは5時間1分25秒。
「ハダくん、すごいよ、すごく良いペースだよ」とヒサエさんが煽ってくれるのでなんだか今日はいけそうな気がします。
全体的に1周目よりも力を抜いて走りましたが、上り・下りの渋滞も無かったためペースアップできていたんだと思います。
ヨシ、ヨシ、いいぞ、俺。
気づけば雨も止んでいました。
ハダ
怪我なく2周目を終えられて一安心、ここからが勝負どころ!
3周目 休憩32分46秒+タイム5時間47分31秒
スタート/ゴール地点近くのロードには美しいキャベツ畑
前回のインターバルでのロスを反省しエイドワークを早くしたいものの、ソックスやウェアを着替え、iPhoneや時計を充電し、水分や補給食を補充し、トイレに寄って…と作業をこなしているとあっという間に32分が経過しました。
また一瞬で時間が溶けていく…。
しかし、ようやく3周目に突入してここからが本番のようなもの。
大コケすることなく回ることができれば惰性の4周目・根性の5周目で完走できるはず…!と気持ちに余裕が生まれます。
そして、レース後半に取っておいたトレランポールの封印を解き、シューズも履き替えて気分一新です。
シューズは4km地点の林道ですぐさま浸水してしまうのですが、林道やロードの上りではポールが大活躍。
ポールを使うことでバランスも取りやすくなり、足の疲労蓄積を軽減しつつ、腕を使ってガシガシ上れるのでパワーウォークが可能になりました。
ポールというご褒美をレース後半に取っておいて良かった〜。
すでに体はだいぶ疲れていますが、まだ足は攣っていません。
3周目のニュウの上りを越えたら100マイルの半分=50マイルが終わるんだ!という気持ちだけで前へ進みます。
しかしニュウの上りが途方もなく長い…。
サクさんが「3周目のニュウの上りがキツかったんだよねえ」と言っていたことを思い出しながら「ここでサボっちゃ駄目だ」と言い聞かせます。
「早く細い丸太の吊り橋出てこないかなぁ」「そろそろ田植えゾーンに入るはずなんだけどなぁ」といくら見たい景色を望んでも足を進めなければ景色は一向に変わりません。
「上りは歩いてもいいけど立ち止まるのは駄目」「下りは遅くても走る」と設定したマイルールを守ることができれば必ず良いタイムが出るはずです。
待望のニュウの下りに差し掛かると「あと半分っ!あと半分っ!」「3周目を終えたら残りは全歩きでも制限時間に間に合う!」と途端に元気が出てきました。
ポールを使うと上りはもちろんスリッピーな林道の下りでもバランスを取りやすくなるので転倒リスクを防げるのが良いですね。
ロードや林道の下りではぬかるみに足を取られてペースダウンした選手をジワジワと抜くことができました。
そして待望の3周目が終了。
タイムは5時間47分31秒。
3周目は6時間切りのサブ6ペースで終了。
3周で17時間切りなので、残り19時間で2周すれば良いだけです。
つまり残り2周は全歩き(7時間30分〜8時間)でも十分にゴールできるペース配分です。
ここまでは大きなトラブルも無く目標以上のタイムで走ることができています。上出来!
ハダ
残りは2周、完走は見えてきたのであとは怪我なくどれだけタイムを縮められるか!
4周目 休憩42分57秒+タイム7時間1分50秒
エイドでは水だけでなくお湯も提供されていました。さすがOSJ!
3周目が終わった時点のエイドではゆっくり休もうと決めていました。
ネムネムさんのペーサーのはるちゃんにサポートしてもらいながら着替えや充電、水分や補給食の補充を済ませ、ようやく待望のカップラーメンにありつくことができました。
ホテルで早起きしてポットに入れておいたお湯でカップラーメンを準備してもらいましたが、ポットにお湯を入れてから18時間以上経っていたのでさすがにお湯がぬるくなっていました。
ちょっとカタイけど、2周目以降ずっと楽しみにしていたカップラーメンは美味い!
アウトドアで食べる日清カップヌードルのシーフード味はやっぱり最高ッ!
少し気持ちにゆとりもできたのでゆっくり休憩していると、あっという間に42分が過ぎてしまいました。
完走は見えてきたものの、ここで油断は禁物。
4周目は深夜〜明け方の時間帯になるので思うようにペースも上がらないはずです。
無理はしないようにゆっくり進み出しました。
「これが終わればあと1周」と自分自身を励ましながら歩きますが、やはりペースはなかなか上がりません。
特にニュウの上りで途端に眠気が襲ってきてしまい、寒気も感じるようになりました。
眠いし寒い。
頭も回らない。
寝たら復活できそうにない。
これはピンチです。
「またあのニュウを登るのかと体力が底を尽き3周目が終わった時点でリタイアするランナーが多い」とは聞いていました。
噂の通り、深夜の標高2,200m弱は非常に寒く感じます。
4周目から腰にホッカイロを貼り付け寒さ対策をしましたが、補給食を取り出すために少しペースを落とすと体が途端に冷えてしまいます。
「ニュウの上りさえ終われば残りは下りメインだから復活できるはず」と代謝を高めるために補給をしつつ、ポールを使って少しずつ上っていきます。
もはやこの時間帯になると誰ともすれ違うことも無く、まぶたは重くなるばかりです。
「ホゥッ!」「フウゥッ!!」と奇声を発してみても効果はなし。
乾燥梅干しを口の中で転がしながら眠気と戦う時間が続きました。
ネガティブな時間こそ長く感じるものですが、ようやくニュウの上りを越えることができました。
「よっしゃ!ここから下りだ!」と勢いづきたいものの、ニュウの下りは湿度が高いせいかヘッドライトの光が空気中の水分で乱反射してしまって足元しか見えません。
ここでヘッドランプのマイルストーン・トレイルマスターMS-F1をフォグランプ仕様(電球色)に切り替えて乗り切ります。
すでに4周目ということもあり相変わらずニュウの下りはぐちゃぐちゃに荒れています。
下るというよりも一歩一歩足を置いていくような気持ちでゆっくり下りました。
高い段差で足を広げ過ぎて攣らないようにチョコチョコと足を置いていきます。
笹薮の林道はペースの上げどころにも関わらず、出力が上がらずダラダラと歩いてしまいます(これが4周目の失敗点)。
ようやくトレイルパートが終わって焼きそばパンを食べたところ、想像以上に美味しくてスイッチが入りました。
そうそう、もう甘いモンは要らないから塩っぱくて濃い味付けのものが食べたかったんだよ。
上りは歩く、下りは走るを繰り返しつつ「あと1周すればゴール」と唱え続け、ようやくスタート/ゴール地点に戻ってきました。
薄々分かってはいましたが、4周目のタイムは7時間1分5秒と大幅に遅れてしまいました。
スタートから24時間以上経過して時刻は5時20分、空はすっかり明るくなっていました。
ハダ
振り返ると4周目の眠気と寒さが最もシンドかった…
5周目〜ゴール 休憩31分+タイム6時間16分28秒
4周目が終わった時点でヒサエさんに「ハダくん、いま40位くらいだよ!」と教えてもらうと、ムクムクとやる気が出てきました。
ラスト1周を早朝6時にスタートして7時間で走れば32時間切りのサブ32が達成できます。
出場前にサブ32が達成できたら30位以内のゴールもあり得ると踏んでいたのでラスト1周は潰れてでも勝負しようと決めました。
あわよくば目指せサブ31。
ラスト1周で6時間を切るのは至難の業ですが、潰れてでもゴールはできるんだから思い切って勝負してみたい。
足早にインターバルを終え、小走りでスタート地点を後にしました。
眠気と戦ったコース序盤の林道の上りパート
しかし、4km〜10km地点の林道で再び眠気が襲ってきます。
4周目終了時点でカフェインを摂取しようか悩んだのですが、胃のトラブルを警戒して摂取しませんでした。
ポールを使ってぬかるんだ林道を歩くものの、まぶたが重く気づけば目をつぶってしまいます。
「あぁ、カフェインを取っておけば良かった」と全力で後悔しました。
ジェルを飲み込んでも大きな声を出しても眠さはそのまま。
ペースを上げようにも上りで足を攣ることは最大限避けたいものです。
思考も完全に停止していたでしょうから、ゾンビのように歩いていたと思います。
すると「チワッ」と後ろから声を掛けられてハッとしました。
声を掛けてくれたのは山梨のトレラン専門店・道がまっすぐの小山田オーナーでした。
「あ、道がまっすぐの小山田さんですよね?いつもインスタ観てます」「KOUMIは何度目の出場なんですか?」と話しかけているうちにずいぶんと目が冴えてきました。
林道の上りパートも終わりが見えてきて、ここからはロードの下りで完全復活できるはずとペースアップしました。
ロードの下りは重力に任せて走る、ロードの上りもゆるい傾斜なら走る、と潰れる覚悟で走り続けます。
空が明るくなると次第に元気も取り戻しペースも上がったニュウの上り
「余ってるのでどうぞ」とエイドでもらったパワーバーのグミ(コーラ味)が歯ごたえがあり美味しくて第1・第2エイドで2袋食べました。
もはやジェルは食べる気にならないのでグミは食のアクセントになります。
毎周泣かされたニュウの上りも「これが最後の上りだ」と思うと足が進みます。
「どれだけサブ31に近づけるか突っ込んでみたい」と相変わらず泥まみれのニュウの下りも足早に歩を進めます。
ニュウの下りが終われば残り15km、トレイルパートも終わり、難関はもうありません。
すると宮古島100kmワイドーマラソンでお会いしたチキンハートランニングチーム・中尾さん&ペーサー・横山さんを発見。
宮古島でも同じホテルに泊まったりタイムも近かったので「宮古島でお会いして以来ですね」と久しぶりの再会に嬉しくなりました。
ニュウの下り→笹薮の林道→ロードのアップダウン→第3エイドと走り続けラストスパートは続きます。
最後の上りである第3エイド→第4エイドをガシガシと登れば後は下るのみ。
林道の下りはぬかるみを気にすることなく勢いに任せて下りていきます。
するとツイッターでよくやり取りさせていただいている小林さん @he1ic0n2 を発見!
「あ〜、ようやくお会いすることができました!」と非常に嬉しかったのですが小林さんは足取りが重く辛そう…「ゴールで会いましょう!」と声を掛けてくださいました。
会いたかった人に会えると元気が出るから不思議なものです。
さらにクラフトビールEC専門店のVERTIGO AGEO・JJさん @stillnotitle にも遭遇。
ポッドキャスト・Replicant.fmのゲスト回を聴いたりツイッターを見ていたので初めてお会いしたような気もせず「あのッ!JJさんですよねッ!?」と声を掛けたら元気が出ました(汚い手で握手してスイマセン)。
「あとは下るだけだ〜!」「ゴールはすぐそこだ〜」と林道もロードも走り続けましたが、残り1kmを切ったところでなにかチャイムのような音が聞こえて時計を確認すると昼12時(レース開始後31時間)を指していました。
ああ、間に合わなかった…。
いちるの望みをかけてサブ31を目指して走り続けた5周目ですが残念ながら間に合わず。
しかし、走ることは止めずにゴール地点まで進んだのでした。
100マイルのゴール目前のハダ
ゴールではヒサエさんやネムネムさんが待ってくださっており、彼らの顔を見たらほっとしました。
「やったぜ!」という気持ちよりも「ちゃんと帰って来ることができて良かった…」と安心したのでした。
疲労は十分過ぎるほど溜まっているのに最後の1周は良い勝負を仕掛けることができました。
ハダ
長かった100マイルレースもこれで終わり!
OSJ KOUMI100の結果
ゴール直後の安堵した表情のハダ
10日(土)の早朝5時にスタートし、11日(日)の13時前にゴールすることができました。
苦しい時間帯も数え切れないくらいありましたが、諦めずに走り続けて本当に良かったです。
人生初100マイルの結果は31時間7分42秒で総合28位(上位6.6%)
タイムは31時間7分42秒で総合28位
OSJ KOUMI100の結果は以下でした。
- タイム 31時間7分42秒
- 順 位 総合28位/426人中(上位6.6%)
- 完走率 27.7%
サブ31には届かなかったものの、31時間7分42秒でサブ32を達成することができました。
総合順位は28位。
上位6.6%に食い込んでいます。
中盤の位置からスタートし尻上がりにジワジワと順位を上げていくことができ、想像以上に高い順位でゴールすることができました。
426人が出走し118人が完走したので完走率は27.7%と非常に低くなりました。
制限時間が短く周回コースと精神を削られるレースに加え、悪天候も影響し、3周目でリタイアするランナーが非常に多かったようです。
OSJ KOUMI100の結果
ハダのラップタイム
ラップタイムは以下になりました。
- 1周目 4時間53分10秒
インターバル 20分35秒 - 2周目 5時間1分25秒
インターバル 32分46秒 - 3周目 5時間47分31秒
インターバル 42分57秒 - 4周目 7時間1分50秒
インターバル 31分 - 5周目 6時間16分28秒
- 合計 31時間7分42秒
4周目のタイムがガクンと落ちてしまいましたが、5周目は最後の力を振り絞ってラストスパートを掛けた甲斐があり、目標を大きく越えるタイムでゴールすることができました。
サポートなし&ペーサーなしのソロ参加だったため、インターバルが計画以上に長く掛かってしまったものの、目標だったサブ35よりも3時間50分以上短縮したサブ32を達成することができました。
人生初の100マイルは上出来過ぎるレース展開で好成績を収めることができました。
OSJ KOUMI100のペース考察
今回は会場での完走証の発行はなく後日ダウンロード形式だった
ツイッターではKOUMI100の前後で凄まじい考察が行われており、非常に学び深い要素がたくさんありました。
nemoさん @nemotrek の完走者の平均ラップタイムのデータを見ると次のことが分かります。
#KOUMI100 pic.twitter.com/oN3xikhid5
— 𝒏𝒆𝒎𝒐 (@nemotrek) October 12, 2020
- サブ32(ハダと同程度タイム)ランナーのインターバル時間は10分〜17分と短い
- サブ33ランナーの最終ラップ5周目は7時間38分越え、サブ27ランナーの最終ラップ5周目は6時間12分越えと大幅ペースダウン
データを見ると今回のハダの走りは「インターバルに時間を掛け過ぎ」「レース後半の追い上げは大成功」といった感じでしょうか。
メチロンさん @methylone がブログでハダのことを取り上げてくださり、以下のコメントをくださいました。
”休み過ぎたら、完走が遠のくんじゃないか” って恐怖もあると思いますが、『しっかり休む』でサブ32を達成したのが、猟師のハダさん。先に紹介した61才の黒田さんもそうですが、ハダさんも 20分〜45分の休憩をいれており、「しっかり休んでもサブ32はできる」のお手本となる良ラップ。しかも初100マイルで、見事な作戦と遂行能力を感じさせました(色々やってると20分はあっという間ではありますが)。
31時間ちょっとの合計タイムで2時間は休憩していたと思うと休み過ぎなように感じますが、自家用車エイドでは気づいたら時間が溶けていて計画以上に時間が過ぎてしまったという印象です。
着替えて〜充電して〜補給して〜ゴミ捨てて〜トイレにも寄って〜と前もって決めた作業をこなしているだけで決してダラダラ過ごしていたわけではないのが悩ましいところです。
サポーターやペーサーの存在でインターバル時間を大幅短縮できるなら、来年はお妻さまを召喚するか知人のランナーにサポーター&ペーサーを相談させてもらおうかしら…。
トップ10のラップタイム。青字は一周目との比較でどれだけその周回に時間を費やしたか。やはり一周目を3時間台で入ると、後半の代償も大きい。#KOUMI100 pic.twitter.com/2RhWcKAgYb
— 藤岡正純 (@masazooomi) October 11, 2020
シアトル在住のランニングコーチ・藤岡正純さん @masazooomi のデータによるとトップ10の選手でも1周目と5周目のタイム差が開いていることがよく分かります。
100マイルのような長丁場のレースではいかに潰れずにペースを落とし過ぎないかが重要なんですね。
今回3位のプロトレイルランナー・奥宮俊祐さんでさえ、1周目は3時間44分41秒とハイペースながらも5周目最終ラップは6時間30分40秒と大きくペースダウンしているのが驚きです。
レース後半ですれ違った時はめちゃめちゃ苦しそうな顔してたもんなあ。
OSJ KOUMI100の振り返り
雨と汗と泥でボロボロになったゼッケン
レースの振り返りは以下です。
OSJ KOUMI100の反省点
レースを振り返った反省点は以下です。
- 15分〜30分予定のインターバルが20〜43分も掛かってしまった
- 4周目(深夜〜早朝)の下りを歩く割合が多く1周で7時間掛かった
- 4周目中盤・5周目序盤の眠気に勝てなかった(カフェイン摂取しなかった)
OSJ KOUMI100の良かった点
良かった点は以下です。
- 前半は抑えつつ下りで攻め、後半に体力温存し5周目で追い込めた
- レース後半(3周目〜)からポールを使い足の疲労を軽減できた
- 昆布や梅チューブなどアルカリ性食品を摂り体の酸性化対策ができた
OSJ KOUMI100のまとめ
OSJのトレランレースでお馴染みのコースマーキング
OSJ KOUMI100の評価は以下です。
KOUMI100は制限時間が短い周回コースで完走率が低いので初めての100マイルレースにはおすすめできませんが、このレースを完走できたことは自分にとって大きな自信になりました。
OSJのレースで公式リザルト1枚目に自分の名前が載るなんて初めての経験
2日目の13時頃にはレースを終えることができたので、他のランナーのゴールを見届け、八峰の湯(ヤッホーの湯)で泥と汗を流して帰路に着きました。
長野・小梅町から愛知・津島の実家まで車で4時間なのですが、仮眠しながら7時間以上掛けてゾンビのような状態で帰宅しました(泣)
OSJ KOUMI100の装備・補給
レースで着用したシューズは化石化しており洗っても洗っても泥が出てくる
最後にハダが使ったウェアやギア、補給食をまとめました。
100マイルレースの参考になれば嬉しいです。
ハダの過去記事やAmazon、公式サイトのリンクを貼っているので詳細が気になる方はのぞいてみてください。
OSJ KOUMI100の装備
OSJ KOUMI100の初期装備は以下です。
- シャツ パタゴニア ロングスリーブ・キャプリーン・クール・ライトウェイト・シャツ
- ショーツ(ノーパン) パタゴニア ストライダー・プロ・ショーツ 5インチ
- レインジャケット パタゴニア クラウド・リッジ・ジャケット
- レインパンツ ワークマン フィールドコア レインパンツ ストレッチ
- ソックス インナーファクト SKINSOCKS(足袋型)
- シューズ アルトラ スペリオール4.5
- ヘッドライト マイルストーン トレイルマスター MS-F1
- 手袋 ブラックダイヤモンド ウィンドフード グリッドテック
- ゼッケンベルト コンプレスポーツ レースベルト
- ネックゲイター バフ マルチヘッドウェア
浸水や汗冷え対策のため、ウェアやシューズは毎周着替えました(その分インターバルに時間が掛かってしまいました)。
レインジャケットが地肌に張り付くとストレスを感じますし、最高標高2,200m弱と高低差もあるのでベースレイヤーにはパタゴニア・キャプリーンシリーズのロングスリーブを着用しました。
ライトウェイト→トレイル→ミッドウェイト→サーマルウェイトと夜が深まるにつれて保温性の高いものに着替えていきました。
パンツは5周ともレインパンツもしくはパタゴニア・テルボンヌ・ジョガーズを履いていたのでショーツ単体では着用していません(寒いのが苦手…)。
レインパンツは秋冬の狩猟で愛用しているワークマン。シェイクドライに憧れます…。
ソックスは新品のものを使用しても1周回る間に親指や踵が破れてしまうようなダメージだったので毎周履き替えざるをえない状況でした。
お気に入りのインナーファクトのソックスは1,000km以上履き込んでも穴が空いたことが無かったのに1周35kmで破れてしまうあたりKOUMI100の激しさを感じます。
泥水や沼に足を突っ込んで浸水すると足裏とソックスの間に砂が入って痛くて仕方がありませんし、足がふやけてしまうので毎周タオルで拭き取るようにしました。
シューズは1・2周目はアルトラ・スペリオール4.5、3〜5周目はローンピーク4.5と交換してクッション性と水抜けを重視しました。
濡れて乾いてを繰り返したウェアやシューズを使い続けるのは気持ち悪いですし、着替えるだけでも十分に気分転換になります。
100マイルレースは24時間以上の長丁場なのでペースマネジメント以上にテンションマネジメントも重要です。
インターバルでは1分1秒が惜しくなってしまいますが「しっかり休んでまた頑張る」「着替えをして気分転換」できたことは今回の好タイムの要因だったでした。
OSJ KOUMI100のザック収容ギア
OSJ KOUMI100のザック収容ギアは以下です。
- ザック パーゴワークス RUSH UT2
- ジャケット パタゴニア フーディニ・ジャケット
- ポール シナノ トレランポール14.0
- ヘッドライト レッドレンザー NEO10R
- アームウォーマー R✕L シームレスアームカバー
- 手袋 ショーワグローブ テムレス
- 救急キット 携帯トイレ、サバイバルシート、ガーゼ、絆創膏、ポイズンリムーバー等
秋真っ只中の長野で1,200m〜2,200mの標高を走ることもあり細かい温度管理ができるように徹底しました。
防風ジャケットやネックゲイター、アームウォーマーは必携品ではありませんが、軽く嵩張らないのでザックに入れておくと安心感があります。
KOUMI100は舗装路や林道が多いのでストック・ポールを使わないランナーも居ましたが、100マイルレース後半は歩くことさえ辛くなってしまいます。
特にスリッピーなトレイルや林道の下りでバランスを取ることができ転倒を防ぐことができたのでKOUMI100ではポールを使用するのが無難です。
しかし、前半からポールを使ってしまうと頼り切って腕が疲れてしまったりランニングフォームが崩れてしまうので「ポールを使っていいのは3周目以降から」とご褒美設定をしてレース後半から使い始めるのが良いですね。
OSJ KOUMI100の補給食
OSJ KOUMI100の補給食は以下です。
- ジェル 川原商会 ワスプ アップルハニー
- ゼリー ダイトー水産 オレは摂取す
- 固形食 天狗堂宝船 くるみ餅
- リカバリーサプリ マグマ アスリートバーリィ
- お守り(攣り防止) ツムラ漢方 芍薬甘草湯 顆粒
- お守り(胃腸薬) 太田胃酸 分包
- お守り(鎮痛剤) 第一三共ヘルスケア ロキソニン
バナナ、カップラーメン、ポテトチップス、惣菜パン、コーラ、ポカリスエット、お茶
40〜50分おきに100〜150kcalを目安にジェルやゼリー、くるみ餅を口に入れるようにしました。
コース上で6〜7個のジェルやゼリーを口に入れ、スタート/ゴール地点でまとめて300〜500kcalの固形物を摂取し、毎周1,500kcal程度は摂るようにしていました。
毎週記録したSTRAVAのログを確認すると1周あたり2,800kcalは消費していたので5周で14,000kcalものカロリー消費をしていたようです。
14,000kcalものカロリーを補給食で補えていませんので脂肪を燃やしてエネルギーにできていたんだと思います。
特にトレイルパートでは出力が求められペースも落ちてしまうので必ず事前に補給食を口に入れるようにしました。
ジェルやゼリーだけでは飽きるのでくるみ餅やグミをよく噛んで唾液を出すようにしました。
5周ループで自家用車をエイド代わりに利用することができるため、コーラやパン、ポテチ、カップラーメンなどリアルフードをしっかり食べることを意識しました。
特にレース後半はジェルが喉を通らなくなってしまうのでザックの中に焼きそばパンやコロッケパンなどハイカロリーな惣菜パンを詰め込んで走れない上りパートで食べるようにしました。
体が酸性化しないよう昆布や梅などアルカリ性食品を摂る
糖質を摂取し続けて体が酸性に偏り過ぎないように乾燥昆布や梅チューブなどアルカリ性食品を摂取した結果、レース後半で嘔吐したり食べられない状態を避けることができました。
エイド食が提供できるレースではアルカリ性食品のオレンジやレモンなどフルーツ類を食べることができますが、今回は水しか提供されませんのでそうはいきません。
乾燥昆布や梅チューブをコンビニで購入できますし安価で携行しやすいのが良いですね。
ジェルやゼリーばかりだと口の中が甘々になってしまうのでレース後半の気分転換にもなります。
過去に参加した阿蘇ラウンドトレイル2019(120k)や上州武尊山2019(143k)ではレース後半で嘔吐を繰り返し随分とペースダウンしてしまいましたが、KOUMI100は昆布&梅などアルカリ性食品を摂取したおかげなのか胃腸のトラブルはありませんでした。
「レース開催が少ない2020年は力を付ける1年にしよう」と今まで月間走行距離100km前後だったところを直近6ヶ月間は350km以上に引き上げてトレーニングを積み重ねてきました。量だけではなく質を重視してランニングパワーによるトレーニング管理も導入。トレーニングの甲斐あって人生初100マイルレースを好タイムで完走することができ感無量です。
長くなりましたが、OSJ KOUMI100 2020年大会のレビューでした。
これで俺も100マイラーだ!
【KOUMI100】誰にも聞けない100マイルレース下ネタトラブル【裏話】【KOUMI100】誰にも聞けない100マイルレース下ネタトラブル【裏話】
今回の記事では書き切れなかった、人生初の100マイルレースで起きた下ネタトラブルについて書きました。